《看護職編》
より良い看護の提供には、患者さんの身体介助や生活支援を担うケアワーカー(看護補助者)との連携が大切です。鎌倉市の海岸からほど近い「鎌倉リハビリテーション聖テレジア病院」は、チーム医療が強みの回復期リハビリ専門病院。特に、看護師とケアワーカーの連携がしっかり取れていて、質の高いケアや働きやすさにつながっているんだとか。さっそく見学に行って、その実態を確かめてきます!
- 形 態
- 回復期リハビリテーション病院
- 所在地
- 神奈川県鎌倉市/鎌倉高校前駅
- 病床数
- 128床
玄関
目の前に七里ヶ浜が広がる江ノ電「鎌倉高校前駅」は、関東の駅百選に選ばれた絶景の駅。駅を出て爽やかな海風を感じながら高台へ登っていくと、5分ほどで「鎌倉リハビリテーション聖テレジア病院」に到着しました。玄関で迎えてくれたのは、ケアワーカーさんです。とても素敵なロケーションですね。「ありがとうございます。立地条件以外にも、当院には魅力がいっぱいあるんです。これからたっぷりとご紹介しますね」。
廊下
まずは、看護部長を紹介していただきました。「看護部では、看護師だけでなくケアワーカーの採用にも力を注ぎ、専門職としての成長をサポートする教育プログラムを用意しています。チーム医療の中で介護のプロとして意見やアイディアをどんどん発信してほしいので、ケアワーカー向けの研修も導入しています」と、看護部長。現在、7割近いケアワーカーの介護福祉士資格を有しているそうです。
スタッフステーション
スタッフステーションでは、多職種カンファレンスが行われていました。「職種を超えたチームワークは、当院の大きな強みの一つ。ケアワーカーは、食事・入浴・排泄介助など、患者さんに身近な業務に携わっているため、他職種から情報を求められる機会が多いです。また、患者さんごとの目標設定にも携わっていますし、認知症ケアやコンチネンスケア(排泄管理)など、業務に関連する委員会活動にも参加しています」と、ケアワーカーさん。
病室
病室で新人指導の様子を見学しました。「入職後は、こんなふうにマンツーマンのOJTを行い、独自の技術チェックリストで習得度を評価しています。また、当院の看護師やケアワーカーは、看護や介護の知識・技術にとどまらず、リハビリや退院支援に関する学びも深めていけるよう、多職種合同の勉強会に参加する機会も充実しているんですよ」。
スタッフステーション
つづいて、回復期リハビリテーション認定看護師さんにお会いしました。「現場では患者さんの主体性を引き出せるように、患者さん・ご家族の意向や個別性を大切に、多様な専門職と一緒に日常生活をサポートしています。また、排尿ケアチームを立ち上げ、多職種で排尿自立支援を行っています。『こんなに良くなりました』という患者さんの笑顔は、私たちのケアの質を高め、やりがいにもつながっています」と、認定看護師さん。
看護部室
看護部室では、看護師さんがeラーニングを受講していました。「当院では、以前から各自のレベルに合った学習のためにeラーニングを活用してきました。新型コロナ感染防止対策として、現在は大人数の院内研修を非開催としているのですが、みんな問題なくオンラインで学んでいます」。もちろんeラーニングも、看護師用とケアワーカー用のコースを用意しているそうです。
廊下
廊下を歩いていると、神経内科専門医の飯野院長に遭遇。「当院では入院生活そのものがリハビリとなるよう、訓練室のみならず、病棟での生活リハビリや自然環境を活かした屋外活動、社会復帰を想定したトレーニングなど、多彩なプログラムを実施しています。また、キリスト教の精神に基づいた全人的医療として、スピリチュアルケア(心のケア)も行い、心身両面より援助できる体制を整えていることが特徴です」と、院長。
テレジアガーデン
お次は、ケアワーカーさんお気に入りのテレジアガーデンへ。敷地内にこんなに広い庭園があるとはビックリです。「患者さんには周辺の自然環境や季節の変化を楽しんでいただきたいので、天気の良い日は屋外で歩行訓練を行っています。園芸活動を楽しめる『テレジア畑』も近くにあり、いろいろな野菜をスタッフと一緒に育てているんですよ」。育てた野菜は患者さんと収穫し、調理訓練に利用しているんだとか。
リハビリテーション室
つづいて、開放的なリハビリテーション室を案内していただきました。「院内にはリハビリテーション室が2つあるほか、『生活体験ルーム』や『ドライビングシュミレーター』など、退院後の暮らしを想定した訓練ができる設備を充実させています。また、病棟ではセラピストのアドバイスのもと、看護師やケアワーカーも生活訓練に参加しているんです」。さすがリハビリテーション専門病院ですね。
廊下
つづいて、子育て中の看護師さん(写真左)とケアワーカーさん(写真右)を紹介していただきました。職場の子育て支援は整っていますか?「はい。小学校就学前まで支給される保育補助金や、1日の勤務時間を6時間に短縮できる育児短時間勤務などの制度が整っているため、産休・育休後も安心して復帰できる職場です。看護部に限らず、どの部署にも働くパパ・ママが活躍しているんですよ」と、お2人。
病棟
最後は、病棟に多職種の皆さんが集まってくれました。働きやすさはどうですか?「休暇制度が充実していて、家庭やプライベートを大切にしながら働くことができています。ちなみに年間休日は124日です」と、皆さん。オフの時間をたっぷり確保できるんですね。今日はありがとうございました。
帰り道
――お疲れさまでした。チーム医療が強みのリハビリ専門病院、いかがでしたか。
- 七里ヶ浜や江ノ島が一望できる魅力的な環境で、理想的なチーム医療を実践できる病院でした。また、うわさ通り、看護師とケアワーカーの関係が良好で、それぞれが専門性を発揮しながら成長できるよう、手厚い教育プログラムが整っていました。
――見学で印象に残ったことはありますか?
- ケアワーカーの約7割の方が介護福祉士資格を有していることです。無資格・未経験で入職後、働きながら資格を取得した方もたくさんいて、研修や試験に合わせてシフトを組んでもらえるとのこと。ケアワーカーもチーム医療の一員として意見や考えを求められる機会が多いため、やりがいを持って働けるそうです。
――では、ここはちょっと、というところは?
- 入院患者さんの高齢化が進んでいて、介護ニーズが高いことでしょうか。ただ、各病棟にはケアワーカーが15名ほど配置されていますし、理学療法士から負担の少ない介助方法などを指導してもらえる機会もあるそうです。
――最後に、ここだけの話を一つお願いします。
- 敷地内には、入院中にペットと面会できる「ペット面会所」が設置されていて、患者さんからとても好評なのだとか。自宅で飼っている愛犬・愛猫に会うと、「早く家に帰ろう!」という意識が高まり、リハビリに前向きになれる患者さんが多いそうですよ。
回復期のリハビリ専門病院で、看護・介護の仕事に携わりたい方
趣味やプライベートを大切にしながら、大好きな海の近くで働きたい方