良い仕事をするには、心にゆとりを持つことが大切。でも、心のゆとりは、時間に余裕がなければ生まれませんよね。精神科病院の「多摩中央病院」では「ゆとりある職場づくり」を重視し、年齢を重ねても、ライフスタイルが変化しても働き続けられる環境を整えているとのこと。より魅力ある職場を目指して、新しい取り組みも積極的に取り入れているらしいので、さっそく見学に行って確かめてきます!
- 形 態
- 精神科病院
- 所在地
- 東京都多摩市/聖蹟桜ヶ丘駅
- 病床数
- 349床
玄関
多摩中央病院へのアクセスは、「聖蹟桜ヶ丘駅」と「永山駅」からの送迎バスが便利。敷地内には広い職員用駐車場(月1000円)もあるため、車通勤も可能です。周辺は川や丘陵などの自然に恵まれていますが、「聖蹟桜ヶ丘駅」からは「新宿駅」まで25分と都心にも気軽に出られます。玄関では、訪問看護師さん(写真左)と病棟看護師さん(写真右)が迎えてくれました。「ようこそ!今日は自慢の職場をたっぷりご紹介します」。
看護部長室
まずは、看護部長(写真中央)と2名の副看護部長を紹介していただきました。「2023年度に看護部は体制を一新し、多様な人材がいきいきと活躍できる職場づくりに取り組んでいます。個々の頑張り・実力をきちんと給与に反映する人事評価制度や、手厚い子育てサポート、年間127日以上の公休など、さまざまな働きやすさを整えているほか、定年退職前後のプラチナナースの活躍も応援しているんですよ」と、管理職の皆さん。
医療安全員会の様子
お次は、医療安全委員会の様子を見学させていただきました。「精神保健福祉法の改正に伴い、院内の虐待防止対策をより強化していこうと、医療安全委員会が中心となって体制整備を進めています。看護部では、2024年度の目標の一つに『接遇力の向上』を掲げて、患者様への不適切な言葉遣いを未然に防ぐため、外部講師による接遇研修の開催も予定しています」と、お2人。素晴らしい取り組みですね。
会議室
会議室に伺うと、看護師長たちが集まっていました。「管理職の横のつながりを深めるため、このような師長会を毎月行い、職場改善に向けた話し合いを行っています。近年、最も力を入れているのは『新入職員の職場定着化』で、精神科が未経験で入職したスタッフも精神科看護が好きになり、長く活躍してもらえるように、入職後は手厚いサポートを行い、定期的な師長面談でキャリアの相談にも乗っていきたいと考えています」と、皆さん。
スタッフステーション
つづいて、精神科認定看護師のお2人にお会いしました。職場の資格取得支援は整っていますか?「はい。2年間の研修期間中は、通学に合わせて勤務を調整してもらえて助かりました。資格取得後も、学んだ知識を仕事に活かせるような環境を整えていただいたり、後輩の指導に携わったりと、さまざまな場面で専門性を発揮できています」と、お2人。現在、3名の精神科認定看護師が在籍しているそうです(2024年3月現在)。
スタッフステーション
つづいて、新入職員へのOJTの様子を見学させていただきました。「入職後は、新卒者にも中途入職者にもサポート役の先輩が付き、業務に慣れるまでマンツーマンの丁寧な指導を行ってます。指導内容・指導期間などは個別に対応していて、はじめて精神科看護に携わる方には特に丁寧なサポートを心がけています」と、お2人。看護部では、精神科が未経験の方の入職も大歓迎とのこと。
慢性期病棟
慢性期病棟には、プラチナナースの皆さんもいきいきと活躍していました。「看護部では40代以上の方の入職も歓迎し、定年後の最大継続雇用を70歳から75歳へと延長しました。年齢を重ねたスタッフの『第2の看護人生』を輝かせるお手伝いをするために、慌ただしさのない慢性期病棟に優先的に配属し、これまでの経験を活かした看護を展開してもらっています」。多様な人材が活躍しているのですね。
訪問看護室
つづいて、訪問看護室へ。「在宅支援として、当院を退院後、あるいは外来通院中の患者様のみを対象とした『みなし訪問看護』を提供しています。私の場合、入職当初は病棟勤務でしたが、在宅医療に興味がわいて訪問看護室へ異動しました」と、訪問看護師さん。「敷地内には精神科デイケアも併設しているので、在宅領域に興味がある方も大歓迎ですよ」。
スタッフステーション前
お次は、子育て中のスタッフさんたちを紹介していただきました。仕事と子育ての両立は順調ですか?「はい。家庭の状況や体調に合わせて、日勤常勤・時短勤務・パート勤務の選択もでき、平日のみの勤務や夜勤回数の相談にも柔軟に対応してもらえるので、子育て中はもちろん、妊活中や妊娠中も安心の職場です。女性だけでなく男性職員の育休取得実績も増えていて、小さなお子さんを持つパパさんもたくさん活躍しています」と、皆さん。
病室
病室を覗くと、看護助手さんが活躍していました。「入院患者様の高齢化に伴い、食事介助・おむつ交換・入浴介助などの生活支援が必要な方が増えているので、今後は各病棟に看護助手を手厚く配置していきたいと考えています。看護助手は無資格・未経験の方も大歓迎で、介護に関する専門性は入職後に身に付けられるように指導していますし、働きながら准看護師・看護師の資格取得を目指したい方も応援しています」と、お2人。
研修室
最後は、2023年度に設置した研修室へ。「スキルアップ支援として、Zoomを活用したオンライン研修を実施していて、2024年度にはeラーニングも導入予定です。常に高い目標を持って仕事に取り組んでもらえるように、近い将来には看護助手・准看護師から看護師を目指す方への奨学金制度の確立も検討中なんですよ」と、お2人。今後もさらにスキルアップ・キャリアアップ環境が充実していきそうですね。今日はありがとうございました。
帰り道
- ――お疲れさまでした。心にゆとりを持って働ける精神科病院、いかがでしたか?
- 公休と有休を合わせると年間127日以上お休みがある上に、残業もほとんどなく、ワークライフバランスを大切にしながら心にゆとりを持って働ける環境です。看護部には、幅広い年齢層・キャリアのスタッフが在籍していて、精神科未経験者も安心して仕事を覚えていけるようサポートしてもらえますし、子育て中の方や、セカンドキャリアを磨きたい方も歓迎しているのだとか。
- ――教育サポートはどうですか?
- 入職後は、新卒者にも中途入職者にもマンツーマンのOJT体制が用意されていて、院内外の研修に参加しやすい体制や、資格取得などのキャリア支援制度もしっかり整っています。eラーニングの導入も決まっていて、今後もさらに充実させていく方針とのことでした。
- ――では、ここはちょっと、という点は?
- 精神科病院では一般的な看護技術は身に付かないかな?と考えていましたが、内科医師も在籍し、身体合併症管理にも対応しているとのこと。新卒者・第2新卒者が入職した場合には、精神科看護に関する学びに加えて、基礎看護もしっかり身に付けられるようにサポートしているそうですよ。
- ――最後に、ここだけの話をひとつお願いします
- 外部研修・学会の費用負担とは別に、年間上限5000円の「自己研鑽補助制度」が整っていて、多様な用途に利用可能とのこと。精神科看護に関する専門書籍の購入はもちろん、接遇について学ぶためにホスピタリティ評価が高い施設の利用などにあてることもできるそうで、スタッフの皆さんから好評なのだそうです。
休みの多い職場で、プライベートを大切にしながら働きたい方
未経験から精神科看護に挑戦したい方