【看護師に転職】ステップアップを実現するキャリアパスの描き方

2025年03月25日

看護師に転職したいと考えている方は決して少なくありません。ある進学ポータルサイトが女子高校生を対象に行った調査によれば、人気の職業1位は看護師だったそうです。

学生はもちろん、異業種で働いている方が「夢を諦めたくない」「やはり看護師として働きたい」と思われるケースも多いようです。そこでこの記事では、社会人が未経験・異業種から看護師へ転職する方法や、看護師資格の取得ルートなどをご紹介いたします。

ページ目次

看護師へ転職するベストタイミングは?

一般企業では4月や10月に人事異動が集中するため、転職活動を行うタイミングとしては1~3月や8~9月あたりがベストシーズンといわれています。

看護師の求人の傾向や働き方、募集状況は一般企業のそれとは若干異なります。ここからは、看護師に転職する際に考えたいベストタイミングについて見ていきましょう。

働き方改革による看護師の労働環境への影響

日本では看護師は人手不足の状態です。その理由の一つとして、夜勤やシフト勤務による生活リズムの乱れ、医療現場での重責の割に待遇が見合わないという構造的な問題が挙げられます。こうした課題を受け、政府は2019年4月から医療機関を含む各業界で働き方改革を進めており、看護師もその対象です。

長時間労働の是正や夜勤の回数制限、休暇取得の推進など、職場環境の改善が急ピッチで行われています。こうした変化は看護師として働きやすい環境づくりにつながっており、転職を考える方にとってもポジティブな要因といえます。今後さらに職場環境の整備が進むことで、看護師へより転職しやすくなると考えられます

現役看護師が有利に転職できる時期

転職市場では、前述のとおり2~3月と8~9月に求人数が増える傾向にあります。看護師の場合も例外ではなく、この時期は多くの医療機関が人手を補充するための募集をかけます。新卒入職が4月に集中するので、特にその直前である1月頃から転職活動を開始すると、効率よく求人を探せるでしょう。

現役看護師の場合は、いわゆる「中堅」と呼ばれる4年目あたりから転職に有利だといわれています。看護師3年目までに基礎的な看護技術や病院業務を習得し、4年目以降は即戦力として期待できるからです。実際、経験や知識を十分に備えた看護師は、引く手あまたとなります。

「すぐにでも次の職場を探したい」「経験を活かしてよりよい環境に移りたい」という現役看護師の方は、早めに求人情報をチェックしてみましょう。

認定看護師は新たな制度へと移行

看護師のキャリアアップや転職を有利にする資格の一つに「認定看護師」というものがあります。2020年度から認定看護師制度は新たな制度へ移行し、従来の認定看護師資格を更新する際には、教育カリキュラムや要件が変更されました。こうした制度の変革に伴い、より専門性を高めた看護師が求められる時代になっているといえます。

また、看護師の上位資格としては「専門看護師」や「認定看護管理者」などもあります。これらの資格を取得することで、さらに高度な医療技術やマネジメントスキルを身につけられ、転職や昇進の場面で大きなアドバンテージとなるでしょう。資格に興味のある方は、以下のコラムも参考にしてみてください。

准看護師から看護師へキャリアアップする方法

准看護師は各都道府県知事から免許を交付される資格で、看護師よりも短期間で看護現場に就職できる利点があります。一方で、業務範囲に制限があり、給料も看護師よりは低いため、キャリアアップを目指すうえで「やはり看護師になりたい」と考える准看護師は少なくないようです

ここからは、准看護師として働きながら看護師に転職・キャリアアップする方法をご紹介します。

准看護師と看護師の職務の違い

看護師と准看護師の業務内容自体に大きな差はありませんが、准看護師は医師・歯科医師・看護師の指示を受けなければ業務が行えないため、仕事の裁量はどうしても小さくなってしまいます

また、「保健師助産師看護師法」には、准看護師に看護計画の立案が許可されていないことも定められています。それ以外にも、下表のように両者の間にはさまざまな差があります。

正看護師 准看護師
資格試験 国家試験 各都道府県による試験
受験資格
  • ・文部科学大臣指定の大学で看護師養成課程を修了した者
  • ・文部科学大臣指定の学校で3年間以上、看護師養成課程を修了した者
  • ・都道府県知事指定の看護師養成所を修了した者
  • ・准看護師免許取得後3年以上、業務に従事している者
  • ・中学卒業後、准看護師養成所で2年または高校の衛生看護科で3年の課程を修了した者
  • ・高校卒業後、准看護師養成所で2年の課程を修了した者
業務の自律性 自己判断できる 自己判断できない
平均年収
※参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査
約508万円 約407万円

准看護師から看護師になる最短のルートは

准看護師として3年以上の実務経験があれば、看護師専門学校(全日制)や看護短期大学へ2年間通うことで、看護師国家試験の受験資格を得られます。これが最短ルートとされており、准看護師として働きながら通学される方も少なくありません。

一方、定時制に通う場合は3年間の就学期間を要し、准看護師として7年以上の実務経験がある方は2年間の通信制課程を利用できるケースもあります。下図のように複数のルートが用意されていますので、ご自身の生活スタイルに合わせて選択すると良いでしょう。

※医療21(株式会社アドバン)が作成

詳しくは、「看護師になるにはどうしたらいい?働きながら、最短2年で資格取得をめざせる方法も」も参考にしてみてください。

介護職から看護師へキャリアチェンジする方法

介護の現場で働くなかで「利用者の急変に対応するために医療行為ができるようになりたい」「もっとスキルアップして幅広いケアを行いたい」といった理由から、看護師へ転職を考える介護職の方も多いようです。

ここからは、介護福祉士や介護スタッフがどのように看護師へキャリアチェンジできるのか、見ていきましょう。

介護福祉士から看護師に転職

介護福祉士として働いている方が看護師に転職する方法は、以下の5つがあります。

  1. 1. 4年制の看護系大学に入学して修学する
  2. 2. 3年制の看護短期大学に入学して修学する
  3. 3. 3年制の看護養成学校(専門学校)で修学する

    ※介護福祉士が看護師を目指す場合、2年で可とするという免除制度が検討されていますが、現時点ではまだ実現していません。

  4. 4. 中卒者の場合、5年一貫制の看護師養成課程で修学する
  5. 5. まずは准看護師として実務経験を積む

いずれのルートも時間と労力はかかりますが、介護の現場で培った経験は看護師として働くうえで大きな武器になります。

ケアマネージャーのダブルライセンスとしての看護師資格

看護師または准看護師として5年以上の実務経験があれば、介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)の受験資格を得られます。看護師資格を持ったうえでケアマネとして働けば、高齢化社会において医療・介護の両面でリーダーシップを発揮できるでしょう。

ただし、収入面の比較をすると看護師のほうが高い傾向にあります。また、看護師資格保有者はケアマネ合格率も高い傾向にあるため、もともと介護福祉士や社会福祉士として働いていた方がダブルライセンスとして看護師になることで、スキルアップや給与アップを同時に狙える可能性があります

看護師が活躍できる介護施設

看護師の職場といえば病院やクリニックを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、他にも訪問看護ステーションや有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、児童福祉施設、障害者支援施設、さらには企業内で産業看護師として活躍するなど、さまざまな道があります。詳しくは「こんなにある看護師の働き方! 職場の種類と仕事について解説」をご覧ください。

特に特別養護老人ホームにおいては入居者3名につき常勤1名以上の看護師配置が求められ、デイサービスなどの通所施設でも看護師を1名以上配置することが法律で定められています

高齢化が進む日本では、介護施設での看護師需要がますます高まっているのです。

医療専門の求人サイト医療21

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社会人から看護師を目指してキャリアデザインする方法

社会人として別の業界で働かれている方でも、看護師を目指すことは不可能ではありません。看護師になるうえでは年齢制限がないため、何歳からでもチャレンジすることができます。ここからは、社会人から看護師へ転職を目指す際の一般的な方法や、資格取得までの流れをご紹介します。

看護師資格取得までの一般的なプロセス

看護師国家試験は独学だけでは受験できず、文部科学大臣または都道府県知事が指定する学校を卒業する必要があります。中卒の場合、最短でも5年、高校卒業者であれば最短3年で看護師国家試験の受験資格が得られます。社会人の方が看護師を目指す際にも、同じルールが適用されます。

社会人で中卒の場合

  • ●5年一貫制の看護師養成課程で修学
  • ●准看護師として3年以上の実務経験を積んだ後、看護師専門学校(全日制2年)または定時制3年で修学
  • ●准看護師として7年以上の実務経験を積んだ後、看護師専門学校の通信制で2年修学

社会人で高卒以上の場合

  • ●看護系大学や統合カリキュラム校で4年修学
  • ●看護短期大学または看護師専門学校で3年修学
  • ●准看護師試験合格後、看護短期大学または看護師専門学校(全日制または定時制)で2年修学

いずれのルートも決して短くはありませんが、看護師資格が取得できれば将来的には安定したキャリアを築くことが可能です。

新人看護師研修とは

看護師資格を取得したからといって、すぐに一人前として病棟に立てるわけではありません。保健師助産師看護師法の改正によって、2010年4月から「新人看護職員研修」の実施が努力義務となり、ほとんどの医療機関や介護施設で、新人看護師研修が行われるようになりました。この研修は、現場での看護技術や接遇、チーム医療の進め方などを習得する場であり、先輩や指導者のフォローを受けながら実践的に学ぶことができます

無資格でも看護現場で経験を積める看護助手

看護助手は、無資格・未経験でも医療現場で働くことができる職種です。「ナースエイド」「看護補助者」とも呼ばれています。業務内容としては、患者の食事や入浴、排泄の補助、病室の清掃・整理、物品管理などが中心で、医療行為は行いません。看護師の業務を間近で見ることができるため、看護学生のアルバイト先としても人気があります。

ただし、看護助手として経験を積んだだけでは看護師国家試験の受験資格は得られず、指定の学校に入学して卒業する必要があります。現場で働きつつ資格取得の勉強を両立するためには、学費や時間面での計画が重要になります。

医療21に掲載されている看護師の求人は?

医療21では病院やクリニックなどの求人を豊富に掲載しています。医療機関名を公開しているので安心です。教育担当者へのインタビューや職場の雰囲気を伝えるコンテンツも充実しており、実際の仕事風景をイメージしやすいとご好評をいただいています

看護助手や介護施設の求人も豊富に掲載しているため、異業種から転職OKの職場を探されている方にもおすすめです。 ぜひ、求人ページをチェックし、ご自身に合った職場を見つけてみましょう。

まとめ:今後ますます増える看護師の需要

看護師に転職する方法は、准看護師からのキャリアアップや介護職からの転身、異業種・職種で社会人として働きながら資格取得を目指すルートなど、多岐にわたります。

働き方改革や高齢化の進展によって、看護師の需要は今後さらに増加が見込まれます。諦める必要はありません。年齢に関係なく看護師への道を切り開くチャンスは十分にあります。まずは医療21の求人情報やコンテンツも活用して 、情報収集からはじめてみましょう。

医療21コラム記事監修者
株式会社アドバン

人材採用サポート・Web事業・印刷物制作を中心とする事業を展開する株式会社アドバンを1991年に設立。人材採用サポートの中でも、医療・介護業界に特化する専門求人サイト『医療21』『介護21』を運営。リアルな求人情報を届け、人材紹介ではない”ベストマッチングの場”を提供している。

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