医療法人社団 東光会

八王子山王病院

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看護部長インタビュー

看護部長の魅力がわかるコンテンツです。supported by 医療21

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八王子山王病院

看護部長インタビュー

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看護部長の、看護や職場についての想いが聞けるコンテンツです。

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すべての看護師が大切な「人財」。
諦めない限り、人は必ず成長します。

Profile

看護部長/西村貴子
高校卒業後に上京して看護学校を卒業後、都内の公立病院や民間病院に勤務。急性期~慢性期の幅広い看護を経験しながら、係長→課長→教育担当課長→看護部長と、管理業務にも長く携わる。2016年に戸田中央医科グループ(TMG。現:戸田中央メディカルケアグループ)本部に入職して看護局教育担当副部長となり、2017年に「新座志木中央総合病院」の看護部長に就任、2023年に「八王子山王病院」の看護部長に就任し、現在に至る。

これまでの歩み

看護師を目指したきっかけを教えてください。

高校時代、誰かの力になりたくて障害者の方のイベントにボランティアで参加しようと考えました。そして、生まれて初めて重度障害者の方と直接向き合ったのですが、どんなふうに接するべきなのか分からず、動揺してイベント参加を辞退してしまいました。

そんな自分がすごく情けなくて、絶対将来は障害者の方を支える職業に就こう!と思ったのが、看護の道に進んだきかっけです。

どんな新人時代でしたか?

自分の想いを言葉にするのが苦手な新人で、なかなか周囲に馴染めずに苦労しました。

七夕にスタッフみんなで短冊を書いて病棟に飾った際、私の名前で「もっと素直になりますように」という願いごとが書かれた短冊を発見したんです。私は書いていないのに(笑)。それを見た瞬間、面白さとショックと反省とで複雑な気分だったけれど、おそらくそれを書いたのは先輩で、自分の意見を言わない新人の私にとても悩んでいたのでしょうね。

どんな経緯で看護部長に就任を?

以前勤めていたグループ病院の院内事情で看護部長代行を任されて、看護部長は自分には務まらないけれど、代行であればなんとか、と思っていましたが、しばらくたったある日、看護部長になるかならないかの決断を迫られまして(笑)。

部長代行として多くの看護師の採用に携わり、「一緒に良い病院をつくっていこうね」と約束を交わしたのに、ここで部長職を辞退したら仲間を裏切るような気がして、「看護部長になる!」という覚悟を決めたんです。

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看護についての考え方

看護部の方針について教えてください。

「地域のために存在している病院」であることを忘れずに、誠実で心のこもった看護を提供する、ということです。患者さまやご家族の希望に寄り添い、「退院後の地域生活を見据えた看護」の実践に努めています。私自身としては、患者さまの倫理・人権を守り、その人らしさを大切にした看護を提供したいと考えています。

倫理・人権を守るために、心がけていることはありますか。

ごく当たり前ですが、相手を尊重した礼儀正しい対応です。以前の病院でICUに勤務していた時、意思の疎通が難しく、目がほとんど見えない難病の患者さまを担当したことがありました。話しかけても反応が得られず、だんだんと声かけの機会が減り、ついには目の前でその患者さまには関わりのないことを同僚と話したりするようになりました。でもある時、その方が突然話せるようになり、「いつも髪をとかしてくれてありがとう」とおっしゃたんです。とても反省しました。

病気によって認知機能や運動機能が低下しても、すべてが失われるわけではありません。特に聴覚は最期まで残る感覚で、目を開けることや話すことができなくなっても、耳は聞こえる方が多いそうです。看護師の温かい声かけは患者さまに安らぎを与えられるものなので、丁寧で礼儀正しいコミュニケーションを心がけています。

地域医療に携わる上で、どんなことを大切にしていますか。

患者さまの声に真摯に向き合うことですね。これも私の体験になりますが、以前、入退院を繰り返す患者さまの中に厳しい意見を言う方がいらっしゃって、ずっと苦手意識を持っていました。でも、その方が亡くなって娘さんが挨拶に訪れた時、「母はこちらの病院が大好きで、地域でこちらの病院を悪く言う人がいると、必ず反論してお世話になった話をしていました」と教えてくださったんです。

あの患者さまは、病院を良くするために意見を言っていたのかと思うと、厳しい意見こそ職員間で共有し、より良い病院づくりにつなげていかなければいけないと考えています。

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職員への思い

スタッフに対して、心がけていることはありますか?

その人の可能性を大切にすることです。例えば、仕事を覚えるのに時間がかかる新人さんがいても、その人の良いところや可能性を見極めながら、しばらく待ってみます。成長が早い人もいれば遅い人もいますから、できる限りスタッフ一人ひとりと直接会話をして、人間性や魅力を知っていきたいと思っています。

どんな人材を求めていますか?

希望は、「ご自身の中に芯がある方」でしょうか。そそっかしかったり、抜けているところがあったりしても、まずは自分を支える芯があることが大切だと思います。芯といっても難しいことではなくて、たとえば、「患者さまのための看護を提供したい」というような、看護に対してぶれない思いのことです。

これから新しく入られる方にメッセージをお願いします。

「我が手に託されたる人々の幸のために身を捧げん」――この言葉は、ナイチンゲール誓詞の最後の一文です。「身を捧げん」は大袈裟かもしれませんが、看護部長である私の仕事は、患者さまだけでなく、スタッフも含めた「託されたる人々」が、安心・安全で幸せになれる環境をつくることだと思っています。

看護部では、すべての人材を「人財」として育て、本人が諦めない限り、こちらも成長を支えることを諦めないつもりです。人は成長していくものですから、目標を持って自分の可能性に挑戦していきましょう。

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プライベートの過ごし方

自宅で料理を楽しんだり、壁飾りを作ったり

美味しいものを食べに行くのが好きですが、最近は自宅で料理を楽しむようになりました。調理道具からこだわって、シチュー、テールスープ、カレー、フェイジョアーダなどの煮込み料理をよく作ります。あとは、壁飾りなどのインテリアを作ったり、猫を2匹お迎えしたので一緒に遊んだりお昼寝したり、のんびりと家での時間を楽しんでいます。

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