高齢化の進展とともに、多くの病院で医療と介護の連携強化が進んでいます。上尾中央医科グループ(AMG)の「埼玉回生病院」は、地域屈指の療養病床数を誇り、看護師とほぼ同数の介護職が活躍しているとのこと。看護師と介護職が良きパートナーとして対等な立場でお互いを支え合い、質の高いケアと働きやすさを実現しているそうなので、さっそく見学に行ってその魅力を見てきます。
- 形 態
- 療養型病院
- 所在地
- 埼玉県八潮市/八潮駅
- 病床数
- 311床(医療療養病棟277床・地域包括ケア病床34床)
玄関
「埼玉回生病院」へのアクセスは、つくばエクスプレス「八潮駅」北口から徒歩7分。「八潮駅」は隣駅が東京都で、都心へのアクセスの良い立地です。病院玄関で迎えてくれのは、入職3年目の看護師さん。「お一人おひとりと向き合う看護がしたい」という想いで新卒として入職。現在は新人さんにとっての頼れる先輩として活躍されているそう。本日はよろしくお願いします!
ロビー
まずは、看護部長さんにお会いしました。スタッフに対して心がけていることはありますか?「看護部にはさまざまな年齢・性別・国籍の仲間が集まっているので、一人ひとりの個性を尊重し、自分らしい働き方ができるように応援しています。忙しい急性期病院は不向きと感じて当院に入職する方も多いので、心に余裕を持って働ける環境を整え、私生活も大事にできる職場づくりを心がけています」と、看護部長。
院内歯科
お次は、院内歯科を案内していただきました。「高齢患者様の口腔ケアはとても大切なので、歯科医師と歯科衛生士が院内に常駐しているのは心強いです。各病棟と連携して口腔ケアラウンドを定期的に実施していて、口腔機能の向上や、誤嚥性肺炎予防に努めています」。歯科スタッフも、チーム医療の一員として活躍しているんですね。
スタッフステーション
つづいて、多職種カンファレンス中のスタッフステーションへ。「入院患者様は長期療養目的の高齢者の方が中心で、当院で看取りを希望される方も多く、『いかに安楽に最期を迎えていただくか』という視点を持って関わっています。生活支援や身体介助に携わる看護師や介護職は、患者様の小さなサインを日々観察していて、カンファレンスではその方特有のサインなどを他職種に共有しています」と、看護師さん。
スタッフステーション
新人さんからの質問を受けた看護師さんが、新人指導を行っています。1対1の丁寧な指導が受けられるんですね。「ええ、看護部では『チューターシップ・チーム支援型』のOJTを採用し、チューター(教育実施者)とともに病棟スタッフ全員が新人指導に関わっています。どの先輩に質問しても的確な指示がもらえますし、いろいろな先輩の仕事の進め方が学べるので、新人さんの視野が広がりやすいんです」と、看護師さん。
スタッフステーション
教育委員会に所属している看護係長さんに、キャリアラダーを見せていただきました。「AMGでは、看護師にも介護職にもラダーを構築し、レベルに応じた研修が受講できる環境を整えています。2021年度からはセルフキャリアドック制度も導入され、個々のキャリアを充実させるための研修や、外部コンサルタントと面談する機会もあります」と、看護係長さん。
デイルーム
デイルームに伺うと、介護係長さんが患者様と向き合っていました。介護職にはどのような教育を行っていますか?「入職後は、研修病棟での実習期間を設けていて、そこで職場のルールや業務の流れ、介護の基本知識・技術を身に付けてから配属病棟での勤務にうつります。配属病棟でも、業務に慣れるまで指導係の先輩が付いて1対1のOJTを行っているので、無資格・未経験の方でも安心して働くことができます」と、介護係長さん。
通所リハビリテーション
つづいて、通所リハビリテーション(デイケア)へ。こちらではどのような取り組みを?「リハビリ専門職による集団および個別リハビリを行っています。入浴動作練習や筋力トレーニングなどを行う中で、介護職が常に見守り介助に入っています」と、看護師さん。「通所リハビリは看護部が管轄していますので、介護職に対する通所リハビリについての教育や研修を、看護部にてしっかり行っています」。
職員食堂
お次は、スタッフの皆さんに大人気の職員食堂へ。「職員食堂のランチはバイキング形式で、こんなふうに毎回いろいろなおかずを食べられるので、栄養バランスばっちりです。1食462円とリーズナブルな上にとても美味しいですし、バイキングなのでたくさん食べたい人も満足できます」。好きなものを好きなだけ食べられるのは嬉しいですね!
院内保育室
院内保育室は多職種が利用していて、仕事の合間にお子さんの様子が見られるようにガラス張りの設計となっています。「当院は残業が少なく、年間120日(+有休)もお休みがあるので、結婚・出産後も仕事を続けやすく、どの部署にも子育て中のスタッフが多いです。お子さんが小さいうちは、日勤常勤・時短勤務・パート勤務を選ぶこともできて、お子さんの急な体調不良によるお休みにも理解があります」。
病棟
最後は、多職種の皆さんが集まってくれました。和気あいあいとした雰囲気で、職種の壁を感じませんね。「そうなんです。気さくで明るいメンバーばかりなので、誰とでも気軽にコミュニケーションを図りやすく、人間関係が良好です。他職種と良い関係が築けていると、業務分担や情報共有がスムーズに進み、患者様への質の高いケアにつながります」と、皆さん。それは素晴らしいですね。今日はありがとうございました。
帰り道
――お疲れさまでした。看護師とほぼ同数の介護職が活躍する病院、いかがでしたか?
- 長期療養目的の高齢患者様が多いので、看護師も介護的業務を担い、介護職と協力し合って穏やかな療養生活を支えていました。また、現在は、地域包括ケア病棟の在宅支援を更に強化することを目標に、さまざまな取り組みを行っているそうです。
――働きやすさはどうですか?
- 比較的容態の落ち着いた患者様が中心なので、業務に追われるような慌ただしさがなく、心に余裕を持って働くことができます。緊急入院がないので、残業はほとんどなく、希望休も通りやすいそうで、家庭やプライベートを大切にしたい方にはぴったりの職場です。
――では、ここはちょっと、というところは?
- 看取りに携わる機会も多いので、患者様が元気に退院していく姿を見届けたいという方には不向きだと思います。スタッフの皆さんは、患者様の人生の最期を支える役割を担うことにやりがいと誇りを感じていました。
――最後に、ここだけの話をひとつお願いします
- 看護部長は、職場改革の一環として、夜勤時の人員体制を手厚くしたそうです。現在の夜勤帯は1病棟につき看護師2名・介護職1名の3名体制になったので、休憩時間もしっかり確保できるようになったとのこと。
看護師と介護職の関係性が良い職場で働きたい方
患者様とじっくり向き合える療養型病院で働きたい方