「久喜すずのき病院」へのアクセスは、「久喜駅」西口と病院を結ぶ無料送迎バスが便利で、5分ほどで病院に到着します。敷地内には広い職員用駐車場も完備されているので、マイカー通勤者も多いとのこと。エントランスロビーで迎えてくれたのは、看護部のチーフを務める3人。看護部では、管理職の呼称をゼネラルマネージャー、マネージャー、チーフ、サブチーフとしているそうです。

まずは、2018年に拡張リニューアルした外来棟へ。とても広い空間ですね。「外来患者様の人数も救急搬送の受け入れ件数も年々増えているので、リニューアル工事で従来の2倍以上のスペースを確保し、10診体制（救急外来含む）で対応しています。当院には精神科医が30名以上在籍していて、物忘れ外来・女性外来・脳神経内科外来などの専門外来も充実しているんですよ」と、チーフたち。外来患者数は県内随一とのこと。

お次は、「精神科救急病棟」を案内していただきました。どんな特徴の病棟なんですか？「一番の特徴は、24時間365日体制で救急患者様を受け入れ、短期集中治療で早期退院に導く関わりをしていることで、入院患者様の6割以上が3カ月以内に退院しています。また、看護師の配置基準が10：1と、他の病棟よりも手厚く、病室の半分以上が個室で、患者様一人ひとりとじっくり向き合える環境も整えています」。

スタッフステーションに伺うと、多職種カンファレンスが行われていました。「疾患別のクリ二カルパス（治療計画）を導入し、各病棟で週に一度のパスカンファレンスを行っています。医師・看護師・作業療法士・精神保健福祉士・臨床心理士・薬剤師・管理栄養士などが参加し、治療・生活・退院後の課題などを話し合っていて、スムーズな退院を支えるために、各職種が患者様への退院指導勉強会なども開催しています」と、皆さん。

つづいて、新人看護師さんの指導の様子を見学させていただきました。「新卒者にも中途入職者にもプリセプターの先輩が付き、チェックリストを活用しながら、こんなふうにマンツーマンのOJTを行っています。精神科未経験の方でも安心して働けるように、基礎から丁寧な指導を行っていて、教育委員会による新人研修や、医師・認定看護師による専門講義も充実させているんですよ」と、チーフたち。

研修室を覗くと、CVPPP（包括的暴力防止プログラム）トレーナーの資格を持つ看護師さん（写真左）による研修が行われていました。「当院では暴力防止委員会を発足し、不穏・興奮状態にある患者様の尊厳を守り、安全性を確保しながら適切なケアにあたるための訓練を積んでいます。行動制限最小化にも取り組み、患者様にもスタッフにも安心・安全な環境づくりを進めています」と、CVPPPトレーナーさん。

お次は、精神科認定看護師さんと、認定看護師の資格試験を受験予定の看護師さんにお会いしました。「当院には3名の精神科認定看護師が在籍していて（2024年8月）、院内回診や講義の日程を決めたり、院外での講演活動の内容を院内で伝達したりしています。当院は資格取得支援が手厚く、研修参加のためのシフト調整、研修費用の負担、研修中の基本給の支給、取得後の活躍の場の提供などのサポートが受けられるんです」と、皆さん。

高齢者病棟に行くと、ケアワーカーの皆さんが集まってくれました。「ケアワーカーの主な仕事内容は身体介護や環境整備で、看護師と連携しながら入院患者様の生活を支援しています。無資格・未経験OKなので、介護の仕事に初めて携わるスタッフも多く、外国人スタッフも複数名活躍しているんですよ」と、皆さん。資格手当があり、働きながら介護福祉士資格を取得している方も多いんだとか。

つづいて、ECT（電気痙攣療法）室を案内していただきました。「当院では修正型電気痙攣療法（m-ECT）を導入し、麻酔科医・精神科医・看護師が連携してECT治療を施行しています。また、2022年には治療抵抗性統合失調症の薬剤治療（クロザピン治療）ができる医療機関となり、その入院治療・専門外来にも対応しているんです」。各種専門療法を充実させるために、新しい取り組みも積極的に導入しているのだとか。

お次は、新人研修の様子を見学しました。学びも業務の一環として捉え、院内研修は勤務時間内に行うことが多いそうです。「1年間にわたる新人研修は全職種合同のテーマも充実させて、多職種連携教育を重視しています。2024年度には自己学習支援としてeラーニングを導入し、近い将来にはクリニカルラダーを構築して継続教育をより強化する方針です」とのこと。

病院を出て、関連施設の「訪問看護ステーション」へ。「退院後のサポートは、訪問看護師にバトンタッチ。介入ニーズが多いので、2019年には事業所の数を増やし、対応エリアも久喜市内だけでなく、さいたま市・羽生市・古河市方面まで拡大して、病院から訪問看護事業所への異動希望者も募っています」と、チーフたち。関連施設のデイケア・クリニックなどに異動したい際も、相談に乗ってもらえるそうです。

歩いてすぐの場所には、「リハビリテーションセンター　それいゆ」がありました。こちらでは、重度認知症デイケアと精神科デイケアを開設しているそうです。「退院後の患者様やご家族が不安を感じないよう、当法人では在宅生活を支える施設も充実させていて、当院と密な連携体制を築いています。訪問看護ステーションやデイケアの他にも、クリニック・グループホーム・地域生活支援センターなどがあるんですよ」。

近隣には、子育て中のママ・パパに人気の保育室があります。「保育料は1日500円とリーズナブルで、毎日のお散歩や季節行事も充実しています。子どもが小さいうちは日勤常勤・時短勤務・パート勤務の選択もできますし、残業がほとんどなく、日勤はゆっくり9時スタートという職場なので、看護部には子育て世代がとても多いです」。結婚・出産後も安心して働けますね！今日はありがとうございました。