2025年02月27日

看護師として働く上で役職者への昇進は大きなキャリアアップにつながります。この記事では、看護師の役職の種類や、役職についた際にどのような働き方や責任が伴うのかを分かりやすく解説します。
将来のキャリア形成の参考にしていただける内容となっていますので、看護師としての可能性を広げるためにも、ぜひ最後までご覧ください。
―― ヒラのナースから役付きになると、何が変わる?
2.看護師の役職の種類と、それぞれの仕事内容
―― 主任看護師:現場を指揮するリーダー
―― 看護師長:院内の看護師をマネジメント
―― 看護部長:病院経営にも関わる
―― 認定看護師・専門看護師:特定分野のエキスパート
3.看護師が役職につくと、働き方はどう変わる?
―― 仕事内容は多様に、責任は重大に
―― ―― 管理業務の割合が増える
4.看護師の役職ごとの給与
―― 役職なしと役付きの収入差
―― 勤務時間など、働き方にも変化が
―― 看護師が役職につくと、ボーナスや手当はどう変わる?
5.病院勤務の看護師がキャリアアップするには
―― 認定資格・専門資格の取得
―― リーダーシップとマネジメント能力について学ぶ
6.キャリアアップを目指すなら転職も視野に
―― キャリアアップしやすい職場、しにくい職場の例
7.看護師としてのステップアップに、医療21を活用しよう
―― 現役役職ナースのインタビュー記事一覧
8.まとめ:看護師としてのキャリアアップを目指そう
病院に勤める看護師のキャリアアップとは
皆さんは今後看護師としてどのようにキャリアを形成していきますか?今後、「こうなりたい!」という展望はありますか?
病院内で昇進して役職者になり、リーダーシップを発揮する、病院の運営に携わるというのも一つの大きな道です。今後の働き方やキャリアの展望を考えられている方は、ぜひこの記事の情報を役立ててください。
ヒラのナースから役付きになると、何が変わる?
役職につくと、他の看護師たちの指導やマネジメントという仕事ができるようになります。現場での実務に加えて、部下の教育やシフト管理、業務の効率化に取り組むことが求められるでしょう。
また、さらに昇進を進めると看護業務や部署内のマネジメントに留まらず、病院経営に関与する場面も増え、戦略的な意思決定に関わることもあります。一般の看護師時代とはまったく異なる、組織全体を見渡す視点やリーダーシップが求められるようになるでしょう。キャリアアップを通じて、仕事の裁量が増えるとともに、病院内での存在感や影響力が一層高まります。
看護師の役職の種類と、それぞれの仕事内容
病院内で働く看護師の役職には、主任看護師、看護師長、看護部長などがありなどがあり、基本的な看護業務から管理・経営に至るまで、求められる役割も大きく変わってきます。なお、病院によっては呼称が異なったり、さらに細分化されたポストが存在したりする場合もありますが、この記事では上記の役職別に業務内容の違いをご紹介します。
主任看護師:現場を指揮するリーダー
主任看護師は、一般の看護師にとって最も近いキャリアです。日常的な看護業務をこなしながら、部署内の看護師の取りまとめや業務改善、後輩の指導にあたります。いわゆる中間管理職として、上司と部下の間に立ち、円滑なコミュニケーションを図ることが求められます。
一般的には10年程度の臨床経験を積むことが望ましいとされ、その間に知識やスキルを身につけるとともに、院内での信頼と実績を獲得しておくことが重要です。
看護師長:院内の看護師をマネジメント
看護師長は現場の看護業務の管理に加え、部下の育成や人材配置、施設運営に関わる意思決定にも参加します。現場での決裁権をもち、一般的な会社における課長に相当する存在です。また、副看護師長というポストを設けている病院もあり、看護師長を補佐する役割をこなします。
一般的には10〜20年程度の臨床経験が必要とされ、現場の運営全体を見渡す広い視点と医療現場のリーダーとしての資質が求められます。
看護部長:病院経営にも関わる
看護部長は看護師のトップに位置し、病院全体の看護部門を統括する役職者です。通常の看護業務は大幅に減少し、経営側の意思決定や予算管理、人材戦略の策定など、病院経営に深く関わる役割を担います。一般的な会社における部長にあたるポストです。病院によっては総看護師長と呼ばれることもあります。また、看護部長を補佐する副看護部長というポストを設けている病院もあります。
看護師長としての経験を10年以上積むことが一般的であり、看護師としての専門知識と経営的な感覚の両方が求められる重要なポジションです。
認定看護師・専門看護師:特定分野のエキスパート
認定看護師・専門看護師は、日本看護師協会が運営している資格制度です。これらの資格を取得するためには、基本的に看護師として5年以上の実務経験(そのうち3年以上は特定分野での実務経験)が必要となり、研修を受けた上で試験に合格する必要があります。
認定看護師と専門看護師という役職があるわけではありませんが、資格取得によって専門性を証明でき、昇進や給与アップに有利となるケースが多いです。
なお、両者の違いとしては、認定看護師がより広範な分野で活躍するのに対し、専門看護師は特定の診療科や看護分野に特化している点が挙げられます。
看護師が役職につくと、働き方はどう変わる?
病院も企業や役所と同じように組織であるため、役職につけば働き方が大きく変化します。ここからは、具体的に役職者になるとどのような働き方になるのかについて考えていきましょう。
仕事内容は多様に、責任は重大に
役職につくと、まず部下を持つことになり、自分のことだけでなくチーム全体の業務管理や指導、パフォーマンス向上が求められます。従来の看護業務に加え、会議や報告、病院全体の方針策定への参加など、責任ある仕事も増えるでしょう。
個々の判断やリーダーシップが求められ、プレッシャーも重くなる反面、仕事の裁量も大きくなってやりがいを感じられるはずです。ステップアップをしたい、やりがいのある仕事をしたいという前向きな方であれば、挑戦する価値は大いにあるといえます。
管理業務の割合が増える
役職が上がるに比例して直接的な看護業務が減り、管理業務が主な仕事となります。具体的にはスタッフのシフト管理、業務の効率化、他部署との調整、予算管理や報告書の作成など、組織全体を運営するための業務が中心となります。
看護師としての臨床経験はもちろん、管理者としての視点や経営的な考え方を持つことも求められます。現場での経験を活かしながら病院全体の看護師の働き方やそのあり方を変革したいと考える方には、ぜひチャレンジしていただきたいポジションです。
看護師の役職ごとの給与
役職につくことで一般的な看護師と比べてどれくらい給与が上がるのかというのが、やはり皆さんが気になるところではないでしょうか。ここからは、具体的な収入差やその背景について詳しく解説します。
役職なしと役付きの収入差
人事院『職種別民間給与実態調査』で公開されているデータによると、役職がある看護師は、基本給が増額され各種手当も上乗せされるため、一般的な看護師と比較して収入が増加する傾向があります。
ただし、役職になると夜勤手当などの特別手当が減少するため、必ずしも手取りが大幅に増えるとは限りません。経験を積み昇進することで給与が上がるのは確かですが、管理業務にシフトすることによって、働き方や収入のバランスが変化する点は念頭に置いておきましょう。
勤務時間など、働き方にも変化が
役職につくと、通常の看護業務に比べて組織全体の取りまとめや他部署との連携、会議への参加など、管理業務に時間を割くようになります。そのため、患者への直接的なケアの時間は減少しますが、その分、組織運営や戦略的な意思決定に関わる機会が増え、全体としての働き方が大きく変化します。
働く時間の使い方や責任が拡大するため、自己管理能力やマネジメントスキルが求められるようになります。
看護師が役職につくと、ボーナスや手当はどう変わる?
看護師の収入の中では時間外手当が大きな割合を占めますが、役職につくと通常の看護業務が減る分、時間外手当が減少する傾向があります。一方で、役職手当が新たに支給されますが、その額は夜勤手当の補填ほどにはならないケースも少なくありません。
結果として、昇進しても必ずしも手取りが大幅に増えるわけではありませんが、キャリアアップによって安定した給与体系が構築されるというメリットもあります。
病院勤務の看護師がキャリアアップするには
看護師としてのキャリアアップを目指すなら、今日から準備をはじめることが大切です。ご自身の経験やスキルを見直し、必要な資格の取得を目指したり研修を積極的に受けたりすることで、昇進への道が開けます。今後のキャリア形成に向けて、前向きな姿勢でステップアップを目指しましょう。
認定資格・専門資格の取得
病院勤務の看護師が昇進を目指すにあたって、認定看護師や専門看護師といった資格は非常に有利に働くでしょう。これらの資格は日本看護師協会が認定するもので、取得すれば看護師としての専門性を証明できます。
リーダーシップとマネジメント能力について学ぶ
看護師としてのキャリアアップを図る上ではリーダーシップとマネジメント能力が欠かせません。院内や関連組織で実施される各種研修やプログラムに参加し、実践的なスキルを習得することが大切です。
こうした学習の機会を積極的に活用することで、チームのまとめ役としての資質を伸ばすことができ、キャリアアップや昇進への道が開かれます。
キャリアアップを目指すなら転職も視野に
同じ職場で昇進を目指すこともできますが、転職を通じたキャリアアップも有効な手段です。新たな環境での成長機会を得るために、より良い条件での勤務を実現するために、転職も視野に入れてキャリア形成を進められるといいかもしれません。
キャリアアップしやすい職場、しにくい職場の例
キャリアアップしやすい職場としては、大規模な病院や成長過程にある病院が挙げられます。大規模病院では役職ポストが多く、充実した教育制度や研修プログラムが整備されているため、昇進のチャンスが豊富です。成長過程の病院は人材が少ないため、経験が豊富な方、スキルや知識が豊富な方は重宝される傾向があります。
一方、家族経営の病院や年功序列が強い職場では、昇進の機会が限られている傾向があります。ご自身のキャリアプランに合った環境を見極めることが、将来の成長につながります。
看護師としてのステップアップに、医療21を活用しよう
看護師としてのキャリアアップを目指されている方は、ぜひ医療21を活用してみましょう。豊富な求人情報はもちろん、Web病院見学や先輩看護師のインタビュー記事など、役立つコンテンツが充実しています。ご自身に合った職場を見つけ、次のステップへ進むための情報収集にお役立てください。
現役役職ナースのインタビュー記事一覧
医療21では、「看護部長インタビュー」や「教育担当インタビュー」など、現役の役職看護師への取材記事が豊富に掲載されています。実際にキャリアアップを果たした先輩たちの具体的な働き方やその裏側にある努力、そして人となりが伝わる内容となっています。
これらの記事を読むことで、今後のキャリアアップのヒントやモチベーションを高めるきっかけになるでしょう。これからステップアップや昇進を目指されている看護師の方は必見です。
まとめ:看護師としてのキャリアアップを目指そう
今回の記事では看護師の役職の種類とその仕事内容、そして昇進することでどのような働き方や責任が伴うのかを詳しく解説しました。主任看護師から看護師長、看護部長の役割、さらには認定看護師や専門看護師といった資格の概要を知ることで、今後の働き方やキャリア形成の具体的なイメージを持っていただけたかと思います。
昇進することで裁量をもって働け、看護師のマネジメントや育成、病院運営に関わるスケールの大きい仕事ができるようになり、やりがいも感じられるはずです。ぜひ、将来のキャリアとして昇進を目指してみてはいかがでしょうか。

医療21コラム記事監修者
株式会社アドバン
人材採用サポート・Web事業・印刷物制作を中心とする事業を展開する株式会社アドバンを1991年に設立。人材採用サポートの中でも、医療・介護業界に特化する専門求人サイト『医療21』『介護21』を運営。リアルな求人情報を届け、人材紹介ではない”ベストマッチングの場”を提供している。