看護師として強みが持てる専門病院は魅力的ですが、未経験からの挑戦はハードルが高いと感じてしまう方もいると思います。IMS（イムス）グループの「イムス葛飾ハートセンター」は、24時間体制で循環器疾患の緊急入院・緊急手術に対応する専門病院。看護部では教育体制を充実させて、即戦力となる人材だけでなく、循環器看護の未経験者も歓迎しているそうです。新卒・第二新卒者の採用にも力を注いでいるらしいので、さっそく見学に行って確かめてきます。

「イムス葛飾ハートセンター」へのアクセスは、「堀切菖蒲園駅」から徒歩9分。近隣には、「イムスリハビリテーションセンター東京葛飾病院」や「葛飾ロイヤルケアセンター」などのグループ施設があり、退院後の患者様をスムーズに受け入れてもらえうよう連携体制を築いているそうです。玄関で迎えてくれたのは、HCUの副主任を務める看護師さん。「ようこそ！今日は私の自慢の職場をたっぷりとご紹介します」。

駐車場には、病院所有の救急車が停まっていました。1日何台くらいの救急搬送を受け入れていますか？「1日2～5台で、寒い季節は特に多いです。当院は50床と小規模な病院ですが、東京都のCCUネットワーク・急性大動脈スーパーネットワークに加盟し、都内で14施設しかない緊急大動脈重点病院の一院に指定されているため、救急車到着後すぐに検査・治療が開始できる体制を整えているんですよ」と、副主任。

お次は、越乢（こしだわ）看護部長にお会いしました。循環器看護未経験でも働けますか？「もちろんです。経験豊富な看護師が多いので、未経験者を育てていく余裕があり、ゆっくり成長を見守っています。IMSグループは教育が手厚く、このようにラダーも整っていて、本部研修や地域別のブロック研修も充実しているんです」と、看護部長。スキルアップを応援するため、外部研修の参加支援制度や、eラーニングも活用しているそうです。

ICUに伺い、クリティカルケア認定看護師さんを紹介していただきました。スペシャリストを目指す際の支援体制は整っていますか？「はい。認定看護師・専門看護師・NP（診療看護師）を目指す際には研修費用の援助があり、研修中も基本給が支給されます。また、当院で受講できる特定行為研修があるため、特定行為研修の修了者が毎年増えているんですよ」と、認定看護師さん。

つづいて、HCUを案内していただきました。「HCUは2023年度のリニューアルで9床に増床し、スタッフの負担軽減と業務効率向上につながる最新機器を積極的に活用しています。特にこちらの『総合型臨床情報システム』を導入したことで、ベッドサイドモニターと電子カルテが連動し、心電図・血圧の波形データを集中管理できるようになって業務効率が大幅にアップしています」と、副主任。

お次は、手術室へ。「手術室は2室体制で、同じフロアにカテーテル室も2室あります。循環器疾患は急性発症が多いため、24時間体制で緊急手術や緊急カテーテル検査・治療に対応していて、症例数がとても多く、診療実績は全国トップクラスです。当院の医師たちは教育熱心なので、直接指導を受ける機会にも恵まれていて、多職種が参加できるハートラボ（循環器系勉強会）も開催してくれるんですよ」と、オペ室看護師さん。

一般病棟に伺うと、新入職員へのOJTが行われていました。「入職後は、新卒者にも中途入職者にもプリセプターの先輩が付き、マンツーマンの丁寧なOJTを行っています。当院のプリセプターは必ず実地指導者・教育担当者研修を修了しているので、指導スキルがとても高く、振り返りや目標管理までしっかり行っているんです」と、副主任。2024年度は約20名の新卒看護師を受け入れ、丁寧に育て上げているとのこと。

病棟のスタッフステーションに行ってみると、多職種カンファレンスが行われていました。「質の高いチーム医療を実践する当院では、医師・看護師・リハビリスタッフ・栄養士・薬剤師など、さまざまな専門職が集まって意見交換を行う時間を大切にしています。家庭的な病院規模なので部署の壁がなく、他職種とも気兼ねなくコミュニケーションが取れるところも当院の魅力です」と、皆さん。

つづいて、外来で子育て中の看護師さんたちにお会いしました。仕事と子育ての両立は順調ですか？「はい。残業が少なく、希望休が通りやすい職場なので、子どもとの時間も大切にできて嬉しいです。外来は日勤のみですが、他部署でも子どもが小さいうちは日勤常勤・時短勤務・パート勤務を選ぶことができて、子どもの急な体調不良や行事によるお休みにも理解を示してもらえます」と、ママさんたち。

会議室で師長会が行われています。「看護部では、管理職同士の情報共有の場として、定期的に師長会を開催しています。現在、看護部では働き方改革に取り組んでいて、スタッフの大幅な増員や、他職種へのタスクシフト・タスクシェア（業務の移管と共同化）を進めることで、本来の業務に専念できる環境を実現したいと考えているんです」と、皆さん。看護部長の方針で、師長は全員が医療安全管理者研修を修了しているそうです。

最後は、多職種の皆さんが集まってくれました。皆さんイキイキとした表情ですね。「ええ、明るいスタッフばかりで、現場はいつも活気があります。循環器疾患の専門病院と聞くと、忙しくてピリピリした職場を想像されるかもしれませんが、インターンシップで職場の雰囲気を体感してもらえれば、きっと印象が変わるはず。随時開催しているので、ぜひお気軽にご参加ください」と、皆さん。今日はありがとうございました。

――おつかれさまでした。循環器疾患の専門病院、いかがでしたか？

循環器内科や心臓血管外科と聞くと、常に緊張感があってリラックスできない職場をイメージしてしまいましたが、実際はスタッフ同士のコミュニケーションが多く、いきいきとした表情のスタッフさんばかりで、良い意味で想像と違いました。緊急入院・緊急手術を積極的に受け入れているので忙しさはありますが、残業は月10時間以内と少なく、オンとオフのメリハリを大切にできるようです。

――どんなスタッフが活躍していますか？

看護部は20～30代が中心で、新卒入職の看護師も多く活躍しています。即戦力となる循環器看護の経験者だけでなく、未経験から深めていきたい中途入職者も歓迎していて、教育体制やキャリア支援制度をとても充実していましたよ。

――では、ここはちょっと、というところは？

スキルアップやキャリアアップに励むスタッフが多いので、意欲的に学ぶ姿勢がないと温度差を感じてしまうかもしれません。院内研修はもちろん、業務貢献につながる外部研修にも積極的に参加している方がたくさんいて、認定看護師などのスペシャリストの育成にも力を入れています。

――最後に、ここだけの話をひとつお願いします。

現在の看護部は90～100名で、すでに7対1の看護基準を取得していますが、今後は120名まで増員する計画とのこと。看護師を増やすことで、看護師が本来の業務に専念できる環境を整え、患者様により丁寧なケアを提供していきたいそうです。