急性期病院に忙しさは付きもの。でも、やりがいは大きいし、急性期の現場でこそ得られる経験・身につくスキルがあるから、「ずっと急性期医療に携わりたい」という方も多いですよね。地域屈指の救急車の受け入れ件数を誇る「苑田第一病院」には、私生活を充実させながらキャリアアップも目指せる環境が整っているとのこと。看護部には子育て世代も多く活躍しているそうなので、その理由を探るため、さっそく見学に行ってきます!
- 形 態
- 一般病院
- 所在地
- 東京都足立区/竹ノ塚駅
- 病床数
- 221床(うちHCU20床・SCU6床)
玄関
「苑田第一病院」へのアクセスは、東武スカイツリーライン「竹ノ塚駅」東口から徒歩約15分。玄関では、HCUの副主任を務める男性看護師さんが迎えてくれました。「ようこそ!当院は2026年8月、近隣の土地へ新築移転計画があり、地上10階建ての350床の病院にスケールアップする予定です。今日は、進化を遂げようとしている当院で働く魅力をたっぷりとご紹介しますね」。
駐車場
まずは近くの駐車場に行き、病院所有の救急車を見せていただきました。救急搬送の受け入れ実績が地域トップクラスだそうですね。「ええ。1カ月平均850台、年間1万台を超えています。病院救急車の車体のオモテ側にはDMAT(災害派遣医療チーム)のシートを貼り、災害医療への取り組みも地域に周知してもらえるよう取り組んでいるんです」。DMATは2024年元旦の能登半島地震の被災地でも救護活動にあたったそうです。
救急外来
救急外来に伺うと、救急救命士の皆さんが活躍していました。「モットーとする『24時間365日断らない救急』を実現するため、当院では救急救命士の採用に力を注いでいて、私たち救急救命士は、院内トリアージのサポートや転院搬送の調整なども担っています。救急車が来ると緊迫した空気が漂うものの、気さくなメンバーばかりなので、普段は和気あいあいとした雰囲気ですよ」と、皆さん。
新築移転後の完成予想図
お次は、新築移転後の完成予想図を紹介していただきました。新しい取り組みはスタートしますか?「ええ、地域から多くのニーズが寄せられてきた小児医療と周産期医療に取り組む方針で、通常分娩だけでなく、ハイリスク分娩や産科救急にも対応していけるよう、NICUやGCUの開設も計画しています。また、救急外来のスペースが約2倍になる予定なので、より多くの救急車の受け入れに対応していきたいと考えています」と、看護副主任。
看護部長室
お次は、小田看護部長にお会いしました。スタッフのために取り組んでいることはありますか?「職場への意見や要望を集めるために目安箱を導入しようと思い、時代に合わせてGoogleフォームを活用しています。現場の声を反映した職場づくりは職員定着率の向上につながっていて、看護部には結婚・出産後も長く勤務するスタッフがたくさんいるんです」と、看護部長。素敵な取り組みですね。
廊下
お次は、子育て中の看護師さん達を紹介してくれました。仕事と子育ての両立は順調ですか?「はい。子どもが小さいうちは日勤常勤・時短勤務・パート勤務の選択ができますし、保育園や学童のお迎えに遅れないように退勤させてもらえるため助かっています。最近は男性看護師の育休取得実績も増えていて、取得時期・期間の相談にも柔軟に対応してもらえます」と、皆さん。子育て支援として、法人合同の保育室も完備しているそうです。
HCU
つづいて、看護副主任が勤務するHCUを案内してくれました。「2022年から東京都CCUネットワークに加盟し、HCU内に4床のCCUも設けています。また、当院は24時間体制で脳卒中の患者様を受け入れ、搬入後速やかに診療を開始できる一次脳卒中センターコア施設の認定をうけているので、SCU6床も備えています。新築移転後はICUを開設予定で、より高度な集中治療体制を整えていく方針です」。
HCU スタッフステーション
スタッフステーションを覗くと、カンファレンスが行われていました。「毎日多くの救急患者様を受け入れるには、救急外来の体制を整えるだけでなく、各部署での円滑なベッドコントロールも重要です。入院患者様の在院日数は短く、ほとんどの方が12日以内に退院されるため、スタッフ全員がベッドの状況や退院の予定を把握し、救急車の受け入れ率向上を目指しています」と、皆さん。それは素晴らしい!
HCU
ベッドサイドでは、新人看護師さんへの指導が行われていました。「入職後は、新卒者にも中途入職者にもプリセプターの先輩が付き、その方のレベルに合わせたOJTを行っています。入職1年目から目標を持って仕事に取り組めるように、クリニカルラダーに沿った到達目標を提示してラダー別研修を実施しているほか、自己学習支援としてeラーニングも導入しているんですよ」と、看護副主任さん。
手術室
お次は、手術室の看護副主任さんを紹介してくれました。男性看護師さんも多く活躍しているのですね。「ええ、男女関係なく活躍の機会を与えてもらえるので、男性管理職の割合も増えています。手術室には、認定看護師資格や特定行為研修を修了した男性看護師も勤務しています」と、お2人。認定看護師などのスペシャリストを目指す際のキャリア支援も整っているのだとか。
廊下
最後は、スタッフ専用フロアにあるミニコンビニへ。「こちらでは飲み物・お菓子・軽食などが気軽に購入できて便利です。スタッフ満足度向上のために、1食250円職員食堂や、リーズナブルな職員寮などの福利厚生を充実させているほか、直接応募(医療21経由含む)の中途入職者の方には『入職お祝い金(看護師50万円・准看護師5万円)』を支給しているんですよ」。働く魅力がたくさんありますね!今日はありがとうございました。
帰り道
――お疲れさまでした。子育て世代も活躍する急性期病院、いかがでしたか?
- 救急医療に力を注ぐ地域の基幹病院と聞くと、残業が多くて希望休が取得しにくい職場を想像していましたが、病院全体で定時退勤を目標に掲げて協力し合っていて、月4回まで申請できる希望休はほぼ100%反映されるのだそうです。夕方に救急搬送が立て込んで残業が発生してしまう場合も、みんなで協力する体制ができているのだとか。
――子育て支援は充実していますか?
- はい。グループ病院「花はたリハビリテーション病院」に苑田会合同の保育室があり、リーズナブルな保育料でとても人気です。看護部長をはじめ管理職の皆さんがスタッフの家庭の状況を把握しているので、お子さんの急な体調不良によるお休みにも理解がありますし、ライフスタイルに合った働き方の相談にも乗ってもらえます。
――では、ここはちょっと、という点は?
- 産休・育休を取得される方が重なって大変な時期も多いのだとか。でも、そういったことも見越して手厚い人員配置を行い、2024年から7対1看護を実現したそうです。
――最後に、ここだけの話をひとつお願いします
- 子育て中のママさんだけでなく、パパさんの働きやすさもサポートするため、育休の取得期間や取得するタイミングなど、個別に相談に応じているそうです。中には、育休を分割して2回取得するパパさんもいるそうですよ。
急性期医療に特化した病院で、結婚・出産後も働きたい方
認定看護師やDMAT隊員などのスペシャリストを目指したい方