－新人時代のエピソードを教えてください。

新卒で総合病院に入職し、産婦人科や高齢者病棟を担当する混合病棟に配属されました。出産の介助からエンゼルケアまで関わっていたので、気持ちの切り替えが難しかったですね。

産婦人科は喜ばしい場面ばかりではなく、抗がん剤治療を行っている患者様や流産をしてしまった患者様もいて、常に笑顔でいることはできませんでした。また、出産で喜んでいた直後に担当の高齢患者様が亡くなるということもあったので、表情や仕草の切り替えに気を付けながら患者様やご家族に接するように心掛けていましたね。

－そういった心掛けは先輩から学んだのですか？

先輩から指導を受けて学ぶことも、患者様と接する中で学ぶことも両方ありました。

当時は基本的に「見て覚える」という時代で、厳しい指導を受けることも多く、わからないことがあっても何度も聞いてはいけないという雰囲気でした。さまざまなことを学べましたが、あのときに看護技術を動画で何回でも確認できるeラーニングがあったら良かったのになあ…と、今は思います（笑）。

－看護師としての転機を教えてください。

急性期病院で働いているときに、処置だけでなく食事やADLの介助などの日常生活に深く関わることで、患者様の回復に影響が出ることを目の当たりにしました。加えて、医師やリハビリスタッフと協働するリハビリ看護が楽しかったこともあり、回復期病院への転職を決めて、そこで苑田会グループの回復期リハビリテーション病院に入職したんです。

そちらで働く中で管理職の仕事に携わるようになり、2023年に友仁病院に異動。その後看護部長を拝命しました。

－こちらの看護の特徴を教えてください。

当院は障害者病棟と地域包括ケア病棟があり、患者様は寝たきりの方が多く、スタッフは「ADLを維持して悪化させない」ということを心掛けて看護を行っています。急変は比較的少なく、患者様とじっくり向き合う時間が確保できる環境です。患者様お一人おひとりの心に寄り添い、思いやりのある看護を提供することを大切にしています。

また、在宅部では訪問看護も行っていて、患者様の治療前後を見ながら継続して支援することができます。今後さらに訪問看護に力を注いでいく方針です。

－訪問看護について詳しく教えてください。

当院の訪問看護は、ご自宅への訪問ではなく苑田会グループ内の有料老人ホームへの訪問をしています。計13施設を担当していて、そのうち11施設は夜間訪問も行っています。勤務形態は夜間のオンコール制はなく、日勤と夜勤です。夜間の移動はタクシーなので安心ですよ。

現在は、在宅部の強化に向けて、訪問看護に興味のある方の入職も大歓迎しています。当院には訪問看護が未経験のスタッフも多く活躍していて、未経験の方には先輩が訪問に同行するなどとしてサポートしていますよ。

－看護部の教育について教えてください。

年間の研修計画を立てて、日常生活に関わる看護・ケアの方法についての研修を実施しているほか、苑田会グループのラダーに沿ったレベル別の講義も行っていて、それらの研修や講義は、基本的にeラーニングを活用しています。

現在、看護部で力を注いでいる学びは、拘縮の方へのケアの方法や感染対策で、それらは対面形式で勉強会を行ったり、業者の方や外部の認定看護師を招いて集合研修を開催したりしています。また、今後は認知症ケアにも注力していく予定です。医療業界は日々変化しているので、スタッフが新しい知識や技術を学んで成長し続けられるように支援しています。

－どのような仲間を歓迎していますか？

スタッフ1人で患者様を見るのではなく皆で見ていくことが重要なので、協調性があってチームワークを大切にできる方だとうれしいですね。

また当院は、年間休日120日（＋有休）とお休みが充実していて、残業も少なめと、ワークライフバランスを大切にできる環境なので、仕事とプライベートを両立させたいという方にもぜひ入職してほしいです。

－スタッフのために取り組んでいることはありますか？

働きやすさを整えるためにマニュアル作成を行っていて、「どのように業務を進めていったら良いか」などを現場の声を聞きながら作り、業務改善を進めています。あとは、スタッフが意見を言いやすい雰囲気を作ることも大切にしています。

また、現在も休みの希望はできる限り通しているのですが、スタッフの人数が増えればより有休が取りやすくなると思うので、今後さらに新しい人材を増やしていきたいです。

－こちらへの入職を考えている方にメッセージをお願いします。

当院はワークライフバランスを大切にできるほか、地域に密着して患者様お一人おひとりに寄り添った看護が経験できる病院です。第二新卒の方・経験の浅い方・ブランクがある方・子育て中の方など幅広く歓迎していますので、ぜひ一緒に働きましょう！