自分たちの声が職場づくりに反映されたら、働くモチベーションが上がりますよね。でも、現場のニーズを上司に伝えるのって、なかなか大変なことです。千葉県柏市の中核病院として、超急性期~在宅までトータルな医療を展開する「柏厚生総合病院」では、スタッフの声をもとにした職場づくりが進められているのだとか。一体どんな方法でスタッフの要望をくみ上げているのか、見学に行って確かめてきます!
- 形 態
- 一般病院
- 所在地
- 千葉県柏市/柏駅
- 病床数
- 322床
玄関
JRと東武アーバンパークラインが利用できる「柏駅」周辺は、ショッピングやグルメが楽しめるエリア。交通の便も良く、駅前始発で1日約30本ものバスが出ています。駅の西口から、病院の無料送迎バスに乗ること約5分、緑の多い住宅街に囲まれた「柏厚生総合病院」に到着しました。玄関で迎えてくれたのは、看護師さん。今日はよろしくお願いします。
待合ロビー
まずは玄関から待合ロビーへ。外来が混み合っていますね。「当院は診療科目が多く、乳腺外科などの特殊な診療科や、専門外来も充実しているため、毎日たくさんの患者様が来院されます。当院では、来院者数が増えてもサービスの質を落とさないように、患者様にアンケートをお願いして、改善点や要望などを聞いているんですよ」。一体どんな声が集まっているのでしょうか…。
職員棟
アンケートの取り組みについて詳しく教えていただくため、患者様の声を管理している看護部長のもとへ。「アンケートの結果から、院内清掃の強化や、送迎バスの時間変更、入院患者様の入浴回数を増やすなど、いろいろな改善を行ってきました。アンケートには、スタッフへの感謝の言葉も寄せられるため、私達の励みになっているんですよ」と、石井看護部長。スタッフのモチベーションアップにつながりますね。
職員棟
スタッフが職場に要望を伝える機会はありますか?「はい。看護部長が毎年『職員アンケート』を行っているため、部署異動やキャリアアップの相談をすることができます。また、職員棟には『ご意見箱』が設置されていて、要望を書いて投函するだけで、可能な限り体制に反映してくれるんです。最近では、有休を消化するためにリフレッシュ休暇などが導入されました」。それは素晴らしい!
職員食堂
「こちらの職員食堂も、スタッフの要望がカタチになりました」と、別館にある職員食堂を案内していただきました。「メニューは日替わりで4種類あり(カレー、麺類、定食2種)、どれも200~300円で食べられます。食堂の隣には、専門書が充実した図書スペースもあるので、食後によく利用しています」。食堂には、コーヒー、紅茶、緑茶などの無料ドリンクバーや、自由にチョコレートが食べられるお菓子箱まで設置されているんだとか。
別館外観
本館のお隣には、新しい別館が増築されています。「健診センター、内視鏡センター、回復期リハビリテーション病棟が入り、本館と合わせて318床になりました。別館増築後も、手術室の増設や、HCU(8床)や血管撮影室の開設など、高度急性期病院を目指して進化していて、2019年度からは常勤医を10名増員し、新しい診療科目も加わったんですよ」とのこと。
専門外来
外来では、糖尿病療養指導士の資格を持つ看護師さんが、「糖尿病療養指導外来」と「フットケア外来」に取り組んでいました。他にも専門活動を行っていますか?「はい。入院患者様への『糖尿病教室』の開催や、院内研修の講師、関連学会での発表など、さまざまな活動の場を与えてもらってます。看護部には認定看護師も多く、それぞれが専門性を発揮できる活動を行っているんですよ」。
急性期病棟
つづいて急性期病棟へ。ナースステーションでは、緩和ケア認定看護師さん(写真左)が中心となって、カンファレンスを開催していました。「スペシャリストの先輩が身近にいるため、専門指導を直接受けることができて、とても勉強になりす。看護部には、認定看護師や認定資格者による『看護の質向上委員会』も設置されていて、より質の高いケアを提供していけるように取り組んでいるんです」と、看護師さん。
回復期リハビリテーション病棟
お次は、回復期リハビリテーション病棟へやってきました。「回復期リハビリテーション病棟では、開設から1年足らずで在宅復帰率80%以上を達成し、現在も高い在宅復帰率をキープしています。病棟とリハビリ科の連携が取れていて、術後早期からリハビリスタッフが介入してくれるため、機能回復が早まり、入院期間が短縮されているんです」。職種を越えたチームワークを発揮しているんですね。
ナースステーション
つづいて、教育委員会の方を紹介していただきました。教育委員会でも、スタッフの声を取り入れていますか?「もちろんです。指導する側・される側の声を集めて、良いアイディアは教育制度に反映しています。また、研修プログラムも毎年少しずつ改定を加えていて、常により良い学びができるように取り組んでいるんです。そうだ、これから研修が始まるので、良かったら見学していきませんか?」。ぜひぜひ!
研修室
と、いうことで、最後は研修室にやってきました。院内研修はどのくらいの頻度で開催していますか?「月1~2回で、スタッフの負担を考慮して、ほとんどの研修を勤務時間内に開催しています。また、インターネット上の『オンデマンド研修』の導入や、必要なテーマの外部研修は日勤扱いとし、研修費用も病院が負担するなど、スキルアップを応援しています」とのこと。とてもスタッフ想いな職場ですね!今日はありがとうございました。
帰り道
――お疲れさまでした。現場の声が届く職場、いかがでしたか?
- うわさ通り、現場の声を反映した職場づくりが実施されていました。看護部長をはじめ、管理職の方がスタッフの声に耳を傾ける姿勢なので、体制に反映されやすいのだと思います。自分たちの職場を自分たちでつくっているから、スタッフの皆さんはイキイキしていました。
――患者様の声も大切にしているようでしたね。
- はい。アンケートやカンファレンスなど、患者様の要望にも一生懸命応えていこうという姿勢が伺えました。自分たちの要望が聞いてもらえているからこそ、そんな気持ちになれるのかもしれませんね。
――では、ここはちょっと、という点は?
- 駅までの無料送迎バスの最終便に間に合わなかったらどうするんだろうと思っていましたが、残業時にはタクシーチケットが配られると聞いて安心しました。チケットは、病院全体で1日10枚前後利用されているようです。これも、職員の声に応えての制度だそうです。
――最後に、ここだけの話をひとつお願いします
- 案内してくださった看護師さんは、プライベートでも同じ病棟のメンバーと仲が良く、買い物やご飯に行く機会が多いそうです。休みの希望も通りやすいそうで、去年の冬は、新潟出身の同期の地元へ旅行に行き、スノーボードを楽しんだそうですよ。
現場の要望が通りやすい職場で働きたい方
患者様の声を大切にしている病院で働きたい方