毎日気持ち良く働くために、仕事仲間と良い関係を築くことは大切ですよね。苑田会グループの「足立十全病院」は、重症度が高い慢性期の患者様の長期療養を支えていくため、職種を超えた連携やチームワークを大切にしているそうです。看護部には仕事と家庭を両立しながら長く定着するメンバーが多いそうなので、さっそく見学に行って働く魅力をチェックしてきます!
- 形 態
- 一般病院
- 所在地
- 東京都足立区/竹ノ塚駅
- 病床数
- 110床
玄関
「足立十全病院」へのアクセスは、「竹ノ塚駅」から徒歩約18分。病院の目の前には「竹ノ塚中学校東」バス停があり、徒歩5分圏内に「足立清掃工場前」バス停や「北保木間」バス停もあるので、バス通勤も便利です。玄関で迎えてくれたのは、入職12年目の看護師長さん。「ようこそ!今日は自慢の職場をたっぷりとご紹介しますね」。
看護部長室
まずは、園田看護部長にお会いしました。スタッフに対して心がけていることはありますか?「無理なく仕事を続けられるよう、家庭の事情にも寄り添いたいと思っています。子育てや家族の介護をしながら働く仲間が多いので、ワークライフバランスに十分配慮し、休みの希望にはできる限り応えているんですよ」と、シフト表を見せてくれました。家庭の事情による急な勤務変更も理解し、介護休暇の取得実績もあるそうです。
病室
病室に行くと、新人看護師さん(写真左)が臨床工学技士さんから人工呼吸器操作のOJTを受けていました。「入職後のOJTは、プリセプター制度を用意しているほか、各職種から専門的指導を受ける機会も設けています。特に人工呼吸器は、常に20数台稼働している状況で、臨床工学技士がマンツーマンで丁寧なOJTを行っています。実際に病棟で人工呼吸器に携わる際は、先輩ナースが手技を確認してくれます」と、看護師長さん。
病室前
病室前では、看護補助者さんが情報共有を行っていました。「寝たきりで医療依存度が高い患者様が中心なので、看護補助者が『患者様カード』を作成し、個々の容態やケアの注意点などを記載しています。こちらでは今、そのカードに記載された『体位変換時には気管切開チューブなどに配慮する必要あり』との記載をチェックしているところ。ケアにはいる前には必ずこんなふうに確認するようにしているんです」。
スタッフステーション
つづいて、多職種カンファレンスが行われているスタッフステーションへ。「当院では質の高いチーム医療を実践するため、カンファレンスや申し送りに多職種が参加しています。入院患者様は言葉でのコミュニケーションが難しい方が多く、すべての職種が観察力を磨きながら向き合っていて、『普段と何かが違う』と感じたら、すぐに医師や看護師に伝えて適切な支援につなげています」と、皆さん。
廊下
病棟の廊下で、患者様の生活リハビリに介入する理学療法士さんに遭遇。よく病棟を訪れるんですか?「ええ、リハビリテーション室でリハビリを行うだけでなく、病棟でも生活に必要な動作訓練を実施しています。看護師さんが忙しそうな時には、私たちセラピストが食事介助やトイレ介助を行うなど、病棟の状況を見ながら動いています」と、理学療法士さん。それは素晴らしい!
薬剤室
薬剤室に行ってみると、薬剤師さんが調剤業務を行っていました。「当院では看護師の業務負担軽減のために各病棟に担当薬剤師を配置し、病棟の医薬品管理や与薬サポート、服薬指導などを行っています。私たち看護師がスムーズにケアに入れるように薬剤を準備してくれたり、副作用などの情報を詳しく説明してくれたり、薬剤師さんにはいつも助けられているんですよ」と、看護師長さん。
スタッフステーション
スタッフステーションに戻ると、看護師さんがeラーニングで使用するタブレットを見せてくれました。「新型コロナ対策として、大人数の集合研修はなるべく控え、eラーニングを積極的に活用しています。業務に必要な学びは勤務時間内にeラーニングで受講する時間が設けられていて、自宅でも個人のスマホから興味のあるテーマを選んで受講することができるんですよ」。
浴室
お次は、介護用シャワーバスを備える浴室へ。「介護する側・される側の負担を少しでも軽減していけるよう、寝たきりの患者様でも無理なく入浴できるストレッチャー式のシャワーバスを導入しています。患者様は全身がシャワーバスのお湯に包まれて、とても気持ちが良さそうですし、スタッフは無理のない姿勢で入浴介助ができています」。
透析室
つづいて、透析室へ。透析機器は全7台と小規模ですが、1日2クール体制で入院透析と外来透析に対応しています。「入院透析は重症度の高い方が中心で、外来透析は苑田会グループのサ高住の入居者様が多く、全介助の方から比較的自立度の高い方まで、さまざまな透析患者様と接する機会があります」。透析室にはベテラン臨床工学技士が在籍し、看護師とチームを組んで働いているんだとか。
病棟
最後は、病棟に多職種の皆さんが集まってくれました。職種間の協力体制が素晴らしいですね。「一つのチームとして同じ目標に向かっているので、『この仕事は自分には関係ない』とは感じることがないんです。優しくて思いやりのあるスタッフばかりなので、職種に関係なく助け合い、良好な人間関係が築かれています」と、皆さん。とても温かい職場ですね。今日はありがとうございました。
帰り道
- ――おつかれさまでした。職種を超えた連携やチームワークを大切にしている病院、いかがでしたか?
- うわさ通り、多様な専門職が一つのチームとして団結し、協力し合って患者様の支援に取り組んでいました。寝たきりの患者様がほとんどなので、介護的業務も多いそうですが、看護師が本来の業務に専念できるように他職種がフォローに入っているため、残業は月10時間以内なんだとか。
- ――どんな看護スキルが身に付く職場ですか?
- 人工呼吸器が常時20数台稼働しているので、医療機器に関する知識も身に付きますし、喀痰吸引・経管栄養管理・褥瘡処置など、慢性期の看護を広く深めることができます。また、言葉での意思疎通が難しい方がほとんどなので、小さな変化に気付く「観察力」も磨ける職場です。
- ――では、ここはちょっとというところは?
- 「慢性期の病院だからゆったり働けそう」というイメージで入職すると、ギャップを感じると思います。急性期とは違う忙しさがあり、看護師の皆さんはテキパキと働いていました。
- ――最後に、ここだけの話を教えてください。
- 看護師が中心となって看護補助者の教育にとても力を注いでいて、能力の高い看護補助者の方が多かったです。人工呼吸器の管や、点滴チューブやカテーテル類がつながれた状態の身体介助は注意すべき点が多いので、看護補助者も医療・介護の知識を積極的に学んでいるそうです。
多職種連携しながら慢性期の看護を深めていきたい方
結婚・出産後も安心して働き続けられる環境を求めている方