精神科は専門性が高く、新卒・第二新卒の採用に積極的な病院が少ない印象ですよね。多摩市の豊かな自然に囲まれた「桜ヶ丘記念病院」は、新卒・第二新卒の採用実績豊富な精神科病院で、看護部は20代・30代が中心とのこと。教育サポートが充実しているため、精神科未経験で入職する既卒者も多く、ゼロから精神科看護のプロを育てていく体制を整えているそうです。さっそく見学に行って、働く魅力をチェックしてきます!
- 形 態
- 精神科病院
- 所在地
- 東京都多摩市/聖蹟桜ヶ丘駅
- 病床数
- 447床
玄関
「桜ヶ丘記念病院」へのアクセスは、京王線「聖蹟桜ヶ丘駅」から徒歩13分。敷地面積は東京ドームとほぼ同じ広さ(約1.1倍)で、訪問看護ステーション・特養・サ高住などの関連施設が併設されています。玄関で迎えてくれたのは、ご夫婦で働く看護師のお2人。「夫が先に勤務していて、働きやすい職場なので私に紹介してくれました。私たち以外にも、夫婦で働くスタッフが何組かいるんですよ」。家族に紹介できる職場っていいですね!
看護部長室
まずは、須藤看護部長にお会いしました。どんな仲間を歓迎していますか?「向上心を持って仕事に取り組める方がいいですね。看護部では教育を充実させているので、新卒の方も精神科未経験の方も安心して学んでいけます。また、看護部の男女比は約4対6と偏りが少なく、子育てサポートや福利厚生も充実しているから、結婚・出産後も長く定着するスタッフが多いですよ」と、看護部長。
新棟の完成予想図
看護部長に、建設中の新棟の完成予想図を見せていただきました。完成はいつですか?「2025年度内を予定しています。現在の入院設備は447床で、8つの病棟で構成されていますが、耐震性と感染対策を充実させて病床数を削減し、新棟完成後は405床となる予定です」。
病棟
病棟に伺うと、プリセプター制度による新人教育が行われていました。「入職後は、新卒者にも中途入職者にもプリセプターの先輩が付き、1対1の丁寧なOJTを行っています。指導期間は新卒者は1年間、中途入職者は習得状況に合わせて対応していて、クリニカルラダーのレベル区分も、中途入職者の場合は個々のキャリアに応じて判断しているので、能力に合った学びができます」と、お2人。
スタッフステーション
お次は、教育専門委員会委員長の副看護部長さんがラダーを紹介してくれました。「2040年問題を見据えて日本精神科看護協会のラダーが見直されたため、当院でも時代に合わせた内容にリニューアルしました。教育専門委員会では、個々のキャリア目標達成に向けて院内外の研修参加を促し、資格取得支援体制なども整えています。また、師長・主任にはマネジメントラダーを活用して目標を可視化し、管理者としての成長も応援しています」。
スタッフステーション
お次は、精神科認定看護師さん(写真左から2人目)と、認定看護管理者さん(写真左から3人目)にお会いしました。職場の資格取得時サポートはありましたか?「はい、外部機関での研修・実習は勤務扱いとなり、研修費も交通費も病院が負担してくれました。看護部では、中堅看護師には実習指導者研修を、役職者にはファーストレベルなどの教育課程の受講を勧め、認定看護師などのスペシャリストを目指す際の相談にも応じています」。
院内研修の様子
お次は、院内研修の様子を見学しました。「病院全体の研修や、看護部主催の研修、病棟ごとの勉強会など、スキルアップの機会に恵まれていますが、原則勤務時間内の開催なのでプライベートを大切にできます。また、最近では職場のパソコンや個人のスマホから学習できるeラーニングを活用した研修も増えていて、自分の好きな時間・場所で学べるので便利です」と、お2人。
地域移行機能強化病棟
お次は、2024年8月に開設された地域移行機能強化病棟へ。どんな機能の病棟ですか?「入院が長期化している患者様を急性期病棟から受け入れ、スムーズな在宅復帰・社会復帰につなげていけるようリハビリや退院支援に取り組んでいます。退院支援には多職種連携が欠かせませんから、こんなふうにさまざまな専門職が集まる機会を定期的に設け、情報共有や意見交換を行っているんですよ」と、お2人。
講堂
つづいて、敷地内にある講堂を案内してくれました。バスケットゴールがあり、体育館のような雰囲気ですね。「そうなんです。スポーツを楽しめる講堂を活かして、もうすぐ職員のサークル活動を開始予定で、どのサークルもメンバー募集中です」と、お2人。どんなサークルが結成されていますか?「フットサル・バドミントン・卓球・バスケットなどのスポーツ系が中心で、すべて多職種で構成されています」。それは楽しみですね!
玄関
玄関に、東京都災害派遣精神医療チーム(東京DPAT)のメンバーが集まってくれました。「DPATとは、自然災害や集団災害の後に被災地に入り、精神科医療や精神保健活動の支援を行う専門チームのこと。当院は多摩市の災害拠点連携病院として、災害訓練などに積極的に参加しています。先日も、市内の医師会や看護学校と合同の防災訓練に参加しました。全職員の防災意識を高めるため、災害医療に関する研修も実施しています」と皆さん。
病棟
最後は、子育て中の看護師さんたちが集まってくれました。職場の子育て支援は充実していますか?「はい。敷地内には保育室が完備されていますし、子どもが小さいうちは日勤常勤・時短勤務・パート勤務の選択もOKです。最近では、男性職員の育休取得実績も増えていて、子どもが体調を崩した際にお休みするパパも珍しくないですよ」と、皆さん。結婚・出産後も安心して働けますね。今日はありがとうございました。
帰り道
――お疲れさまでした。新卒・第二新卒者や精神科未経験者の採用に積極的な精神科病院、いかがでしたか?
- 卒後間もない20代から子育て世代、定年退職前後のプラチナナースまで、多様な人材が活躍する職場でした。男性看護師の割合も多く、管理職として活躍する方や、育休を取得するパパさんも複数いて、それぞれが理想とする働き方を実現しているようです。教育制度としてプリセプターシップやクリニカルラダーなどもの確立されていて、入職後だけでなく、長く働く中での継続的なキャリアアップも応援してもらえる環境です。
――見学中に印象に残ったことはありますか?
- 敷地面積は東京ドームとほぼ同じ広さがあり、関連施設も多く併設されているため、敷地内は迷ってしまいそうなくらいでした。そんな広い敷地を活かして、職員用設備も充実させているようで、教えていただいた保育室以外にも、単身者寮、職員食堂、図書・資料室、売店、職員用駐車場などが設けられていました。
――では、ここはちょっと、というところは?
- 歴史ある病院なので、ハード面の老朽化が気になる方もいるかもしれません。でも、2025年度内には病棟が主体の新棟が完成する予定で、きれいで新しい環境の中で仕事ができます。
――最後に、ここだけの話をひとつお願いします。
- 東京DPATの結成をはじめ、災害医療への取り組みが活発です。多摩市は防災意識が高い地域で、地域が一丸となって防災訓練などを行っているそうで、訓練をきっかけに地域の関連機関とのつながりが強まっているのだとか。
多様な人材を歓迎する精神科病院で、長く活躍したい方
未経験から精神科看護のプロを目指してスキルアップしたい方