【40代で看護師】転職活動で押さえておくべきチェックポイント

2025年01月22日

40代になると転職が難しいと言われています。しかし、看護師の資格や経験、スキルがあれば、新しいキャリアを歩むことも十分可能です。

この記事では看護師として転職したい、ブランクはあるけど復帰したい、あるいは異業種から看護師を目指したいと考えられている40代の方のために、転職活動で押さえておくべきポイントをご紹介します。

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ケース別・40代看護師の転職を成功させる傾向と対策

まずやはり40代になると看護師であっても若手と比べて転職しにくいという事実は前提として押さえておきましょう。厚生労働省の『令和5年雇用動向調査結果の概況~3 転職入職者の状況』に年齢別の入職率のデータが公開されています。

男女とも年齢が上がるに従って下降しており、とりわけ40代後半は男女ともに転職成功率が低くなっています。一方で子育てや介護など生活の変化が生じたりキャリア形成の悩みを抱えたりして転職を考えている40代の方も多いです。

以下では転職してキャリアアップしたい、子育てが一段落して復帰したい、今から夢だった看護師を目指したいといったケース別に、傾向と対策をご紹介します。

ケース①:40代で「キャリアアップしたい」看護師の場合

看護師のキャリアには大きく分けて「スペシャリスト(専門職)」「ジェネラリスト」「マネジメント(管理職)」という3つがあり、ご自身のこれまでの経験やキャリアによって方向性を決めると転職の成功率が高まるでしょう。

スペシャリストとはある分野に特化した看護師を指します。たとえば集中治療室やがんセンターなど専門性が求められる職場での勤務経験がある、認定看護師や専門看護師、看護系技官などの資格を保有しているといった方であれば、専門的な知識やスキルをアピールすることで転職が有利になります

ジェネラリストとはスペシャリストと対照的で幅広い知識やスキル、知見があり、どの分野でも一定の看護が提供できる看護師のことです。内科や外科、産科、精神科などの勤務経験がある、臨床経験が豊富でさまざまな症例の患者をケアしてきたという経験があって、幅広い知識やスキルを身につけてきた方であればスペシャリストとして活躍できる可能性があります

マネジメントは看護部長や看護師長、看護主任などの管理職を指します。役職を経験されている方であれば管理職を募集している求人に応募するのもおすすめです

ケース②:40代で「ブランクあり」看護師の場合

子育てや介護が一段落して職場復帰をしたい、一度は別の業界に転職したけれど看護師に再就職を考えられているという方は実は引く手あまたです。コロナ禍で看護師や医師などの医療従事者の重要性が再認識された一方で、少子高齢化によって看護師の有資格者の数は減少し続けています。そのため、40代で職場復帰を希望している方を貴重な人材として活用しようという医療機関が増えてきているのです。

再就職者を積極的に受け入れている、復帰を支援している病院やクリニックがあるほか、復職支援に力を入れているナースセンターもありますので、ぜひ情報を収集してみましょう。

ケース③:40代で「新卒・未経験」看護師の場合

看護師になるためにはまず国家試験に合格して看護師免許を取得する必要があります。取得するためには主に以下のようなルートがあります。

  • ①高校卒業者…看護大学や看護短期大学、看護専門学校で4年もしくは3年の専門課程を修了する
  • ②中学卒業者…看護養成課程がある高校で5年間の専門課程を修了
  • ③准看護師資格を取得し、看護短期大学や専門学校で2年の専門課程を修了する

看護師の資格取得に年齢制限はありません。40代からでも以上のいずれかの方法で看護師免許を取得し、看護師を目指すことも十分可能です。実際に40代から新しく看護師になって活躍されている方も少なくありません。

看護師と准看護師って、どう違うの?

40代から看護師を目指す方法として、まず准看護師になるというルートが挙げられます。准看護師は医師や看護師から指示を受けながら補助的な業務や患者のケアを行います。ただし、看護師のように自分の判断による看護業務はできないといった制限があります。未経験の方は、まずは准看護師を取得して現場で経験を積むことで、看護師として活躍できる土台を整えることができます。

世間一般的には看護師も、それ以外の仕事も、40代になると転職が不利と言われています。確かに40代の入職率が低いのも事実です。しかし、最近では状況が変わりつつあります。

看護師という職業にとって40代での転職は有利?不利?

今や終身雇用や新卒一括採用は過去のものになりつつあり、転職によるキャリアアップやキャリアチェンジも一般的になってきました。労働人口も減少しているなか、特に有資格者でないとなれない看護師は転職市場において非常に需要が高いです。そのため、40代の方であっても決して遅くはなく、十分チャンスはあります。

40代で看護師として働くメリット

40代で看護師として働くメリットとしては以下のような点が挙げられます。

  • スキルや知識が身につき、それを活かせられる
  • 収入がアップしやすい
  • これまでの人生経験が活かせられる

前述のとおり医療業界は人手不足です。看護師の資格を保有している人材自体が貴重ですが、専門的なスキルや知識が身についているならなおさらです。看護師として働いて経験を積めば、転職や再就職にかなり有利となります。また、知識や経験が豊富な人材は高い評価を得られ、収入アップのチャンスも多いです

未経験で看護師になられる方でもこれまでの社会人経験をおおいに活かせるでしょう。さまざまなことを経験している分患者に寄り添うことができ、他の業界で身につけたコミュニケーション能力や問題解決能力などのスキルは必ず看護業界でも活きてくるはずです。

40代で看護師として働くデメリット

40代で看護師として働くデメリットとして以下のような点が挙げられます。

  • 体力的にきつい
  • 新しい環境に順応しなければならない
  • 就職・転職先が見つからない可能性がある

看護師は体力勝負の仕事であり、特に夜勤がある場合は生活リズムを整えるのも大変です。40代の場合、やはり20代や30代の頃と同じようにいかないことも多く、しんどいと感じることもあるかもしれません。

また、新しく看護師を目指される方は専門的な知識や技術を1から学ばなければなりません。看護師の経験がある方でも、新しい職場や環境に慣れる必要があります。体力面に加え、精神面でも大変に感じられることもあるかもしれません

また、だいぶ社会情勢が変わってきたといってもやはりキャリア形成の観点から若手のほうが採用されやすい傾向はあります。地域やタイミングによっては就職や転職先を探すのが難しい場合もあるかもしれません

40代看護師の求人選びはここを要チェック!

ここからは、これから実際に看護師として転職先を探される方のために、求人情報のチェックポイントについて解説します。

クリニックや病院による求人内容と働き方の違い

看護師の転職先としてはまずクリニック(診療所)や病院が挙げられます。病床が19床以下の医療機関をクリニック、20床以上の医療機関を病院と呼びます。両者には人員の配置基準や勤務時間帯、看護師が行う担当業務、月収などに違いがありますので、ご自身に合ったほうを選びましょう。クリニックと病院の違いについて、下表でまとめました。

クリニック 病院
人員配置基準 なし 一般病棟の場合
患者:看護師(または准看護師)
=3:1
勤務時間帯 ほぼ日勤のみ 夜勤あり
担当業務 診察・検査補助、注射、検温、案内、レセプト・カルテ作成等 外来・病棟・手術室・救命センターなど、配属部署によって異なる
平均的な月収 約34万円 約43万円

介護施設や訪問看護の求人トレンドを解説

看護師の転職先はクリニックや病院だけではありません。高齢者の方の介護や生活援助を行っている介護施設も看護師が活躍できる場です。かかりつけの医師と連携しながら入居者のケアや健康管理を行います。介護施設の詳細については以下の記事で詳しくご紹介しています。

また、訪問看護という選択肢もあります。最近では在宅医療のニーズが高まっており、訪問看護師の活躍の場も増えてきました。一般のクリニックや病院と比べて人間関係の悩みが少ない、1人の患者にじっくりと向き合えるといったメリットがあります。

訪問看護については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

人気の美容看護師に必要なスキルとは

さらに、美容外科や美容皮膚科などで美容看護師として働くという方法もあります。「美しくなりたい」という想いに寄り添える、美容に関する知識が学べるといった理由から、最近看護師の中では人気の就職・転職先です。ただし、美容看護師であっても看護師の資格が必要で、経験者のみを募集しているクリニックも多く、非常に狭き門といえます。また幅広い業務に対応しなければならず大変に思われることもあるかもしれません。

医療専門の求人サイト医療21

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40代看護師が面接で高評価を得るためのコツ

転職活動の中でも重要なのが面接です。特に40代で看護師という専門職に採用されるためには、しっかりとアピールする必要があります。逆にいえば面接で採用担当者の心を掴めば、40代でも採用される可能性は高いです。ここからは面接をクリアするためのコツについてご紹介します。

面接で必須の自己アピールとキャリアの伝え方

経験豊富な40代こそ、面接の自己アピールの場は最大のチャンスです。しっかりとこれまで歩まれてきたキャリアや経験を伝えましょう。経験者の方は取得している資格や経験・スキルを漏れなく伝え、それが応募先にどう活かせるのかをアピールすると効果的です。

未経験者の方であっても前述のようにコミュニケーション能力や問題解決能力などのこれまで培ってきた能力、あるいは人生経験の中から得た人間力などを、応募先に必要になりそうなものをピックアップして伝えることで、採用につながりやすくなります。

看護師の面接時に押さえておくべき質問対策

ここからは看護師の面接で必ず聞かれる質問例と回答のポイントをご紹介します。

自己紹介をしてください

特に冒頭で自己紹介を求められるケースが多いです。ご自身の氏名、経歴(学歴・職歴)、面接の場を設けてもらったことへの感謝の言葉などを1分程度で伝えましょう。

自己アピールをしてください

前述のとおり、保有している資格や前職での経験をもとに、ご自身の知識やスキルを伝えましょう。さらに、それらがどのように応募先の業務に活かせるかを伝えることで、採用担当者の心を惹きつけることができます。また、仕事に対する向き合い方やモットーも伝えましょう。

なぜ当院を選んだのですか?

いわゆる志望動機というものです。医療業界あるいは看護師という仕事に興味をもったきっかけ、数ある医療機関の中から応募先を選んだ理由、どのように応募先に貢献できるかを伝えます。「給料が高かったから」「家から近かったから」という志望動機もあるかもしれませんが、こうしたことをストレートに伝えすぎるとマイナス印象につながるおそれもあります。

なぜ●●病院を辞めたのですか?

特に転職の場合は非常に聞かれやすい質問です。やはり「給料が低かったから」「人間関係が良くなかったから」という本音はあるかもしれませんが、これをストレートに伝えるのは考えものです。「ステップアップしたかったから」「チームワークを活かして仕事がしたかったから」というように、ポジティブな表現をしましょう。

「2025年問題」「2040年問題」は看護師の将来にどう影響する?

今、世間では「2025年問題」という言葉が話題になっています。2025年には団塊の世代が全員75歳以上になり、より少子高齢化が進行すると危惧されているのです。看護業界においても、6万~27万人の看護師が不足すると言われています

さらに、「2040年問題」という言葉もあります。2040年には団塊ジュニア世代が全員65歳以上になり、より看護や介護の需要が高まり、人手不足になるのではないかと懸念されています

逆にいえば看護師になりたいという方にとっては採用枠が広がるチャンスなのですが、人手不足の医療機関で働くデメリットもあります。

人手不足の職場を選ぶ際の注意点

看護師が不足していると1人あたりの業務負担が大きくなり、看護サービスの質が低下します。その状態が慢性化すると医療ミスや事故にもつながりかねません。もちろん、長時間労働や休日出勤を余儀なくされることも考えられ、看護師自身の生活にも影響を及ぼす可能性が高いです。

面接の際には採用担当者と勤務条件についてすり合わせておきましょう。特に以下のような病院は注意が必要かもしれません。

  • 離職率が高い
  • 常に求人を出している
  • パートや時短勤務の看護師の求人が多い
  • 労働条件が明示されていない
  • 過去に医療ミスや事故が発生した

ブログや体験談に見る40代看護師のキャリアパス事例

ここからは実際に40代で看護師になってどのようなキャリアパスを描くことができるのか、その実例を体験談から見ていきましょう。

41歳で看護師資格を取得。人生経験が評価され頼りにされる看護師に

Aさんは41歳のときに離婚を機に将来のことを考え、看護師になることを決意しました。看護学校に通い、「子どものために」という思いで努力されて国家試験にも合格されました。

面接には他の若い候補者もいるなかで、長く勤めてもらえそうだから、人生経験が活かせそうだからということで採用。わからないことも多く、年下の先輩との関係にも悩み、最初の頃は大変そうだったのですが、今では若い人よりも年齢を重ねている分頼りにされやすい看護師として活躍されているそうです

50歳で看護師として新たな人生を歩む

Bさんは一般企業に勤めた後、介護職に転職し、そこで看護師と一緒に仕事をする中でできることや待遇などの差を感じ、看護師を目指すことを決意されました。働きながら通信教育で准看護師の資格を取得し、さらに看護師資格の試験にも無事合格されました

その後病院に就職。仕事自体は介護士と共通する部分があったのですが、人間関係で悩み退職。その後は介護施設に転職し、看護師として働かれています。介護士の経験を活かすことができ、同年代の看護師も多く、働きやすいと感じられているということです

特に50代では自分に何ができるのか?を考えたうえで、自分に合った職場を選ぶことが大切だとBさんは語ります。

40代の看護師求人探しは医療21

40代でも看護師として転職・就職するのは遅くはありません。医療21では全国の看護師の求人情報を掲載しています。Webで職場見学ができ、看護部長や教育担当者のインタビュー記事が掲載されているので、職場の雰囲気がわかりやすく、ご自身に合った転職・就職先が見つかります。40代の方、ブランクがある方でも安心して応募できる求人情報が豊富です。

まとめ:「年齢の壁」に振り回されないで!

2007年に雇用対策法が改正され、原則として求人に年齢制限を設けることは禁止されています。とはいえ、「年齢不問」としていても年齢を理由に断る医療機関も存在するのが実情です。しかし、それは完全な違法行為であり、むしろ「採用されなくてよかった」と前向きに考えましょう。また、「若手歓迎」「20代が活躍」というキャッチコピーもグレーですので、注意したほうがベターです。

40代で看護師を目指すなら、これまでのキャリア(看護師に限らず)や人生経験を重視してくれる職場を選びましょう。また、面接は応募先が人材を見極めるのと同時に、求職者が応募先を見極める場でもあります。

40代の方には40代の方の強みがあります。これまでの経験やそこから身につけてきたものは、若手には負けないはずです。ぜひ、年齢の壁に振り回されず新たなキャリアを歩み出してください。

医療21コラム記事監修者
株式会社アドバン

人材採用サポート・Web事業・印刷物制作を中心とする事業を展開する株式会社アドバンを1991年に設立。人材採用サポートの中でも、医療・介護業界に特化する専門求人サイト『医療21』『介護21』を運営。リアルな求人情報を届け、人材紹介ではない”ベストマッチングの場”を提供している。

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