【看護師を目指す男性へ】 男性看護師の実態とキャリアプラン完全ガイド

2024年09月26日

看護師は「女性の仕事」と思われがちですが、男性看護師も現場で活躍しています。力仕事や急患対応に男性の力が必要になることに加え、きめ細かいケアや患者とのコミュニケーションを得意とする男性看護師も多いです。多様な技術を持ちチームの中で重要な役割を果たしている彼らの姿は、看護の現場において欠かせません。

この記事では男性看護師の将来性や活躍できるフィールドについてご紹介します。

ページ目次

男性看護師の割合とその変遷

男性看護師の割合は女性看護師のそれに比べて圧倒的に少ないものの、年々増加傾向にあります。たとえば2022年の厚生労働省のデータによると男性看護師の割合は全体の約7.2%です。少ないように思われますが、10年間の変遷を見てみると着実に増加していることがよく分かります。

2012年には約6.2%だったのが2020年には約6.9%に増加し、さらに2022年には7.2%に達しました。このように、男性看護師の数は年々増加しており今後もその傾向が続くと予想されます

男性看護師の需要と将来の展望​​

看護師で男性というと、かつては精神科や手術室などに配属されるケースが多い印象がありましたが、現在ではあらゆる診療科にまんべんなく配属されています。男性看護師の需要は年々高まっており、たとえば薄毛(AGA)治療内科や男性専門の美容医療クリニックなど、男性看護師が歓迎されやすい職場も増えているのです

医療現場の変化によって男性看護師がその特性を活かし、患者とのコミュニケーションや繊細なケアを提供する場が広がっています。今後も多様な分野での活躍が期待され、看護師としてのキャリアの選択肢がさらに広がるでしょう。看護師を目指す男性にとって将来の展望は明るいと言えます。

海外の男性看護師事情

看護師として男性が活躍できるチャンスは海外でも広がっています。たとえばイギリスやオーストラリアでは男性看護師の割合が日本よりも高く、特に精神科や救急医療で活躍しています。語学ができれば海外での就職も視野に入れられるので、より多様な経験を積めるでしょう。

日本と比較して海外では男性看護師の需要が高く偏見も少ないため、働きやすい環境が整っています。男性看護師としての未来は国内外問わず明るい展望が広がっているといえます。

看護師のお給料事情

看護師を担う男性の給与は経験や勤務先によって大きく異なります。特に男性看護師の場合、夜勤や特殊な診療科での勤務が多いことから比較的高い給与を得られる傾向があります。

一般的に病院勤務の看護師はクリニックや介護施設勤務の看護師よりも高い給与を受け取ることが多いです。以下で具体的な給与事情について詳しく見ていきましょう。

【2024年最新】看護師の平均年収​​

厚生労働省の2024年の最新データによると看護師の平均年収は488.9万円です。この金額には夜勤手当やボーナスが含まれており、月給平均は約30万円、年間の平均賞与は約80万円となっています

看護師の年収は夜勤の時間数や所属する診療科によって違いが生じ、地域や施設の規模によっても年収に差があり、特に大都市圏の病院勤務では高い給与が期待できるでしょう。以上のことから、看護師の給与事情はさまざまで勤務条件や地域によって大きく異なることが分かります。

看護師の男女別平均年収

看護師の平均年収は400万円台から500万円台ですが、中でも男性看護師の平均年収は女性看護師よりもかなり高く約570万円です。これは男性看護師が夜勤や特殊な診療科での勤務が多いことが影響しています。

一方で、女性看護師の平均年収は約400万円です。これは、出産や育児でキャリアを中断するケースが多いためと考えられます。しかし、扶養手当や住宅手当がつくと同一の病院内で男女差が少なくなる場合もあります。


都道府県別平均年収

看護師の給与は地域差が大きく他の職業と同様に地域ごとに異なり、男性看護師もこの傾向が強いです。

●全国平均

     
年齢 40.5歳
勤続年数 8.5年
所定内実労働時間数 159時間
超過日労働時間 6時間
平均年収 488.9万円
きまって支給する現金給与額 34.08万円
所定内給与額 30.76万円
年間賞与その他特別給与額 79.94万円
労働者数 72,842,000人

●東京

年齢 41.5歳
勤続年数 6.1年
所定内実労働時間数 156時間
超過日労働時間 6時間
平均年収 507.43万円
きまって支給する現金給与額 36.39万円
所定内給与額 33.49万円
年間賞与その他特別給与額 70.75万円
労働者数 62,890人

●神奈川

年齢 42.1歳
勤続年数 7.3年
所定内実労働時間数 152時間
超過日労働時間 6時間
平均年収 527.71万円
きまって支給する現金給与額 37.53万円
所定内給与額 34.64万円
年間賞与その他特別給与額 77.35万円
労働者数 35,360人

●千葉

年齢 38.3歳
勤続年数 7.4年
所定内実労働時間数 161時間
超過日労働時間 5時間
平均年収 490.91万円
きまって支給する現金給与額 34.30万円
所定内給与額 30.11万円
年間賞与その他特別給与額 79.31万円
労働者数 21,890人

●埼玉

年齢 40.4歳
勤続年数 6.9年
所定内実労働時間数 163時間
超過日労働時間 3時間
平均年収 494.52万円
きまって支給する現金給与額 34.57万円
所定内給与額 32.20万円
年間賞与その他特別給与額 79.68万円
労働者数 27,880人

たとえば都道府県別の看護師の平均年収を見てみると、東京では507.43万円、神奈川では527.71万円と、全国平均より高めの傾向があります。一方、千葉県では490.91万円、埼玉県では494.52万円です。さらに、大都市圏から離れるとこれよりも低い場合が多いです。地域差は大きく都市部では高い給与が期待できる一方、地方では生活費が安い分給与も低めになる傾向があります。

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男性は看護師にならないほうがいい?

男性が看護師として働くことに対して、否定的な意見を持つ背景にはいくつかの理由があります。

まず「看護師は女性の職業」という固定観念が根強く、男性が少数派となり孤立感を感じやすいことが理由の1つとして考えられます。また、男性看護師の仕事は力仕事が多いという誤解や、患者や同僚からの偏見も存在します。しかし、こうした意見に惑わされず多様なスキルと視点を身につけてきた男性看護師の存在は、医療現場において貢献度は非常に高いです。「男性は看護師にならないほうがいい」という考え方は、現代ではもう当てはまりません。むしろ、今は男性看護師の活躍が期待される時代なのです。

男性看護師によくある悩み

男性看護師がよく抱える悩みにはいくつかの共通点があります。まず、女性が多い職場環境での孤立感や、少数派ゆえに同僚とのコミュニケーションが難しい点です。また、患者やその家族から女性看護師を希望される場面も少なくありません。さらに、力仕事を期待されることが多いため、体力的な負担が大きいと感じることもあるでしょう。役職を得ている男性看護師が周囲にいない場合、昇進やキャリアアップの機会が見えにくいという悩みもあります。

悩みを軽減するには、看護師が多く働く職場で男性の同僚や先輩を見つけることが有効です。男性看護師同士で情報交換やサポートを行うことによって、孤立感を軽減でき、キャリアアップの道筋を見つけやすくなります。また、職場の理解を得るために定期的なコミュニケーションを図ることも重要です。男性看護師としての悩みを共有し解決策を見つけることによって、より働きやすい環境を築けるでしょう


男性看護師の強みと利点

男性看護師にはいくつかの強みと利点があります。まず、体力や力仕事への対応能力が女性より高い点が1つです。重い患者の移動や緊急時の対応など、体力を要する場面でその能力を発揮します。また、男性特有の視点やコミュニケーションスタイルが、患者との信頼関係構築に役立つこともあります。たとえば男性患者が抱える特有の悩みや問題に対して、共感しやすいことが利点です。

さらに、男性看護師の存在はチームの多様性を高め、より包括的なケアを提供するための一助となります。多様なバックグラウンドを持つチームは、さまざまな視点から問題を解決し患者に対してより良いケアを提供できるでしょう。男性看護師は、医療現場に新しい風を吹き込む重要な役割を担っており、その存在はますます重要視されています。こうした強みと利点を活かし、男性看護師は医療現場で大いに活躍しているのです。

男性看護師が比較的多い診療科

特に「男性はこの診療科が向いている」という物差しがあるわけではありませんが、比較的男性看護師が多く所属している診療科は存在します。たとえば救命救急センターや手術室、精神科などでは男性看護師が多く活躍しています。これらの診療科では体力や迅速な対応が求められる場面が多いため、男性看護師の強みが発揮されやすいです。

男性看護師のキャリアプラン

看護師を目指す、あるいはこれから働く際には、男女関係なくまずキャリアプランを作りましょう。希望の職場や給与、働き方、キャリアアップへの展望を明確にし、自分なりのキャリアプランを明確にしておくことが重要です。また時おり理想とするキャリアが実現できているかを振り返り、必要に応じて軌道修正することで、自己成長を促せるでしょう。計画的なキャリア形成が成功への鍵です。


資格の必要な専門職だからこそ目指せる高水準の給与

看護師は多くの学びを得た上で資格が与えられる専門性の高い職業です。男性看護師もその資格を持っているだけで、比較的高待遇の職場を選べます。お住まいのエリアで看護師として働いた場合、どれくらいの給与を得られるか調べてみませんか?医療業界の専門求人サイト、看護21ではさまざまな看護師の求人情報を掲載しています。

男性の皆さんも看護師資格を活かして、高水準の給与獲得を目指しましょう。

自分に合った働き方ができる病院や施設も

看護師の職場は総合病院のほか、クリニックや訪問看護ステーション、介護施設、学校、企業など多岐にわたります。総合病院では交代制で夜勤があるのが一般的ですが、クリニックや企業では日勤が中心です。訪問看護では患者の自宅を訪れることが多く、フレキシブルなシフトやパートタイム、夜勤専従など、ライフスタイルに合わせた働き方も選べます。

男性看護師も自分に合った環境で活躍できるはずです。どんな職場があるか、まずは介護21で検索してみましょう。

さまざまな選択肢からキャリアアップも目指せる

看護師の資格を得た男性には、多くのキャリアアップの選択肢があります。たとえば専門看護師や認定看護師の資格取得、看護管理職などを目指すことができます。また、大学院進学や海外研修を通じて、研究や教育の分野で活躍する道もあります。さらには、訪問看護や独立開業など、男性看護師が新しい分野に挑戦する例も少なくありません。

多様なキャリアパスがあるので、自分に合った道を見つけられるでしょう。

男女問わず看護師は就職先を見つけやすい職業

看護師の資格は汎用性が高く、社会的なニーズも高いため、さまざまな職場で経験を積めることがメリットです。男性看護師も含め看護師資格を持つことで、多くの就職先が見つかりやすくなります。

男性が看護師資格を取得する意義は非常に深く、医療現場での幅広いキャリアパスを開く鍵となるでしょう。


経験を積みたい場合の職場

看護師資格を取得したばかりの新人が経験を積むためには、男女問わず病院の急性期病棟や総合病院が適しています。なぜなら、これらの職場では多種多様な症例に対応するため、広範な知識と技術が身につくからです。特に急性期病棟では、緊急対応や重症患者のケアを学ぶ機会が豊富にあります。また、教育体制が整っている総合病院では、先輩からの指導が受けられるため、安心してスキルを磨けることもメリットです。

最初の職場選びは、その後のキャリアに大きな影響を与えますので、しっかりと検討してみましょう。

家事や育児、介護などと両立したい場合の職場

看護師は男女問わず多様な働き方が選べる資格です。家庭の事情によって家事や育児、介護などと両立したい場合には、日勤中心で夜勤が少ないクリニックや訪問看護ステーション、パートタイムやフレックスタイム制を導入している医療施設が適しています。また、企業の健康管理室や学校の保健室など、定時勤務が基本となる職場もあります。

男性看護師も自分に合った働き方を見つけやすいのは同様なので、まずはどんな職場があるか調べてみましょう。職場探しには看護師に特化した求人サイト、医療21がおすすめです。

家事や育児、介護などと両立したい場合の職場

看護師の資格取得には時間がかかりますが、資格を取るまでの間に現場を知っておくことは非常に有益です看護師を目指す男性も、資格の勉強をしながら時間のあるときに病院や施設のスタッフとして働けば、実際の業務や職場環境の理解につながります

たとえ補助的な作業であっても、現場経験を積むことによって、看護師としてのキャリアに役立つスキルや知識を身につけられ、資格取得後にスムーズなスタートが切れるでしょう。

医療21では看護師資格がない方でも応募可能な病院や施設スタッフなどの求人も掲載しています。

まとめ:看護師の職場に性別は関係ない

看護師の職場では、性別に関係なく多様な働き方が求められ、男性看護師も多くの場面で活躍しています。現状では女性が多い職場ですが、体力や力仕事への対応能力、男性特有の視点やコミュニケーションスタイルも医療現場で求められます。また、看護師はご自身のライフスタイルや家庭の事情に合わせた働き方ができることもメリットです。

男性の方で看護師という仕事に興味がある男性の方は、ぜひ資格取得を目指してみましょう。

医療21では、現場で活躍する男性看護師のインタビューを掲載しておりますので、あわせて御覧ください。

医療21コラム記事監修者
株式会社アドバン

人材採用サポート・Web事業・印刷物制作を中心とする事業を展開する株式会社アドバンを1991年に設立。人材採用サポートの中でも、医療・介護業界に特化する専門求人サイト『医療21』『介護21』を運営。リアルな求人情報を届け、人材紹介ではない”ベストマッチングの場”を提供している。

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