これまでの歩み
-はじめて働いたのは大学病院の小児科だそうですね。
そうなんです。第一希望の外科病棟は人気があって希望が通らず、苦手意識のあった小児科病棟に配属が決まり、かなり落ち込んでいました(苦笑)。1年目は学ぶことがたくさんあって多忙な日々を送っていて、小児の患者様やご家族との関わりで悩むことも多かったです。
勤務していた大学病院の小児科病棟には、重篤な疾患を持つ子どもが多く入院していて、対話をしていると想いに寄り添い過ぎてしまい、よく先輩から「あなたは家族ではなく看護のプロでしょ!」と、怒られていました。
-新人時代、印象に残っている患者様とのエピソードはありますか?
入職して間もない頃、ターミナル期の小児の患者様を受け持ちました。入院生活が嫌で嫌で仕方なく、いつも「家に帰りたい」「外に行きたい」と言っていました。その児の気持ちを明るくするにはどうしたらいいのか…、真剣に考えましたがなかなかいい案が浮かびませんでした。
そのため、先輩の力を借りながら、その児と家族が望んでいることを知り、その希望に近づけるよう一生懸命に頑張ったことを覚えています。
この経験を通して、「病気だけを診るのではなく、まずは患者様とその家族の思いに向き合うこと」が大切で、そして、思いに向き合うためには「看護師として常に学び続けなければいけない」ということを、再認識しました。今の私があるのは、小児科時代に出逢えた子供たちやご家族、多くの助言をくれた先輩看護師・医師のおかげです。
-大学病院時代は、消化器外科病棟や在宅相談室も経験されたそうですね。
ええ。小児科病棟を3年ほど経験した後、ずっと興味があった消化器外科病棟に異動しました。消化器外科の患者様は、手術が終わると退院される方が多く、退院後にどんな生活を送られているのか気になって、数年後には在宅相談室に異動しました。
在宅相談室で働いていると、地域生活に困りごとを抱えている方が思った以上にたくさんいて、地域密着型の病院で患者様の生活を支えていきたいと思うようになり、それで苑田会に辿り着いたというわけです。
私は看護師としていろいろな部署を経験する中で、「こんなことも学んでみたい」「あんなことも学んでみたい」という気持ちがつぎつぎと湧いてきて、自分の興味を深めるために、部署や職場を変えてきました。苑田会には急性期・回復期・慢性期・在宅など、幅広い看護を経験できる環境があり、自分次第で新しい領域にチャレンジできるので、すごく恵まれていると感じます。