《看護師編》
結婚・出産後も無理がない範囲で仕事を続け、スキルアップにも励みたい方は多いはず。横浜市港南区で120年以上の歴史を誇る「朝倉病院」では、勤務時間内にさまざまな研修を充実させて、業務貢献につながる外部研修には日勤扱いで参加を促し研修費用も病院が負担しているとのこと。上司が職員一人ひとりの家庭の事情を理解し、無理のない働き方をサポートしているそうなので、さっそく見学に行ってその実態を確かめてきます。
- 形 態
- 回復期リハビリテーション病院
- 所在地
- 神奈川県横浜市港南区/下永谷駅
- 病床数
- 90床(回復期リハビリテーション病棟45床、療養病棟45床)
玄関
横浜市営地下鉄ブルーライン「下永谷駅」周辺は、自然が多くて暮らしやすい街並み。「横浜駅」まで直通24分なので、気軽に観光やショッピングに行けちゃいます。「朝倉病院」があるのは、駅から徒歩約12分の立地。職員用駐車場(月3000円)を完備しているため、マイカー通勤も可能です。玄関で迎えてくれたのは、回復期リハビリテーション病棟で働く入職1年目の看護師さん。今日はよろしくお願いします。
受付ロビー
玄関を入り、まずは病院の歴史について教えていただくことに。「当院の歴史は、明治30年に無医村だった日下村(現在の港南区日野町)に診療所を開設したことから始まります。以来、増床や新築移転、リニューアル工事を重ね、全90床の病院になりました。当院の強みは、在宅復帰につなげるリハビリテーション医療。回復期リハビリテーション病棟を横浜市で2番目に立ち上げ、常時85%前後の在宅復帰率を維持しています」。
地域連携部門
高い在宅復帰率を維持する背景には、地域連携部門のMSW(医療ソーシャルワーカー)さんの活躍が大きく影響しているんだとか。「こちらの2人は、退院支援のエキスパート。病棟スタッフと密に連携を図りながら、患者様が安心して在宅に戻れるように、地域の在宅支援機関と太いパイプを築き、退院後に必要な支援を検討しています」。頼もしいお2人ですね!
看護部長室
つづいて、高橋看護部長を紹介していただきました。どんな取り組みに力を入れていますか?「教育委員会主催の研修だけでなく、外部講師による研修を充実させたり、看護協会などの外部研修に積極的な参加を促したり、スキルアップ支援に力を入れています。また、寝たきりの高齢患者様が多い療養病棟では、口腔ケアやスキンケアを徹底して、病院特有のにおいがない快適な環境を整えていることも自慢です」と、看護部長。
院内研修の様子
「こちらは、先日開催した喀痰吸引の研修写真です」と、看護部長が写真を見せてくれました。吸引シミュレータを用いて、実践的に学んでいますね。「そうなんです。私が以前勤めていた病院には認定看護師が多く活躍していて、その病院の救急看護認定看護師に研修を依頼しました。ほかにも、皮膚・排泄ケアや摂食・嚥下障害などの認定看護師を招いて研修を行ったこともあります」と、看護部長。
外来
外来では、ママさん看護師さん達が迎えてくれました。仕事と子育ての両立は順調ですか?「はい。子どもの成長に合わせて働き方の相談ができるため、無理なく両立できています。子どもが小さいうちはパート勤務を選択し、少しずつ働く時間帯を延ばすことも可能で、子どもの急な体調不良による勤務変更にも理解がある職場です」と、皆さん。病棟にもママさん看護師が多く、時短勤務や夜勤回数の軽減にも対応しているそうです。
回復期リハビリテーション病棟
お次は、回復期リハビリテーション病棟へ。案内役の看護師さんは、回復期の看護が未経験で入職したそうです。「以前勤めていた病院では、終末期の方が多い療養病棟で働いていたため、リハビリ看護の基本から丁寧に指導してもらいました。当院では多職種が一丸となって在宅復帰をサポートしているため、入院当初は車いすでも、リハビリの継続でADLが回復して元気に歩いて退院される方がたくさんいらっしゃいます」と、看護師さん。
スタッフステーション
案内役の看護師さんは入職1年目なので、先輩に指導の様子を受ける機会も多いんだとか。「新卒者だけでなく、中途入職者にも教育担当の先輩が付き、キャリアに合わせたマンツーマンのOJTを行っています。現在、看護部長が中心となって教育体制を見直している最中で、今後は中堅・ベテランスタッフへの継続教育も強化し、認定看護師などのスペシャリストを目指す方への資格取得支援制度も検討していく予定です」。
リハビリテーション科フロア
つづいて、リハビリテーション室がある2Fにやってきました。「2Fはすべてリハビリテーション科のフロアとなっていて、とても広いスペースが確保されているんです。理学療法を行うフロアには最新の訓練機器を導入し、作業療法室や言語聴覚室も完備しています。キッチンなどの家庭環境を再現したお部屋も用意し、在宅復帰に向けた実践的なリハビリにも取り組んでいるんですよ」。
療養病棟
お次は、療養病棟のスタッフの皆さんにお会いしました。「入院患者様は病棟で最期を迎える方が多いですが、『最期は自宅で過ごしたい』と希望される方もいらっしゃいます。そのため、法人内の訪問看護ステーションをはじめ、地域の在宅支援機関とも連携し、できる限り本人やご家族の希望に沿えるよう、療養病棟でも退院支援に取り組んでいます」と、病棟師長さん(写真右から3番目)。
廊下
最後は、多職種の皆さんが集まってくれました。働きやすさはどうですか?「残業がほとんどなく、とても働きやすい職場です。また、大き過ぎない病院規模なので、ほとんどの仲間の顔と名前が一致し、部署を超えて助け合いながら働くことができています。新人さんの存在にも気付きやすく、困っている姿を見かければ必ず誰かがフォローするので、安心して入職して欲しいです」と、皆さん。それは心強い!今日はありがとうございました。
帰り道
――おつかれさまでした。風通しの良い人間関係を大切にしている病院、いかがでしたか?
- 家庭的な温かさがあり、職種に関係なくコミュニケーションを図りやすい職場でした。看護部では教育の充実に取り組んでいて、中途入職者の方にも手厚いサポートを行っていますし、ブランクのある方の復職を支援したり、一度退職した職員を再び温かく迎えたりもしているそうで、仲間をとても大切にしている様子が伺えました。
――見学をしていて、印象に残ったことはありますか?
- 常時85%前後という在宅復帰率の高さです。看護部だけでなく、すべての職種が一丸となって退院支援に取り組んでいて、地域の関連機関ともしっかり連携していました。回復期リハビリテーション病棟の患者様だけでなく療養病棟の患者様も、可能な限り在宅復帰に導いているそうですよ。
――では、ここはちょっと、という点は?
- 看護部長としては、認認定看護師などのスペシャリストが在籍していないので、育てていきたいそうです。以前勤めていた病院から多様な分野の認定看護師を招いて研修を行っているそうで、認定看護師の専門性に触れる機会をつくることで、「自分も目指したい!」と思う方が現れたら嬉しいとおっしゃっていました。
――最後に、ここだけの話をひとつお願いします。
- 周辺には、朝倉病院をかかりつけにしている地域住民の方がたくさん暮らしていて、通勤途中に「こんにちわ」と、声をかけられることもあるんだとか。スタッフと患者様の距離が近いため、病状についてだけでなく、個々の想いや生活状況まで把握しやすいそうですよ。
結婚・出産後もスキルアップ・キャリアアップを実現したい方
多職種チームで在宅復帰支援に取り組みたい方