「結婚や子育てなどのライフイベントは大事にしたい。でも、看護師として高い専門性も身に着けたい」と考える方は多いのではないでしょうか。救急、リハビリテーション、人工透析など、幅広い医療で地域に貢献する皆野病院では、新人教育に力を入れ、その人の希望に合わせた専門スキルを磨くチャンスも多いとのこと。さらには、現役ママ看護師さんも多く活躍しているそうです。さっそく見学に行って、その実態を見てきます!
- 形 態
- 一般病院
- 所在地
- 埼玉県秩父郡/親鼻駅
- 病床数
- 150床(一般病床60床、医療療養90床)
玄関
「皆野病院」へのアクセスは、秩父鉄道「親鼻駅」から徒歩8分。ひときわ目を惹くエンゼルトランペットをはじめ、植えられた花々が来院者の目を楽しませてくれます。正面玄関で出迎えてくれたのは、入職4年目の副看護部長さん。以前は300床規模の総合病院に勤務していたそうです。「子育てがひと段落したことのもあり、今は若いスタッフへの教育を通して、地域医療に挑戦しています」。今日はよろしくお願いします。
エントランス
さっそく中へ入ると、明るい光が降り注ぐ広いエントランスの正面に、可愛らしい飾りがあるのを発見。「患者さんのお出迎えのために、入職1~2年目のスタッフたちで季節行事の装飾を作るんです。秋にはお月見、冬にはクリスマスの飾りとか。ちょっとした工夫ですが、楽しみにされている患者さんも多いんですよ」。季節の移り変わりが感じられますね。
検査室入口
続いて、検査室の前にやってきました。ピンクやブルー、グリーンなど、カラフルな椅子が置いてあるんですね。「皆野病院はご高齢の患者様も多いので、『あそこの椅子でお待ちください』ではなく、『ピンクの椅子に座ってお待ちください』とご案内してるんです。部屋ごとに色分けされているので、案内の時も分かりやすいのがメリットです」。ちなみに24時間検査対応可能なのだとか。設備の充実だけでなく、細やかな気遣いも感じられます。
リハビリテーション室
お次は1階の「リハビリテーション室」へ。広いですね。「さまざまな器具や在宅向け畳があるだけでなく、外来・病棟それぞれに言語療法士、理学療法士、言語聴覚士が在籍しています」とのこと。「自宅からの起き上がり訓練や、ADL訓練などにも対応しています。また、このあたりは山の上にお住まいの人もいるため、傾斜前提のリハビリを行うなど、それぞれの患者さんの状況に合わせたリハビリメニューが特徴です」。
透析室
続いて2階の透析室で、副主任さんや技師さんとお会いしました。「こちらは、個室も完備して、個別対応が可能な透析室となっています。透析看護未経験でも、やってみたいという希望があれば、日勤常勤であれば可能です。教育体制も充実しているので、チャレンジしたい方はぜひ声を上げてほしいです」と、副看護部長。
病室
病室に伺って、ベッドサイド看護をされている看護師さんお2人にお会いしました。明るい病室ですね。「ええ、当院の病室は採光が良いつくりで明るいです。多人数部屋でも部屋ごとに洗面台やトイレがついていて、患者さんは過ごしやすいと思います」。患者さんが過ごす環境が良いのは、看護師にとっても嬉しいですね。
スタッフステーション
医療療養病棟のスタッフステーションで、カンファレンスが行われていました。「当院では多職種カンファレンスを定期的に行っています。医師、看護師、リハビリスタッフ、ソーシャルワーカーなど、異なる知見を持つプロが集まることで、より良いケアとは何かを常に追求するようにしています」と、副看護部長。とても活発な、意見の言いやすい雰囲気ですね。
保育室
次に訪れたのは、院内保育室。「朝になると、ママさん看護師に連れられて、お子さんが元気にやってきます。実際に利用している看護師さんからは、一緒に出勤できるのがすごく助かると評判ですね。送迎の時間が必要なく、気になることがあればいつでも顔を見に来れる環境は、みんな嬉しいようです」と、副看護部長。
職員食堂
廊下を進んでいくと、職員食堂に到着しました。おいしそうな匂いが広がっています。「ここでは朝の9時までに予約すると、1食300円でランチが食べられます。メニューは決まっていますが、スーラータンやスープカレーなど、本格的なメニューも多く、職員からも美味しいと評判です。さらに、毎回必ずデザートがついてくるので、甘いものを食べてほっと一息するのが私も楽しみなんですよ(笑)」。
グループについて
副看護部長から、病院のパンフレットを見せていただきました。「当院が所属する徳洲会グループでは、全国75施設を展開しています。徳洲会では『ベストプラクティス研修』という制度があって、『心臓の手術に関して学びたい』『離島の僻地で研修したい』など、自分で目的を持って研修内容を選ぶことができます。石垣島や北海道へ行く人もいるんですよ」。組織を離れることなく、別の病院の体制が学べるのは嬉しいですね。
救急の手術室
最後に訪れたのは、救急の手術室。この地域一帯で救急輪番として登録しているのは、皆野病院を含めて3院のみとのこと。「当院では、輪番の時は『24時間断らない』をモットーに、地域の救急医療を支えています。今後はさらに登録病院数も減少していく見込みですが、その分、『私たちが地域医療を支えていこう』という気持ちを持って取り組んでいきたいと思います」。本日はありがとうございました。
帰り道
- ――お疲れさまでした。教育体制と福利厚生に力を入れる地域密着型病院、いかがでしたか?
- 高齢化が進んでいる地域ということもあり、地域医療や救急の受け入れに対してとても注力していました。在宅復帰へのサポートのため、訪問看護師やケアマネージャーなどとの連携も図りながら、「地元でずっと暮らしたい」を叶えられる医療と看護を提供していました。
- ――見学をしてどんな印象でしたか。
- 幅広い年代層のスタッフが、それぞれのライフスタイルに合わせていきいきと働いている姿が印象的でした。子育て中のスタッフも非常に多く、産休・育休も取得しやすい環境とのことで、妊娠中や子育ての悩みなども共有しやすい雰囲気だと感じました。
- ――では、ここはちょっと、というところは?
- この地域では救急を担っている病院が皆野病院を含めて3つしかない、という点でしょうか。使命感やモチベーションにつながる面もありますが、スタッフが疲弊しないよう、病院側でも常に気をつけているとのことでした。救急が好き、外科が好き、この分野に興味がある…というように、一歩踏み込んだ想いを持った方にピッタリかもしれません。
- ――最後に、ここだけの話をひとつお願いします。
- 中途入職者も多く、積んできた経験が一人ひとり異なるため、まずは技術チェックを行って現在のレベルを把握するところから教育を始めているそうです。
家庭や子育てと両立しながら、専門スキルを身に着けたい方
教育体制の充実した環境で、地域医療に貢献したい方