大規模な災害が発生した時、「看護師として力になりたい」と考えたことはないでしょうか。伯鳳会グループの「東京曳舟病院」は、地域屈指の救急搬送の受け入れ件数を誇り、東京都指定の災害拠点病院・DMAT(災害派遣医療チーム)指定病院として、高度な救急医療を展開しているんだとか。救急医療・災害医療に特化した教育体制を整え、災害救護活動に従事する隊員を数多く育成しているらしいので、さっそく見学に行って働く魅力を見つけてきます。
- 形 態
- 一般病院
- 所在地
- 東京都墨田区/曳舟駅
- 病床数
- 200床
正面玄関
「東京曳舟病院」があるのは、東京スカイツリーライン「曳舟駅」に直結したビルの中。玄関では、救急看護認定看護師として救急センターで活躍する入職10年目の看護師さんが迎えてくれました。「ようこそ!救急・災害医療に力を注ぐ当院は成長・発展を続けていて、看護部には多様な分野のスペシャリストが活躍しています。最新設備も充実していて働きやすさも整っていますから、今日はゆっくり見学していってくださいね」。
駅直結側の玄関
駅直結型の病院って、珍しいですよね。「ええ。外の正面玄関の他に、駅構内からアクセスできる出入口もあるんですよ」と、駅直結側の玄関も紹介していただきました。「当院の開院と同時期に、駅ナカ商業施設『EQUIA(エキア)曳舟』もオープンしたので、とても便利です」。駅ナカ商業施設には、コンビニ・飲食店・カフェなどが充実していて、出勤前や仕事帰りに気軽に立ち寄れるそうです。
救急センター搬送口
つづいて、救急センターの搬送口へ。救急医療にとても力を注いでいるそうですが、年間どのくらいの救急搬送を受け入れているんですか?「現在は年間約8000台の救急搬送を受け入れていて(2023年2月)、都内の民間病院の中ではトップクラスの実績です。救急センター内には救急専用ベッドを12床設け、3名のNP(診療看護師)も活躍しており、今後は年間1万台の救急車の受け入れを目標に取り組んでいます」。
救急救命センター
救急センターの中へ入り、病院スタッフとして活躍する救急救命士さんたちを紹介していただきました。「日によっては救急車が3~4台重なってしまうこともあるのですが、当院では約20名の救急救命士を病院スタッフとして採用し、医師や看護師とチームプレーを発揮しています」と、看護師さん。救急救命士さんも、看護師と一緒にトリアージ講習会や災害訓練などに積極的に参加しているそうです。
病棟
病棟に行き、看護部のスペシャリストの皆さんを紹介していただきました。「キャリア支援として、外部研修への参加や資格取得をサポートしているので、さまざまな領域の認定看護師や、東京DMAT・日本DMAT・AMAT・JMATなどの災害救護活動に従事する隊員が活躍しています」。在籍する認定看護師の分野は、感染管理、集中ケア、救急看護、皮膚・排泄ケアなどで、特定行為研修も修了した特定認定看護師も専門性を発揮しているとのこと。
廊下
院内を歩いていると、古市看護部長にばったり遭遇。病院の特徴について、詳しく教えて欲しいです。「高度かつ専門的な医療を展開するため、ハイブリッド手術室を含む4室の手術室を完備し、手術件数を年々伸ばしています。ICUやSCUなどの集中治療室も設け、重症患者様への集中治療体制も強化しているほか、ICT(感染対策チーム)が中心となって新型コロナの感染対策も徹底しています」と、看護部長。
ハイブリッド手術室
今日は特別に、ハイブリッド手術室を見学させていただきました。普通の手術室と何が違うんですか?「手術台に、心・脳血管X線撮影装置が造設されていて、脳梗塞などの脳血管疾患や、心臓の血管の狭窄部を広げる治療に適しています。だから最近では、脳神経外科や循環器疾患への救急対応にも積極的に取り組んでいるんですよ」と、看護師さん。
人工透析室
お次は、人工透析室へやってきました。「透析ベッドの数は全部で24台。午前・午後の治療はもちろん、駅直結型の立地環境を活かして、日中お仕事をされている透析患者様のための『夜間透析』にも取り組んでいます。また、出張・旅行・帰省時などの臨時透析にも対応していることが特徴です」。さまざまな透析医療ニーズに応えているんですね。
ナースステーション
「こちらのお2人は、子育て中のママさんです」と、紹介してくれました。職場の子育てサポートは整っていますか?「はい、すごく充実しています。病院の近くに保育室がありますし、子どもが小さいうちは、日勤常勤・時短勤務・パート勤務も選べるので、産休・育休取得後の復帰率がとても高いです。救急に力を注ぐ病院なので、勤務中の忙しさはありますが、残業はほとんど発生していません」と、お2人。
研修室
「こちらは、災害時の初期医療を学ぶ防災訓練の様子です」と、写真を見せてくれました。救急や災害医療に関する研修は充実していますか?「基礎看護を学ぶプログラムに加えて、救急医療・災害医療の最新知識をeラーニングで学べる体制が整っています。また、地域の病院職員を対象に災害医療研修を企画したり、JPTEC(外傷病院前救護)、ICLS(蘇生トレーニング)、AEDなどの認定資格の取得も推進しています」。
病棟
最後は、看護部の皆さんが集まってくれました。「当院には、救急医療・災害医療に熱く取り組む仲間が集まっていて、災害救護活動に従事できる隊員が約60名在籍しています(2023年2月)。また、看護部では教育研究支援室を設け、キャリアラダーに随時プログラムを追加しながら継続教育の充実に取り組んでいるんですよ」と、皆さん。今後もさまざまなスペシャリストが誕生しそうですね。今日はありがとうございました。
帰り道
――お疲れさまでした。新築移転した救急指定病院、いかがでしたか?
- うわさ通り、高度な救急医療の提供のために成長・発展を続けている病院でした。年間約8000台の救急搬送を受け入れながら、災害時医療支援にも積極的に取り組んでいて、救急医療・災害医療分野のスキルを磨きたい方にはピッタリの職場です。「曳舟駅」直結という立地も魅力でしたし、子育てサポートも充実していて、やりがいも働きやすさも整った職場でした。
――DMATの派遣要請は、どのくらいの頻度で来るのでしょう?
- 最近は新型コロナの関係で要請が減っているそうですが、主に日本DMATと東京DMATの要請に応じていて、月2~3回だそうです。東京DMATは、自然災害だけでなく、都内の工事現場の事故や、大規模な交通事故が起きた際も出動要請がかかるそうです。
――では、ここはちょっと、という点は?
- 「忙しさが苦手で、のんびり働きたい」という方には向いていない職場かもしれません。ONとOFFのメリハリを大切に、仕事にやりがいを感じながらキャリアを磨いていきたいという方にオススメの職場です。
――最後に、ここだけの話をひとつお願いします
- 災害現場へのDMAT隊員の派遣は、職員数の多い大規模な病院では、なかなか派遣される順番が回って来ないのだとか。東京曳舟病院のような中規模病院の方が、災害現場に派遣される機会が多いそうですよ。
救急医療・災害医療に関心がある方
仕事のやりがいや、キャリア形成を重視している方