－看護学生時代からこちらの病院に勤務しているそうですね。

そうなんです。18歳で看護補助者として入職し、一度だけグループ病院に異動しましたが、トータル30年ほど勤務しています。私が入職した頃の当院には、奨学金を希望する看護学生が全国から集まっていて、たくさんの同期が仕事と学業を両立していました。

当時は遊ぶ時間もお金もなくて、生活は毎日ハードでしたが、ときどき同期と食事をしながらおしゃべりする時間がすごく楽しかったですね。

－ずっと同じ職場で仕事を続けてきたのはどうしてですか？

新人時代は怒られてばかりで、辞めようかと思ったこともあったですが、できることが増えて周囲に認められるようになると、仕事って楽しくなるんですよね。でも奨学金が返済免除になるまで勤務したら地元の北海道に帰るつもりだったんです。

ですが、そのタイミングで病棟主任を任されて、管理職として病棟のためにできることはないかと考えて職場改善のアイディアを生んで実践するようになりました。その管理職の仕事に喜びを感じるようになり、ここまで続けてきたんですよ。

－管理職に就いたことが、大きな転機になったんですね。

そうですね。ただ、29歳で病棟師長を任された時は、自分よりも年上のスタッフを束ねていく状況になり、すごく悩みました。マネジメントを極めるために、認定看護管理者資格を取得しました。

当院の所属する上尾中央医科グループ（AMG）はキャリア支援が充実しているので、当院の看護部の管理職はファーストレベルやセカンドレベルの研修を積極的に受講しています。本当に役に立つ研修だと経験上知っているので、管理職みんなに勧めています。

－貴院の特色について教えてください。

当院は、急性期中心の一般病棟と回復期リハビリテーション病棟を持つ地域密着型病院で、三郷市で唯一ICUを持つ病院として、二次救急の受け入れや手術にも力を注いでいます。ICUで患者様の容態急変を未然に防ぐ仕組み「RRS（院内救急対応システム）」を確立していることも特徴で、心停止に至る前の前兆を捉えて介入を行っているので、患者様にとってはもちろん、職員の安心にもつながっています。

リハビリや退院支援体制も強化していて、リハビリ科には100名以上のセラピストが在籍し、入退院支援室には6名の専従看護師を配置して（2024年4月）、在宅療養への円滑な移行を支援しています。

－ご自身の看護の方針について教えてください。

「患者様一人ひとりの個別性を大切に、心に寄り添った看護を提供する」を方針としています。患者様やご家族の立場を自分や自分の家族に置き換え、自分だったらこうしてほしいと思うことを実践します。患者様やご家族の中には本音が言えない方も多いですから、相手が言いたいことを察してこちらから声をかけることを意識していますね。

看護部の仲間たちにも、「患者様やご家族との信頼関係を何よりも大切に、本音でたくさん相談される看護師を目指してほしい」と伝えています。

－人を育てていく上で心がけていることはありますか。

その人の可能性を広げることでしょうか。キャリアの相談に乗る際は、そのスタッフが興味のある診療科・得意な技術・大事な看護観などを知った上で、将来の可能性を発掘したいと思っています。

看護部には、さまざまな領域に精通したスペシャリストが年々増えていて、現在、クリティカルケア・感染管理・脳卒中看護・皮膚排泄ケア・糖尿病看護の5分野6名の認定看護師に加えて、7名の特定行為研修修了者が在籍（2024年4月）しています。

－スタッフのために取り組んでいることはありますか。

毎日、１日の始まりとして院内ラウンドを実施し、時間をかけてスタッフと対話しています。スタッフみんなが心豊かに同じ方向に向いて、楽しく長く働ける職場環境を作ることで、私が大切にしている「患者さまの立場に立った看護」の実現にもつながると考えています。

－こちらへの入職を考えている方にメッセージをお願いします。

看護師って、結婚・出産後も、年齢を重ねても続けられる素晴らしい職業で、私自身も2人の子どもを育てながら今日まで仕事を続けています。

多様な人材が活躍する職場は、さまざまな経験や価値観を看護に活かすことができて、魅力的だなあと感じます。看護師として生涯現役を目指したいという方、大歓迎です！年齢やライフステージに合わせて働き方を柔軟に選択できる体制を整えていますので、お気軽にご相談ください。