「南埼玉病院」へのアクセスは、「南越谷駅」と病院を結ぶ無料送迎バスに乗り約10分。周囲にはのどかな田園風景が広がっています。玄関で迎えてくれたのは、看護師さん。「最寄り駅から少し離れた立地なので、マイカー通勤のスタッフもたくさんいます。駐車場はすぐ近くに4つあり、いずれも無料で利用できるんですよ。では、院内にご案内しますね」。

まずは、外来フロアで看護部長にお会いしました。こちらの病院では、開放的な環境づくりに取り組んでいるそうですね。「ええ。230床の入院設備のほとんどが開放病棟となっていて、患者様が自由に院内を行き来しています。入院中の制限を最小限に留めているので、在宅復帰・社会復帰につながりやすく、3カ月以内の退院を実現している病棟もあるんですよ」と、看護部長。それは素晴らしい！

病棟に伺うと、多職種の皆さんが集まってくれました。ユニフォームの色がカラフルで、明るい印象ですね。「そうなんです。心を閉ざしがちな精神科患者様にとっては、白衣がベストとは限らないので、スタッフの服装は自由とし、色鮮やかなスクラブを支給しています。患者様と家族や友人のように近い距離感で接していて、Tシャツやジーパンなどの私服で働くスタッフもいるんですよ」。

スタッフステーションでは、新人指導が行われていました。「入職後は、新卒者にも中途入職者にもサポート役の先輩が付き、こんなふうにマンツーマンの丁寧な指導を行っています。当院では、看護実習を受け入れるために実習指導者の資格を持つスタッフが多くいて、新人さんにもきめ細かい教育サポートを行うことができます。勉強会は月に3～4回さまざまなテーマで実施しているので、未経験からでも着実にスキルアップができます」。

「看護部には、部長をはじめ、たくさんの男性スタッフが活躍しています」と、紹介してくれました。どのくらいの割合ですか？「看護部全体の3割以上は男性です。患者様の中には病気のせいで落ち着きのない方もいらっしゃるので、一般病院よりも男性看護師が頼りにされる場面は多いと思います」と、男性看護師の皆さん。

お次は、退院前カンファレンスが行われているスタッフステーションへ。「患者様のスムーズな在宅復帰・社会復帰を応援するために、退院支援に力を注ぎ、多職種チームで取り組んでいます。精神科の患者様は、退院後の生活を支援するサービスの導入や、住宅改修などの環境整備が必要な方も多いので、入院中からどのような準備が必要か検討しているんですよ」と、皆さん。

駐車場で、退院支援の一環として行っている『退院前訪問』へ向かう精神保健福祉士さんを見送りました。「医師・精神保健福祉士と共に病棟看護師も退院を控えた患者様のご自宅を訪問して、在宅でどのような支援が必要かを検討しています。住居内のチェックはもちろん、生活に必要な商店・銀行などの所在地の確認や、ゴミ出しの日などの地域のルールの確認、ご家族に対する指導など、さまざまな調整を行います」。

集団療法室では、リハビリが行われています。「当院には多くの作業療法士が活躍していて、社会復帰を目指すリハビリプログラムを充実させています。リハビリ中は、病棟では見られない患者様の一面や意外な能力を発見できるチャンスなので、それらを職種間で共有することで、日々のケアに役立てています」。他職種と連携する場面も多いんですね。

スタッフステーションの一角で、看護師さんが記録業務を行っていました。「当院は働きやすい環境づくりに力を注いでいて、電子カルテの導入で業務効率アップを図っています」とのこと。「残業はほぼありませんし、5日間出せる希望休はほとんど通り、有休も積極的に消化できています。プライベートや家庭を大切にしながら働ける環境です」。

お次は、併設の「ましもり訪問看護ステーション」を案内していただきました。「当院には、退院後の生活サポートを担う『訪問看護ステーション』と『精神科デイケア』が併設されていて、在宅でも心穏やかな暮らしが送れるように支援しています」。県内には2つのサテライトクリニックもあり、病院勤務だけでなく、訪問看護ステーションやクリニック勤務も希望できるそうです。

最後は職員食堂へ。「栄養バランスばっちりなランチが1食300円で食べられて、大人気です。食事を楽しみにしている患者様が多いので、栄養科では毎月1度『イベントメニュー』を企画し、季節行事にちなんだ料理や、世界中の個性溢れる料理やを提供しています。スタッフも同じメニューを食べることができるんですよ。こちらはお正月の行事食の写真です」。おいしそう！今日はありがとうございました。