2023年12月23日
看護師がめざす資格にはどんなものがあるの?
超高齢化社会を背景にしつつ医療の発達が進み、いまや医師や看護師に必要とされる知識は専門化される一方で、総合的な判断を必要とされる場合もあるため、医療関係者に求められているものも多様化しています。それに合わせて資格も数多く登場しています。
どのような看護師を目指すかによって取得すべき資格も変わってきますし、中には看護師以上の役割を果たしたいと考えている人もいるでしょう。それぞれのスタイルに合わせてスキルアップに適した資格を紹介していきます。
看護師として高いスキルを証明する資格
国家資格である看護師の上位資格としては、(1)認定看護師 (2)専門看護師 (3)認定看護管理者があります。
認定看護師
認定看護師は個人家族および集団に対して熟練した看護技術を用いて水準の高い看護を実践すると共に、看護職員の指導、育成を行う役割を担います。現行の認定看護師の分野は21分野です。
2018年11月に「新たな認定看護師制度設計」が公表され、2019年2月に認定看護師規程が改正されました。日本看護協会によれば、「制度改正の大きな柱は、特定行為研修を組み込んだ新たな認定看護師教育の開始と、認定看護分野の再編です。」となり、2020年度からの制度改正となります。
専門看護師
認定看護師のように専門分野に特化する専門看護師の場合は、がん看護、精神看護、地域看護、老人看護、小児看護、母性看護、慢性疾患看護、急性・重症患者看護、感染症看護、家族支援、在宅看護の11分野が定められています。認定看護師の認定分野と重なる部分も見られますが、専門看護師はさらに関係者間のコンサルテーションや人権、倫理への配慮、倫理的葛藤の解決、専門知識及び技術向上並びに開発をはかるため、実践の場における研究活動なども重要な役割です。
認定看護管理者
そして認定看護管理者は主に看護師の育成や管理に携わる、管理職必須の資格と言えるでしょう。資格取得者には、現場での管理経験が10年以上のベテランや看護師長などの管理職経験者が多く見られ、平均すると年収800万円前後の収入となることが多いようです。看護師の労働環境の改善などの役割を求められる、看護師を取り巻く環境に関わる資格です。
その他の資格
他にもスキルアップにつながる資格は多くあります。
助産師
出産から育児まで総合的に関わる「助産師」という資格があります。こちらは看護関係の学校を卒業後、助産師の学校へ1年間通う必要がありますが、厚生労働省が管轄する国家資格ですので信頼性もあります。年収は平均すると500万円から600万円位で、婦人科で活躍する人もいれば、独立して開業している人まで様々なケースが見られますが、妊娠、出産、育児まで総合的に関わっていくので、やり甲斐を感じる人が多くいるようです。
体外受精や移植のコーディネーター
「体外受精コーディネーター」や「移植コーディネーター」は、それぞれ専門的な知識が必要とされ、患者個別の問題と向き合いつつ、病院側と患者側の間を取り持つ役割を果たします。
医療コンサルタント
更なる他の選択肢として「医療コンサルタント」がありますが、こちらは医療経営を取り巻く全てに関わる権限を持った資格と言えます。経営の改善やサービス向上、地域への貢献など幅広い視野から、医療経営をサポートしていかなければなりません。認定看護管理者が内部からのアプローチならば、医療コンサルタントは外部からのアプローチと言えるでしょう。
まとめ
今後、さまざまな分野で看護師資格を持った人材が必要とされてくるでしょう。福祉関係では看護師の資格を持った人材が強く求められるようになり、まだまだ不足している状態です。社会が多様化するにつれ、看護師が活躍する場面は増えてくることが予想されます。そのときにご自身がどのような看護師でありたいのかが、スキルアップを考える上で重要といえます。
医療21コラム記事監修者
株式会社アドバン
人材採用サポート・Web事業・印刷物制作を中心とする事業を展開する株式会社アドバンを1991年に設立。人材採用サポートの中でも、医療・介護業界に特化する専門求人サイト『医療21』『介護21』を運営。リアルな求人情報を届け、人材紹介ではない”ベストマッチングの場”を提供している。