数ある精神科病院の中でも、児童思春期精神科医療に特化した病院は全国でも少ないそうです。横浜市旭区にある「横浜カメリアホスピタル」は、児童思春期世代の患者様の診療に強みを持つ精神科単科病院。看護部には、児童思春期精神科医療を学ぶために入職した方はもちろん、働く中で興味を持って深めている方も多いとのこと。働きやすさが整っているため、子育て中のママ・パパがたくさん活躍しているらしいので、さっそく見学に行って確かめてきます。
- 形 態
- 精神科病院
- 所在地
- 神奈川県横浜市旭区/鴨居駅
- 病床数
- 120床
1F メインエントランス
「横浜カメリアホスピタル」へのアクセスは、JR「鴨居駅」から10分ほどバスに乗り、「白山高校正門前」バス停で下車して徒歩2分。建物は緑豊かな高台に位置し、敷地内には四季折々の花が植えられています。玄関を入るとホテルのようにきれいな受付ロビーがあり、入職2年目の看護師さんが笑顔で迎えてくれました。「ようこそ!今日はゆっくり見学していってくださいね」。
1F カフェテリア
まずは、職員も患者様も利用できるカフェテリアへ。「こちらでは患者様が読書を楽しんだり、患者様同士が談笑したり、リラックスして過ごされる様子がよく見受けられます。ソフトドリンクや軽食などのメニューが充実しているほか、月に一度は豪華な特別メニューの日があり、福利厚生として職員割引制度があるんですよ」。窓から見える中庭では、患者様と職員がお散歩や軽い運動などを楽しむそうです。
児童思春期ストレスケア病棟 2F入口
つづいて、2階の児童思春期ストレスケア病棟の入口へ。「入院設備は、『精神科急性期うつ病治療病棟60床』と、『児童思春期ストレスケア病棟60床』で構成されていて、後者の60床のうちの29床が児童思春期エリアです。ただ、精神科急性期うつ病治療病棟にも児童思春期世代の患者様は入院していらっしゃいますので、どちらの病棟でも児童思春期精神科看護に携わることができます」。
児童思春期ストレスケア病棟 2F個室
個室に行ってみると、看護師さんが患者様と向き合っていました「同じ精神疾患でも患者様によって症状が異なり、目に見えない部分も多いですから、こんなふうに1対1で話をする時間を大切にしています。看護師の関わり方次第で病状が良くも悪くもなるため、業務量や人員体制などが随時見直され、心に余裕を持ってケアを提供できる環境づくりが進められています」。
児童思春期ストレスケア病棟 2F
お次は、新入職員さんへのOJT風景を見学しました。「現在はプリセプター制度によるOJTを行っていますが、2025年度からは指導者を固定せず、部署全体で新入職員の成長を支える体制へと切り替える計画です。精神科の経験を持つ中途入職者の方でも、児童精神科は初めてという方がほとんどなので、基本からしっかり学んでいけるようにサポートしています」と、看護師さん。自己学習を支えるeラーニングも導入しているそうです。
児童思春期ストレスケア病棟 3Fスタッフステーション
スタッフステーションに戻り、シニアマネージャーさんが管理しているシフト表を見せていただきました。休みの希望は通りますか?「はい。みんなの希望が平等に反映されたシフト管理を心がけています。有休も積極的な取得を促しているので、連休や長期休暇を取得してリフレッシュの時間を大切にしているスタッフが多いです」と、シニアマネージャーさん。有休取得率はほぼ100%なのだとか。
精神科急性期うつ病治療病棟 3Fスタッフステーション
つづいて、看護部管理職のジェネラルマネージャー補佐(写真中央)と、シニアマネージャー(写真右)にお会いしました。「2025年度からは、より現場のニーズ合わせた教育体制にリニューアル予定で、外部研修にも積極的な参加を促していきます。当法人には、専門看護師・認定看護師などのスペシャリストを目指す際の資格取得支援制度も確立されていて、自分次第でいくらでも成長できる環境があるんですよ」と、管理職のお2人。
精神科急性期うつ病治療病棟 2Fスタッフステーション
精神科急性期うつ病治療病棟のスタッフステーションでは、カンファレンスが行われていました。「各病棟では、医師・看護師・CP・OTなどの多職種が参加するカンファレンスを定期開催しています。また、働き方改革の一つとして、院内研修はカンファレンスの時間を利用して実施していて、残業削減に努めているため、家庭を持つ方も無理なくスキルアップに励むことができているんです」。それはいいですね!
1F 作業療法室
作業療法室では、作業療法士さんと看護師さんが連携して作業療法プログラムを提供しています。「病棟とは異なる患者様の一面を知り、より理解を深めていけるよう、看護師も作業療法に積極的に介入しています。当院では、さまざまな専門職がチームを組んで患者様の回復をサポートしていて、作業療法士や臨床心理士によるプログラムがとても充実しているんですよ」。
精神科急性期うつ病治療病棟 2F
つづいて、子育て中のママさん・パパさん達にお会いしました。職場の子育てサポートはどうですか?「とても手厚いです。子どもが小さいうちは日勤常勤・時短勤務・パート勤務の選択もでき、子どもの急な体調不良や行事によるお休みにも理解があります。看護部の約30%は男性スタッフで、パパさんも多く、男性看護師の育休取得率はほぼ100%です」と、皆さん。それは素晴らしい!
精神科急性期うつ病治療病棟 3Fスタッフステーション
最後は、病棟の皆さんが集まってくれました。児童思春期精神科看護の魅力はどんなところですか?「コミュニケーションによるケアが重視されるところです。患者様との時間を大切にできる病院なので、散歩や遊びを取り入れながら信頼を深め、回復に向けてじっくり寄り添えます。奥深い領域なので、勤務条件に魅かれて入職した方でも働く中で魅力に気付く方も少なくないです」と、皆さん。今日はありがとうございました。
帰り道
――お疲れさまでした。児童思春期精神科医療に強みを持つ病院、いかがでしたか。
- スタイリッシュで落ち着いたハード面が特徴的な院内は、仕切りが少なく開放的な雰囲気で、患者様が自分らしく生活されていました。うつ病・気分障害・不安障害・ストレス関連疾患・摂食障害・適応障害など、さまざまな精神疾患の診療に対応していますが、一般的な精神科病院と比べると統合失調症の方の割合は少なく、認知症の方はほとんどいらっしゃらないのが特徴です。
――働きやすさはどうでしたか?
- とても働きやすい環境です。病院全体で残業削減に努めているため、定時に退勤できる日が多く、研修などは原則勤務時間内に開催するルールとのこと。また、お休みの希望が通りやすく、有休もしっかり消化できるため、子育て中のママさん・パパさんがたくさん活躍しています。
――では、ここはちょっと、というところは?
- 看護部は20代・30代が多いので、40代以上の方は馴染みにくいと感じるかもしれません。ただ、看護部の管理職の皆さんは、幅広い世代のスタッフが活躍する職場を目指していて、児童思春期精神科に少しでも興味がある方なら、年齢・経験問わず歓迎しているそうです。
――最後に、ここだけの話をひとつお願いします。
- 最寄り駅の「鴨居駅」からは、大型ショッピングモール「ららぽーと横浜」が近く、仕事帰りにゴハンやショッピングを楽しむスタッフさんが多かったです。残業がほとんどない職場なので、仕事の後の楽しみが広がると思います。
児童思春期精神科に興味があり、専門性を身に付けたい方
職種間のチームワークの良い職場で、長く働きたい方