高齢化が進む今、需要の高まる「認知症看護」や「終末期ケア」について学びたい方は増えているのではないでしょうか。横浜市栄区にある「栄聖仁会病院」は、精神疾患や認知症を抱える高齢患者様の長期療養を受け入れ、穏やかな最期を迎えていただくための環境づくりも進めているとのこと。福利厚生や子育て支援も充実していて、ワークライフバランスを大切にできる職場らしいので、さっそく見学に行ってきます!
- 形 態
- 精神科病院
- 所在地
- 神奈川県横浜市栄区/本郷台駅
- 病床数
- 106床(精神一般病棟46床、認知症病棟60床)
玄関
「栄聖仁会病院」へのアクセスは、JR根岸線「本郷台駅」から徒歩15分。勤務時間に合わせて駅と病院を結ぶ無料送迎バスも運行されていますし、車通勤の方のために無料の屋根付き駐車場も完備されています。玄関では、認知症治療病棟で働く看護主任さんが迎えてくれました。「ようこそ!当院周辺は自然が豊かで、ときどき病棟の窓から野生のリスを見ることができ、患者様と一緒に癒されています」。
病棟
まずは、病棟を案内していただきました。「病床数は106床で、認知症治療病棟60床と精神一般病棟46床があります。統合失調症などの一般的な精神疾患を抱える患者様よりも、認知症の高齢患者様の割合が多く、一般病院や介護施設、在宅での療養が難しい方を中心に受け入れているのが特徴です。身体合併症管理も求められるため、一般科での看護経験を活かして働くことができると思います」。
スタッフステーション
お次は、多職種カンファレンスを見学しました。「最近では看取りの機会が増え、終末期にどんな医療・ケアを望んでいるかを、ご本人・ご家族と事前に話し合う機会が必要だと感じています。認知症患者様は終末期の意思決定が難しいと言われているため、多職種チームで支援する仕組みを構築中なんです」。看護主任さんは終末期ケア専門士資格を取得し、アドバンス・ケア・プランニングの外部研修にも参加予定とのこと。
デイルーム
お次は、藤田看護部長にお会いしました。「看護部が力を注いでいるのは、認知症患者様の終末期ケアの向上です。多くの患者様は認知症が進行し、一般病院・施設・在宅での療養が難しい状況のため、心と身体の双方をケアできる看護師を育て、最期まで親身に寄り添う体制づくりを進めています。将来的には精神看護や認知症看護の認定看護師を育成したいと考えているので、興味のある方は大歓迎です」と、看護部長。
デイルーム
デイルームの一角では、看護師さんが患者様とコミュニケーションを取っていました。「当院は緊急入院などのイレギュラーな対応が少ないため、患者様一人ひとりとじっくり向き合う時間をつくりやすく、個別性を重視した看護を提供できるところがやりがいにつながっています」と、看護師さん。病棟内に慌ただしさがなく、時間がゆっくり流れていますね。
病室
病室を覗くと、看護助手さんがシーツ交換を行っていました。「看護助手は無資格・未経験OKで、身体介助・生活支援・環境整備などを担っています。経験豊富な看護助手が多く、介護福祉士の資格を持つ方も複数いるため、根拠に基づいたわかりやすい指導を行うことができていて、はじめて看護助手の仕事に携わる方でも安心ですよ」と、看護主任さん。
スタッフステーション
スタッフステーションに行ってみると、新入職の看護師さんへの指導が行われていました。「入職後は日替わりでサポート役の先輩が付き、業務に慣れるまでマンツーマンのOJTを実施しています。看護部は中途採用がメインなので、指導内容・指導期間も個々に応じて設定しているんですよ」。新入職員にも業務に関連する外部研修参加を促し、精神科看護や認知症看護を深めていけるようバックアップしているそうです。
スタッフステーション
つづいて、子育て中の看護師さんを紹介していただきました。「出産を機に以前の職場を退職し、子どもが1歳になったので復職を考えていた時、保育手当などの子育てサポートが充実している当院に出会いました。子どもは現在2歳で手のかかる時期ですが、日勤常勤を選択し、保育園が休園の日曜・祝日はお休みをいただけているので、仕事と子育てを無理なく両立できています」と、子育て中の看護師さん。
スタッフステーション
スタッフステーションに戻ると、タブレットでeラーニングを受講している看護師さんを発見。勤務の空き時間に受講できるんですね。「ええ、個人のスマホから受講するスタッフが多いですが、職場の設備でも受講できるようにパソコンやタブレットを備えています。定期的に院内研修も開催されますが、eラーニングは自分のレベルや興味に合ったテーマが選べるので便利です」と、看護師さん。
職員食堂
お次は、職員の皆さんに人気の職員食堂を案内していただきました。「職員食堂では、栄養バランスの取れた美味しいランチを1食350円で食べることができます。メニューは日替わりで、多くのスタッフが利用しています」。他にも魅力的な福利厚生として、リーズナブルな職員寮があるとのこと。
廊下
最後は、スタッフの皆さんに聖仁会グループについて教えていただきました。「聖仁会グループは千葉と神奈川で4つの病院と1つのクリニックを運営していて(2023年11月)、働く側に嬉しいグループメリットがたくさんあります。特に、子どもの入園・入学時に支給される『子育て支援金』や、直接応募者(医療21経由含む)への『入職お祝い金』が好評です」と、皆さん。魅力的な職場ですね!今日はありがとうございました。
帰り道
――お疲れさまでした。「認知症看護」や「終末期ケア」が学べる精神科病院、いかがでしたか。
- 入院患者様は認知症を抱える高齢者の方が大半で、最期まで病院で過ごす方が増えているため、看護部では「認知症患者様の終末期ケアの向上」に取り組んでいました。業務に追われずに患者様とじっくり向き合えるゆとりがある職場で、比較的定刻通りに業務が進みやすく、残業はほとんど発生しないそうです。
――見学をしていて印象に残ったことはありますか?
- 藤田看護部長は2022年に赴任以来、キャリア支援体制を強化し、看護部改革に取り組んでいました。ご自身も認定看護管理者資格を取得したことから、2024年度には看護主任3名が認定看護管理者教育課程のファーストレベルを受講できるように勤務を調整したとのこと。業務貢献につながる外部研修には積極的な参加を促し、最近はアドバンス・ケア・プランニングを学ぶ研修に興味があるスタッフを募っているのだとか。
――では、ここはちょっと、というところは?
- 統合失調症や気分障害などの精神疾患を抱える方への関わりは少ないため、一般的な精神科病院を想像して入職するとギャップを感じてしまうかもしれません。高齢患者様が中心なので、認知症だけでなく内科的合併症を抱える方も多いそうで、療養型病院のような雰囲気もあります。
――最後に、ここだけの話をひとつお願いします。
- グループメリットの「子育て支援金制度」とは、お子さんが保育園・幼稚園・小学校・中学校・高校・専門学校・大学に入園・入学する際にお祝い金が支給される制度で、長く働くママさんたちの励みになっているそうです。保育手当(1人目は月1万5000円、2人目以降は月1万円を支給)もあるため、これから結婚・出産予定の方も安心ですよ。
精神科看護・認知症看護・終末期看護に興味があり、深めていきたい方
結婚・出産後も、興味のある領域でキャリアを形成していきたい方