2024年05月23日
看護師になるためには学校に入学して専門的な知識やスキルを身につけ、資格を取得する必要があります。「社会人で看護師を目指すのは無理」と思われがちですが、諦める必要はありません。実際には働きながらでも看護師になるという夢を叶えられた方は多くいらっしゃいます。
今回の記事では看護師を目指されている方、看護師にキャリアチェンジしたい方のために、看護師になるにはどうしたらいいかをご紹介します。
―― 看護師(正看)になるためには学校へ3年以上通う必要がある
―― 准看護師になるには。2年で資格取得が可能
―― 准看護師の免許を取得していると、条件が揃えば通信制で学んで看護師(正看)になる道も
2.看護師(正看)と准看護師について
―― 看護師(正看)は国家資格
―― 准看護師は都道府県知事発行の資格
―― 看護師(正看)はもちろんのこと、准看護師のニーズもとても多い
3.時間と費用をかけられるなら看護師(正看)にトライしよう
4.働きながら看護師をめさずなら、まずは准看護師からという選択肢を検討
―― なりたい人が多い職業だから学びの場は多い。アプリなどを活用して効率的に学べる
5.仕事と両立して、看護師・准看護師を目指すのにふさわしい職場は
―― 介護現場などで実務経験を積むことで、資格・免許の取得に役立てよう
―― 資格免許の取得や、スタッフの学びのバックアップに積極的な職場を探そう
―― 定時で退勤できる職場なら、勉強のための時間が取りやすい
看護師になるにはどうしたらいいの?
看護師には大きく「看護師(正看)」と「准看護師」の2種類に分けられます。後ほど詳しくご説明しますが、両者には大きな違いがあります。
いずれも専門学校や大学に通って専門的な知識・スキルを勉強して資格を取得しなければなりません。そのため、これまでは高校を卒業してそのまま進学し看護師になったという方が大多数でした。
しかし、最近では転職が一般的になってきています。一旦は別の業界や職種に就職してから看護師を目指すという方も増えてきており、実際にまったく関係ない仕事から看護師にキャリアチェンジしたという看護師の方も数多くいらっしゃいます。
看護師(正看)になるためには学校へ3年以上通う必要がある
看護師(正看)になる方法はタイミングや学歴によって異なります。中学を卒業して看護師(正看)を目指す場合は看護高等専門学校に5年間通って資格を取得します。高校卒業後に看護師(正看)を目指すのであれば、短大や大学の看護学科、看護専門学校、統合カリキュラム校などに進学し、3~4年間かけて看護師(正看)の資格を取得します。
必要な費用については学校によって異なりますが、専門学校であれば200~300万円、大学であれば500~600万円程度かかります。
准看護師になるには。2年で資格取得が可能
准看護師は中卒以上であれば目指すことができます。准看護師養成所や専門学校に入学し2年間で資格取得を目指します。費用の目安は100~150万円程度です。
看護師(正看)よりも短期間で資格が取得でき、費用も抑えることができるので、准看護師は働きながらでも資格取得を目指しやすい資格といえます。
准看護師の免許を取得していると、条件が揃えば通信制で学んで看護師(正看)になる道も
働きながら看護師になるには、まず准看護師を目指されるのがいいかもしれません。准看護師の資格を保有していれば2年間の教育課程で看護師(正看)になることができます。条件を満たしていれば通信制で知識や技術を学んで看護師(正看)になることも可能です。未経験から准看護師になり、その後看護師(正看)にステップアップされたという方も少なくありません。
看護師(正看)と准看護師について
看護師(正看)と准看護師には仕事の裁量の面でも、収入の面でも、大きな違いがあります。前提として准看護師には自分の判断で医療行為を行うことができません。必ず医師や看護師(正看)の指示に従う必要があります。一方、看護師(正看)は自分の判断による医療行為が認められており、より柔軟な患者へのケアが可能です。
看護師(正看)は看護計画を立てて患者のケアを主体的に行い、准看護師は看護師(正看)をサポートするという立ち位置となります。
厚生労働省の『令和2年賃金構造基本統計調査』によると看護師(正看)の平均年収は491万円、准看護師の年収は413万円となっており、准看護師よりも責任が重く業務範囲が広いことからやはり看護師(正看)のほうが収入は高い傾向にあります。
看護師(正看)は国家資格
看護師(正看)は厚生労働大臣が発行する国家資格です。国家資格はいわば国のお墨付き。どこの病院で働くこともできるため、就職や転職が非常に有利になります。前述のとおり、看護師(正看)の資格取得には時間もお金もかかりますが、国家試験の合格率は9割程度。真面目に教育を受けて学んでいけばまず取得できますので、国家資格の中でも非常に人気が高いです。
准看護師は都道府県知事発行の資格
看護師(正看)は国家資格ですが、准看護師の資格は各都道府県知事が発行する資格です。ただし、働く場所はその都道府県に限定されません。たとえば大阪で准看護師の資格を取得した人が東京の病院で働くことも可能です。
前述のとおり2年間で取得できるので働きながらでも目指しやすい資格といえます。ただし、年収は看護師(正看)よりも低く、裁量も狭いため、准看護師を取得してから病院に就職・転職して看護師(正看)へのステップアップを目指される方が多いです。
看護師(正看)はもちろんのこと、准看護師のニーズも多い
准看護師は看護師(正看)と比較するとできることが限定されています。しかし、同じ看護師であるため日常業務の内容についてはそれほど大きな違いはありません。医療や介護の現場では看護師(正看)だけでなく准看護師の需要も非常に高いです。貴重な戦力として見られるため、いずれの資格も取得すれば就職・転職が大幅に有利になるでしょう。
時間と費用をかけられるなら看護師(正看)にトライしよう
まとまった時間や費用が確保できて学校に通えるのであれば看護師(正看)を目指してみましょう。看護師(正看)であれば仕事の裁量も大きく高待遇が期待できます。また、特定看護師や専門看護師、診療看護師などにステップアップできるほか、助産師や保健師といった道も開けます。
働きながら資格を取得したいということであれば、時間に融通が利きやすいパートやアルバイトをしながら学校に通うという手段もあります。
働きながら看護師を目指すなら、まずは准看護師からという選択肢も検討
正社員として働きながら看護師になるには准看護師から看護師(正看)へのステップアップがおすすめです。社会人が看護師を目指すことを前提としたカリキュラムを組んでいる准看護師の養成学校も多いです。こうした学校を選べば無理なく資格取得を目指すことができます。学校を選ぶ際には学生募集の対象に社会人が含まれているか?働きながら学びやすい環境が整っているか?を調べてみましょう。
なりたい人が多い職業だから学びの場は多い。アプリなどを活用して効率的に学べる
看護師(正看)は比較的合格率が高い国家資格ですが、それでも専門的かつ高レベルな知識やスキルを習得しなければ合格は難しいです。特に忙しい社会人は効率的に勉強する必要があります。そこで、スマホアプリを活用してみましょう。
- ・看護師の知りたいことがわかる「エキスパートナース」
- ・基礎的な看護知識を確認できる「クエスチョン・バンク」
- ・看護師国家試験対策 看護roo!国試
- ・看護師国試2100問
以上のようなアプリを活用することで、移動中や休憩などのスキマ時間でも試験対策や看護の現場で必須となる専門知識を手軽に学ぶことが可能です。
仕事と両立して、看護師・准看護師を目指すのにふさわしい職場は
まったく異業種・異職種で働きながら看護師を目指すという方法もありますが、将来的に看護師・准看護師になるには先に病院や介護施設などに転職するのも手です。資格がなくても転職することはできます。
看護の現場を知れる・見られる環境に身を置きながら勉強していくことで、より知識やスキルを深く理解できるようになるはずです。
医療・介護現場などで実務経験を積むことで、資格取得に役立てよう
病院やクリニックなどの医療機関、あるいは特別養護老人ホームや訪問介護事業所などの介護施設に転職すれば、患者や高齢者とのコミュニケーションやケアが経験でき、それらが資格取得後も活きてくるはずです。関連が薄い仕事を続けながら資格取得を目指すよりも、早期に現場で活躍できるようになります。
資格免許の取得や、スタッフの学びのバックアップに積極的な職場を探そう
仕事をしながら看護師・准看護師の資格取得を目指すのであれば、理解がある職場を選びましょう。医療機関や介護施設であれば、未経験から看護師を目指す人も多いため、一般企業よりも働きながら資格取得しやすい傾向があります。
定時で退勤できる職場なら、勉強のための時間が取りやすい
通学や資格取得に必要な費用を補助してくれる、休暇や時短勤務を認めてくれるなど、資格取得をバックアップしてくれる職場はこちらのページから探してみましょう。
看護師・准看護師になるには学校に通う時間、勉強する時間を確保しなければなりません。残業が多いとなかなか時間をとることができず、資格取得までの期間も長引いてしまいます。
残業が少ない、定時退勤ができる転職先はこちらの検索ページで探すことができますので、ぜひ活用してご自身に合った職場を選びましょう。
医療21コラム記事監修者
株式会社アドバン
人材採用サポート・Web事業・印刷物制作を中心とする事業を展開する株式会社アドバンを1991年に設立。人材採用サポートの中でも、医療・介護業界に特化する専門求人サイト『医療21』『介護21』を運営。リアルな求人情報を届け、人材紹介ではない”ベストマッチングの場”を提供している。