助産師になるには?条件や仕事内容について紹介!

2025年03月25日

助産師は、新しい命の誕生の瞬間に寄り添い、妊娠・出産・産後の母子を支える重要な役割を担っています。この記事では、助産師とはどのような仕事なのか、助産師になるにはどのような条件があるのか、具体的なルートや働き方、やりがいなどを詳しくご紹介します。

助産師を目指される方が、具体的な行動の一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。

ページ目次

助産師とは

助産師は、分娩時の介助をはじめ、妊婦への保健指導、産後の新生児ケア、育児相談、女性の健康サポートなどを行う医療専門職です。活躍の場は産婦人科のある病院や診療所、助産院などが中心です

特に近年では核家族化によって妊産婦が気軽に相談できる相手を確保しづらい状況にあり、女性たちにとって良きアドバイザーとなる助産師への期待はますます高まっています。

助産師になる条件とは?

看護職の中でも助産師になるには特別な条件があります。具体的には、「女性であること」「看護師国家資格の取得」「助産師国家資格の取得」という3つを満たす必要があります。以下では、これらの条件について見ていきましょう。

①女性であること

保健師助産師看護師法第3条には「この法律において『助産師』とは、厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じょく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう。」と定められています。現行の法制度のもとでは女性のみ助産師になることができ、男性はなれません

②看護師国家資格が必要

看護師になるためには、高校卒業後に看護師養成学校や大学の看護学科などで一定の養成課程を修了し、看護師国家試験に合格する必要があります。独学だけでは受験資格を得られないので注意が必要です。

2024年の試験結果を見ると、看護師国家試験の合格率は87.8%、新卒者に限れば93.2%と比較的高水準です。助産師国家試験に関しては合格率が98.8%(新卒者99.3%)とさらに高く、養成課程を真面目に受ければ十分合格が狙えます。

いずれも年1回、2月頃に厚生労働省が試験を実施しており、しっかりと学習計画を立てて挑むことが大切です。

③助産師国家資格が必要

看護師資格を取得した後は、文部科学省や厚生労働省が指定する助産師養成所で1年以上の専門課程を修了すると、助産師国家試験の受験資格を得られます。また、看護師養成課程と助産師養成課程を同時に学べる大学や養成施設もあり、そこでは看護師国家試験と助産師国家試験をダブル受験することが可能です。

ただし、ダブル受験において助産師国家試験のみ合格し、看護師国家試験に不合格だった場合には助産師免許は取得できません。しかし、その翌年に看護師国家試験に合格すれば、改めて助産師免許の申請が可能です。一般の看護師資格とは異なる、助産師特有の仕組みとなっています。

看護師国家資格・助産師国家資格を取得する方法

ここからは、看護師国家資格と助産師国家資格を得るためにどうすればいいか、代表的な3つのルートをご紹介します。ご自身の学歴やライフスタイルに合わせて、最適な方法を検討してみてください。

①大学・短大・専門学校に通い、別々に国家試験を受ける

まずは高校を卒業して大学や短大、専門学校に進学し、看護師国家試験に合格して看護師となるルートです。その後、看護系大学院や助産師養成所などで1~2年の課程を修了して助産師国家試験を受験し、合格すれば晴れて助産師の資格を取得できます。

看護師と助産師に必要な知識を段階的に習得できるため、時間をかけて学びたい方に向いている方法です

②看護師として働きながら助産師を目指す

すでに看護師として活躍されている方が助産師資格を取得したい場合、働きながら看護系大学院や短大、助産師養成所などで学ぶ方法があります。

ただし、常勤看護師を続けながら通学するのは負担が大きいため、進学休職制度がある病院を選ぶなどの工夫が必要です。中には給与を支給しながら資格取得を支援してくれる病院もあります。

働きながら資格を取得するのは大変ですが、キャリアアップ・キャリアチェンジの一環として、助産師を目指す意義は大いにあります。

③4年制大学に通いダブル受験する

4年制大学の看護師・助産師課程を修了し、看護師と助産師の国家試験をダブル受験するというルートもあります。両方に合格すれば、いち早く助産師としてのキャリアをスタートでき、学費も別々に支払うケースよりは安く抑えやすいメリットがあります

ただし、大学の助産師コースは定員が非常に少なく、毎年5〜10名程度しか入学できない学校も多いため、希望者すべてが選抜を通過できるわけではありません。狭き門であることを理解したうえで挑戦しましょう。

※医療21(株式会社アドバン)が作成

一般的看護師と助産師との違い

助産師は、正常分娩に限って医師の指示がなくても助産行為を行うことが認められています。一方で、看護師は医師の指示のもと、治療や診療の補助を行うのが基本で、自分の判断で医療行為を行うことはできません。

助産師は「看護師資格+助産師資格」の2つの資格を有するため、専門性が高く、出産に関するあらゆるサポートに携われるのが特徴です。以下の表では、一般看護師と助産師の違いをまとめています。

一般看護師と助産師との相違点 助産師 一般看護師
所持資格 看護師国家資格・助産師国家資格 看護師国家資格のみ
職場 産婦人科・助産院・保健所・保健センターなど 診療科・訪問看護ステーション・一般企業など
ケア対象 妊婦・経産婦・新生児など
傷病人の処置も可
傷病者
業務内容 助産行為(正常分娩のみ)・妊婦・産婦・新生児の健康管理・保育指導など 傷病者の療養上の世話・診療の補助など
平均年収 約584万円 約508万円

医療専門の求人サイト医療21

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助産師の4つの主な仕事内容

助産師は、妊娠・出産・産後という女性の大きなライフステージにおいて専門的なケアを提供します。ここでは、助産師の主な仕事を4つの観点からご紹介します。

①妊娠中のケア

妊娠期には、妊婦さんの健康管理や精神的なケア、生活習慣の見直しなどが重要になります。食事・運動・生活面の指導や、出産に向けた心構えをサポートするのが助産師の役割です。また、赤ちゃんのお世話体験や父親向けの妊婦体験などを通じて、母性・父性を育む機会を提供しています

②出産時のケア

分娩時には、母子の健康状態を正しく把握し、胎児の状態や産婦の体調に異常がないかを確認しながら介助します。正常分娩であれば、助産師は医師の指示を必要とせずに分娩介助を行うことが可能です。

緊急時には医師や他の医療スタッフと連携し、応急処置や適切な判断を行うことが求められます。産婦の精神的サポートも欠かせない要素であり、不安や痛みを軽減するための言葉かけやケアが重要です。

③出産後のケア

産後は母体が産じょく期に入るため、体調管理や新生児ケアに力を注ぎます。産後の生活指導や授乳支援、搾乳やおむつ交換などの育児指導、新生児の健康観察などが代表的な仕事です。母親本人だけでなく、ご家族全体をサポートしていくことで、より円滑な育児環境を整えます。2週間健診や1カ月健診などで再来院する際には、さらに詳しい経過を確認し、必要な助言を行います。

④その他の仕事

助産師は保健指導や家族計画、不妊治療など、幅広い分野の相談にも対応しています。また、思春期や更年期の女性を対象に、健康や性に関する正しい知識を普及する活動にも携わることがあります。学校や地域での講演などで、「妊娠・出産に関する正しい知識」や「生命の尊さ」を次世代に伝えるのも重要な役割の一つです。

助産師の働き方

助産師が働く場としては、病院の産科や助産院が主になりますが、いずれも24時間体制でのケアが求められるため、勤務スケジュールは不規則になりがちです。

二交代制の場合は日勤と夜勤が、三交代制の場合は日勤・準夜勤・深夜勤などが一般的です。 助産院では少人数の妊婦を担当することもあり、常にオンコールで呼び出される可能性があるなど、時間的拘束が多くなる傾向があります

一方で、病院や診療所によっては交代制勤務がしっかり組まれ、残業も少なく休みをしっかり確保できる傾向もあります。自分に合った職場を選ぶことで、やりがいや働きやすさも大きく変わってきます。

助産師でよかった!と感じるとき

助産師という仕事の最大の魅力は、やはり新しい命の誕生に立ち会えることです。楽な仕事ではありませんが、苦しい陣痛を乗り越えた産婦さんから「ありがとう」という言葉をもらったとき、自分がとり上げた赤ちゃんが成長して再会したときに、きっと大きなやりがいを感じるはずです。感動と喜びが、助産師を続けるモチベーションになっているという方は少なくありません。

助産師に向いている人

助産師は、妊婦さんと赤ちゃんの命を守る大切な仕事です。子どもが好きで、体力的・精神的にタフであることはもちろん、妊娠期や産褥期の女性に寄り添う細やかな気配りも欠かせません。相手を思いやるコミュニケーション力や、常に学びを深めたいという向上心が求められます。

また、医師の指示なく助産行為を行うので、強い責任感を持てる人が向いているといえるでしょう

助産師になるタイミング

助産師になるタイミングとしては、大学や専門学校を卒業して新卒で資格を取る場合と、自身が出産を経験してから目指す場合など、さまざまなパターンがあります。以下では、それぞれにどのようなメリットがあるのかを簡単に見ていきましょう。

新卒で助産師になる

4年制大学の助産師コースを選ぶ、あるいは看護師と助産師の国家試験をダブルで受験して一気に助産師資格を得るルートです。

2つの資格を取得できるため、産科だけでなく、開業助産院や企業でのヘルスケア部門など幅広いキャリアを選択できるメリットがあります。年齢制限もないため、生涯を通じてキャリアを積み重ねられるのも大きな強みです。

出産経験後に助産師になる

自身で妊娠・出産を経験してから助産師を目指される方も少なくありません。知識と技術に加えてリアルな体験が活かせるのが大きな強みです。妊産婦さんやご家族が抱える不安や悩みに共感しやすく、心強いサポート役になれるでしょう。出産を経験した助産師がいることで、安心感を得られるはずです。

助産師の将来性

少子化が進めば当然出産数が減ることになりますが、助産師という仕事が社会から必要とされる場面はなくならないと考えられます。人材不足も相まって、正常分娩や産後ケアという専門性が高い分野を担う助産師の需要はむしろ高まっているのが現状です

労働環境の改善によって働きやすい職場が増えつつあることも、助産師にとって明るい要素といえるでしょう。

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助産師として働きたいなら、まずは最新の求人情報を入手することがスタートです。医療21の「助産師求人一覧ページ」では、病院やクリニック、助産院など、助産師が活躍できる職場の情報が公開されています。

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まとめ:助産師はやりがいある魅力の多い仕事!

助産師は、妊娠中・出産時・産後の母子を支える医療専門職として、女性と赤ちゃんに寄り添いながらケアするという重要な役割を担っています。看護師資格が必須であることや学習期間の長さなど、ハードルは決して低くありませんが、新しい命の誕生に立ち会える大きな感動とやりがいがあります

少子化が進む中でも、助産師の必要性が失われることはなく、今後ますますその専門性が求められるでしょう。「助産師になりたい!」とお考えの方は、医療21で求人情報をチェックし、理想のキャリアを実現してみてはいかがでしょうか。

医療21コラム記事監修者
株式会社アドバン

人材採用サポート・Web事業・印刷物制作を中心とする事業を展開する株式会社アドバンを1991年に設立。人材採用サポートの中でも、医療・介護業界に特化する専門求人サイト『医療21』『介護21』を運営。リアルな求人情報を届け、人材紹介ではない”ベストマッチングの場”を提供している。

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