患者様の在宅復帰を目指すリハビリ病院では、医療的な知識・技術だけではなく、「退院後の暮らし」を想定した関わりも求められます。全床が回復期リハビリテーション病棟の「川越リハビリテーション病院」では、スタッフの趣味や家事のスキルを活かして、高い在宅復帰率を維持しているとのこと。働きやすさが整った職場なので、子育て中のママさんもたくさん活躍しているそうです。さっそく見学に行って、働く魅力をチェックしてきます!
- 形 態
- リハビリテーション病院
- 所在地
- 埼玉県川越市/川越駅
- 病床数
- 151床(回復期リハビリテーション病棟)
玄関
JR「川越駅」周辺は、デパート、スーパー、文化施設に加えて、保育園や学校などの子育て環境も充実したエリア。駅の西口から出ている「川越リハビリテーション病院」行きの無料送迎バスに乗ると、10分ほどで到着しました。玄関で迎えてくれたのは、看護師の桑田さん。「駅から少し離れているので、マイカー通勤もOKなんです。近くの瑞穂会の病院『城南中央病院』内に、法人合同の保育室があり、お子さんと一緒に車通勤をしているママさんも多いんですよ」。
玄関の花壇
玄関前で、花壇のお手入れをしている稲川看護部長を発見!「こちらの花壇は、園芸が趣味の看護部長が中心となって管理しています。最近、部長がお花を全て植え替えて、イメージチェンジをしてくれたばかりで、患者様やご家族から大好評なんです」と、桑田さん。看護部長自ら、自分の特技を患者様のために活かすことを示してくれているんですね。
病棟
お次は病棟で、ママさん看護師のお2人を紹介していただきました。「年間公休114日に加えて、有休消化率ほぼ100%と休みが多く、残業が少ない職場なので、仕事と子育ての両立もバッチリ!当院では、看護師も積極的に生活リハビリに携わっていて、主婦の目線から見た家事動作の提案や、身近な物を取り入れた自宅介護の提案なども行っているんです」と、お2人。例えば、どんな取り組みをしているのでしょう?
病棟
「こんなふうに、コーヒー粉とトロミ剤を混ぜると食器の汚れが再現できるので、食器をキレイに洗えるようになる訓練にぴったり。入院患者様は脳梗塞の後遺症で片麻痺の方が多いのですが、退院後に家庭の中で役割が持てるように、家事動作訓練には特に力を注いでいます」と、お2人。ママさんナース達のアイディアで、100円ショップで材料を揃え、手作りのリハビリグッズの作成にも取り組んでいるそうです。
ロビー
ロビーには、家族教室のお知らせポスターが掲示されていました。「在宅復帰にはご家族の協力が不可欠なので、ご家族向けの『家族教室』を定期的に開催し、退院指導を行っているんです。指導テーマは、日常生活における介助方法や、薬の管理の注意点、脳卒中や嚥下障害などに関する専門知識などで、関係する各職種が講師役を務めています」と、桑田さん。素晴らしい取り組みですね。
スタッフステーション
スタッフステーションでは、新人さんが先輩の指導を受けていました。「回復期の看護が未経験の方でも活躍できるように、入職後は教育担当の先輩を付け、マンツーマンのOJTを行っています。育児経験を持つ看護師が多いので、新人さんを励ましながら、成長を温かく見守る指導力には自信があります!長いブランクがある方の復職も、しっかりサポートしているので安心してくださいね」と、教育担当者。
スタッフステーション
「看護部では、スキルアップ支援として『eラーニング』を導入し、各人の都合の良い時間・場所での自己学習も推進しています。ここ数年の間に、医療と介護の連携がますます求められるようになったので、介護職向けの配信プログラムも導入しました」と、紹介してくれました。2020年度からは、新型コロナウイルスの感染防止対策として、eラーニングや看護協会主催のリモート研修などを多用するようになったのだとか。
リハビリテーション室
お次は、最上階のリハビリテーション室へ。「当院では個別リハビリを充実させるため、基準人員数を超えるリハビリスタッフを採用し、地域屈指の広さを誇るリハビリスペースを確保しています。こちらは、PTがメインで活躍する理学療法フロアで、ほかにも、言語聴覚室や作業療法室もあるんです」。多くのリハビリスタッフの活躍で、現在の在宅復帰率は約84%という高い割合をキープしているんだとか(2020年10月)。
リハビリテーション室
つづいて、リハビリテーション科の副主任さんを紹介していただきました。リハビリテーション科には 何名のスタッフが在籍しているんですか?「PT78名、OT25名、ST12名と、合わせて115名が在籍しています(2020年10月)。キャリアアップのために、外部の研修・学会に参加するスタッフも多く、ケアマネージャーや呼吸療法認定士、認知症ケア専門士、福祉住環境コーディネーターなど、さまざまな認定資格を持つスペシャリストも多いです」と、副主任さん。
スタッフステーション
スタッフステーションに戻り、多職種カンファレンスの様子を見学させていただくことに。「当院では、1日も早い在宅復帰を目標に、多様な専門職の角度から『患者様に必要な支援』を検討し、治療・リハビリ計画を立案しています。各病棟には、医師や看護師、介護スタッフだけでなく、担当のリハビリスタッフ、相談員、薬剤師、栄養士なども配置されているため、職種を越えた連携がスムーズで、チーム医療が実践しやすいんです」と、皆さん。
病棟
最後は、多職種の皆さんが笑顔で見送ってくれました。「私たちの目標は、患者様の在宅復帰。いつもこんなふうに、元気になった患者様を笑顔でお見送りしています。瑞穂会グループでは、退院後のサポートとして、訪問看護や通所などの在宅医療も展開しているので、退院後も患者様を継続的に支援できているんですよ。」と、皆さん。それは素晴らしい!今日はありがとうございました。
帰り道
――お疲れさまでした。高い在宅復帰率を維持するリハビリ専門病院、いかがでしたか?
- 看護部にはママさんが多く活躍していて、主婦の目線から、患者様が安心して在宅生活が送れるような訓練に取り組んでいました。疾患や障害を抱える患者様と暮らすご家族にも配慮し、本人の自立支援にとどまらず、家族のためにできる家事動作の獲得にも力を注いでいたことが素晴らしいと思いました。
――回復期看護が未経験でも働くことはできるでしょうか?
- はい。入職後のOJT体制も整っていましたし、回復期看護やリハビリに関する院内研修も定期的に開催されるそうです。院外研修は、必要な内容であれば日勤扱いになり、費用も病院に負担してもらえるので、積極的に参加している方が多いそうですよ。
――では、ここはちょっと、という点は?
- 看護部長さんとしては、認定看護師などの資格をもつスタッフを増やして、リハビリ病院としての専門性を高めていきたいそうです。リハビリ看護の分野でキャリアアップを目指したい方は、すごく歓迎してもらえると思います。
――最後に、ここだけの話をひとつお願いします
- ママさん看護師が多く活躍しているので、子育ての相談をし合ったり、洋服のおさがりを譲ってもらったり、ベビーカーやベビーベッドなども、先輩ママから後輩ママへと受け継いでいるんだとか。毎年恒例の「暑気払い」では、同僚の子ども達の成長を見るのが楽しみなんだそうですよ。
家庭での経験を活かして、在宅復帰支援に取り組みたい方
職員間の家族的なつながりを大切にする温かい職場で働きたい方