大学病院で看護師のキャリアを築く!知っておきたい基礎情報

2024年10月23日

看護師の就職先の一つとして大学病院が挙げられます。なんとなくどのような病院なのかイメージが思い浮かぶかとは思いますが、職場としてみたときにはどうなのでしょうか?

この記事では大学病院における看護師の役割や仕事内容、大学病院で働いて得られるキャリアについて考えていきましょう。

ページ目次

大学病院とは

まずは大学病院がどのような病院なのかをおさらいしましょう。大学病院とはその名のとおり大学が運営している病院です。一般の病院と同じように診療を行っていますが、それに加えて教育・研究機関という側面も強いです

医学博士が在籍しており、高度かつ最先端の医療技術を研究し、医療従事者を育成する場となっています。故に、専門的な治療が必要な患者、重篤な患者を受け入れる機会も多いです。


大学病院における看護師の役割

大学病院の看護師であっても仕事内容自体は一般の病院とそれほど大きく変わりません。医師の診療を補助する、患者の健康ケアや身のまわりのサポートを行うのが看護師の役割です。ただ、大学病院ならではの仕事も数多くあり、さまざまな経験が積めるのが大学病院の看護師として働くメリットの一つといえます。

大学病院の看護師は、どんな仕事をしているの?​​

前述のとおり大学病院は医療機関であると同時に研究、教育の場でもあります。研修や勉強会に参加できる機会が多く、高度な診療を行う医師のサポート、患者の身のまわりのお世話をするケース、あるいは大学病院で学ぶ研修医や新卒看護師のサポートをする機会もあります

一般の病院と比較すると忙しいと感じられることもあるかもしれませんが、その分専門的かつ幅広い医療知識が身につけられる、やりがいのある仕事に携われる可能性があります。

大学病院の看護師は、他の医療現場の看護師とどう違う?​​

国公立の大学病院は国や地方自治体によって運営されており、そこで働く看護師は準公務員(みなし公務員。共益性・公共性が高い仕事をしている民間人)という立場になります。

先ほどもご説明したように、仕事内容は概ね一般の病院と変わりませんが、最先端かつ高度な医療を研究・提供している大学病院では、より専門的な看護知識を働きながら学べて、場合によっては後輩看護師に指導するという機会もあります。よりハイレベルなスキルや知識を身につけたい、看護師としてキャリアアップしたいという方には特に向いている職場だといえるでしょう。

大学病院の看護師になるには

ここまでこの記事を読まれた方のなかには、「大学病院で働いてみたいけど、自分がついていけるのかな」と不安に思われている方もいらっしゃるかと思います。しかし、看護師資格とやる気さえあれば、大学病院で活躍できる可能性は大いにあります。ここからはどうすれば大学病院で働けるのかについてご紹介します。


学歴は必要?

「院卒や学部卒でないと大学病院で働くのは難しいのでは?」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。確かに学歴を重視する大学病院もなくはないのですが、多くの病院ではそれほど学歴は関係ありません。看護師資格さえ保有していれば短大卒、専門学校卒の方でも活躍できるチャンスは大いにあります。「大学病院で働きたい!」という想いがありましたらぜひチャレンジしてみましょう。

大学病院の看護師の収入は?

大学病院でも一般的な病院でも、それほど給料に大きな差はありません。ただ、大学病院は組織も大きいため福利厚生が充実しています。トータルで考えると一般的な病院やクリニックを上回る収入が得られる可能性もあります。また、地域差があり、やはり都市部の大学病院のほうが給料は高い傾向があるようです。

加えて大学病院は国や自治体が運営しているケースも多く、倒産のリスクが低く、安定して働けるという点もメリットです

大学病院の看護師が働く現場

以上で大学病院の看護師の役割や仕事内容についてご紹介しました。ここからは就職後の研修や1日の流れ、得られるキャリアなど、大学病院の看護師の働く環境についてご紹介します。特に大学病院に就職したい、転職したいと思われている方には参考になるリアルな情報を盛り込んでおりますので、ぜひお読みください。


大学病院に就職したら、どんな研修を受けるの?

まず大学病院に看護師として就職したら研修があり、基礎的な医療知識や仕事のやり方について学んでいきます。研究・教育機関の側面もある大学病院では新卒の場合でも、中途の場合でも、一般の病院と比較して手厚く教育が受けられる傾向が強いです

また、専門的かつ高度な医療知識が学べるような研修・勉強会が開催されていることもあり、普段は近隣の病院やクリニックで働いている看護師が受講に来るケースもあります。しっかりと知識やスキルを身につけて働きたいという方にはうってつけの環境といえます。

大学病院の看護師の一日

大学病院には日勤と夜勤という2種類の勤務形態があります。それぞれの1日の大まかな流れを表にまとめました。

【日勤】

8:00 出勤。夜勤担当者から引き継ぎ
8:30 カルテの確認、1日のスケジュールチェック
9:00 バイタルチェック、点滴、薬の配布、患者の身のまわりのお世話
11:00 ラウンド
12:00 食事介助、服薬確認
13:00 昼食(交代制)
14:00 バイタルチェック、点滴、薬の配布、患者の身のまわりのお世話
15:00 ラウンド
16:00 看護記録など書類の作成・整理
16:30 夜勤担当者への引き継ぎ
17:00 退勤

【夜勤】

16:30 出勤。日勤担当者から引き継ぎ
17:00 カルテの確認、1日のスケジュールチェック
17:30 食事介助、服薬確認
19:00 バイタルチェック、点滴、薬の配布、患者の身のまわりのお世話
20:30 就寝前の準備
21:00 ラウンド・食事(交代制)
23:00 看護記録など書類の作成・整理
24:00 仮眠・ラウンド(交代制)
7:00 食事介助、服薬確認
8:00 書類整理・夜勤担当者への引き継ぎ
8:30 退勤

以上はあくまで一例で、病院や診療科によって異なります。また、オペや急患の受け入れ、入院患者の急変時の対応、研修・勉強会などによって大きく1日の流れが変わることもあります。

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看護師として大学病院で働いて得られるキャリアは

大学病院には高度で専門的な医療知識と幅広いスキルを身につけられる環境が整っています。それだけにさまざまな可能性が広がっているといえるでしょう。ここからは大学病院で看護師が進めるキャリアについてご紹介します。

細かく分かれた診療科による専門的な現場経験

大学病院ではICUや手術室などのセクションや、最先端の医療機器・器具が揃っています。診療科が細かく分かれておりそれぞれ専門性が高く、医学博士や教授をはじめ、優秀な医師や看護師の仕事を間近で見ることができます。そのため、看護師として幅広い医療現場で役立つ知識やスキルが身につくでしょう

仮に育児や介護などでいったん休職したあとでも復帰あるいは転職し、再度看護師として働ける可能性が高くなります。

各種講座・セミナーなどで新しい知識を

大学病院は大学という高等教育・研究機関に属しているため、研修や講座、セミナーなども頻繁に開催されており、やる気があれば学べる環境が充実しています。

それだけに、大学病院で働く看護師は意識が高い方が多いです。同僚や上司、先輩後輩と切磋琢磨しながら看護師としてさらなるレベルアップを目指すことができます。看護のスペシャリストを目指したい、やりがいのある仕事がしたいという方にはうってつけの環境です

管理職や、後進の指導などを受け持つポストも視野に​​

大学病院は規模が大きく、一般的な会社では大企業なみの組織形態となっており、将来管理職として活躍できる可能性もあります。ポストが上がればそれだけ給料も高くなり、仕事の裁量も大きくなるはずです。

新卒の看護師やインターン医師が頻繁に入ってくるので、彼ら・彼女らの指導やフォローを行う機会も多く、看護の知識やスキルはもちろんリーダーシップやマネジメント能力を磨くチャンスもあります。

大学病院の看護師によくある悩み

大学病院で働くメリットはさまざまですが、いいことばかりというわけではありません。ここからは大学病院の看護師ならではのリアルな悩みについてご紹介します。以下のような実情もあるのだということを踏まえたうえで、就職先を選びましょう。


緊急性の高い患者や重篤な患者の看護が多い

大学病院は高度で専門的な医療を提供しているため、業務量が多くなりがちです。ICUや手術室もあるため、緊急事態に対応する頻度も高く、高い精神力や集中力、的確な判断力が求められます。また、教育が充実しているということは、業務の時間中あるいはそれ以外で研修会や勉強会に参加を求められる可能性もあります。

「グレイズ・アナトミー」「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命」「ER 緊急救命室」などの医療ドラマでは緊急病院の様子が克明に再現されているので、こうしたドラマを観ることで現場の雰囲気を感じ取ってみるのもいいかもしれません。

生活が不規則になりがち

大学病院では夜勤があり、場合によっては昼夜逆転の生活をしなければなりません。緊急事態が発生すれば残業も余儀なくされます。加えて勤務時間外に研修や勉強会などに参加をする機会もあるかもしれません。

正直勤務環境は結構過酷で、特に慣れないうちは生活リズムを整えるのが大変なので、ある程度の覚悟は必要です。とはいえ、一般の病院やクリニックでは得られないようなやりがいやメリットもあるため、興味がある方はぜひチャレンジしてみましょう

あなたに合った働き方を見つける方法

今回は大学病院の看護師の仕事内容やキャリア、大変な面についてご紹介してきました。看護師には大学病院以外にもさまざまな活躍できる場があります。幅広い診療科があり地域医療の要となる総合病院、街のかかりつけ医のような存在であるクリニック、患者が家にいながらにして医療を受けられる在宅ケアなど、それぞれ役割が異なり、優劣はありません。

たとえば総合病院であればさまざまな経験が積める、クリニックであれば比較的自分のペースで働きやすい、在宅ケアであれば患者とじっくり向き合えるなど、それぞれにメリットがあります。

今一度、ご自身がどのような働き方をしたいのか?今何をしたいのか?将来どうなりたいのか?を考えて、それに合わせて職場を選びましょう。そのヒントとして、医療21で求人情報をご覧いただければ幸いです。

まとめ:大学病院で、看護師としてのキャリアを伸ばそう!

大学病院で働くことで充実した教育が受けられる、最先端の研究や医療にふれることができる、幅広い経験を積めるといったメリットが得られます。高度な専門知識とスキルを習得し、看護のプロフェッショナルとして活躍する、管理職にステップアップするといったキャリアを目指すことも可能です。

大変な面もありますが、やりがいが大きい、他ではできないことも経験できる職場だといえますので、興味がある方はぜひチャレンジしてみてください。

医療21コラム記事監修者
株式会社アドバン

人材採用サポート・Web事業・印刷物制作を中心とする事業を展開する株式会社アドバンを1991年に設立。人材採用サポートの中でも、医療・介護業界に特化する専門求人サイト『医療21』『介護21』を運営。リアルな求人情報を届け、人材紹介ではない”ベストマッチングの場”を提供している。

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