第二新卒者がいきいきと活躍する職場は、教育体制が充実していて活気がありそうですよね。岩手県盛岡市の地域医療を支える「髙松病院」では、若手や経験の浅い第二新卒者の教育に注力しており、「病院の未来を支える人材づくり」に取り組んでいるとのこと。ワークライフバランスを大切にしていて、最近では、結婚・出産を控える20代のスタッフや、ママさん管理職も増えているそうです。さっそく見学に行って、その実態を見てきます!
- 形 態
- ケアミックス型病院
- 所在地
- 岩手県盛岡市/盛岡駅
- 病床数
- 95床(一般40床、療養55床)
玄関
「髙松病院」へのアクセスは、「盛岡駅」からバスに乗り、「館坂橋」バス停で下車して徒歩約5分。目の前を東北最大の河川「北上川」が流れ、遠くに岩手山を一望できる環境です。玄関では、入職2年目の看護師さんと、入職5年目の作業療法士さんが迎えてくれました。「公共交通機関での通勤も便利ですが、敷地内に無料の職員用駐車場が完備されているので、マイカー通勤者が多いですよ」と、お2人。
駐車場
駐車場の訪問車の前で、在宅医療部の師長さんを紹介していただきました。「在宅医療部は2019年に開設された比較的新しい部署で、高齢で通院が難しい在宅療養者の方の訪問診療を行っています。訪問診療の需要は地域の高齢化とともに高まっています」と、師長さん。
スタッフステーション
お次は、所属する夢眠グループについて教えていただきました。「当院は歴史ある病院ですが、2019年に『夢眠グループ』の一員になったのを機に、新しさも積極的に取り入れるようになりました。夢眠グループは、さまざまな病院・クリニック・介護施設などを全国に展開し、定期的に各施設の代表者が情報共有をしているため、良い取り組み事例などを導入しやすいんです」と、お2人。今後はグループ合同の研修もスタートする計画とのこと。
病棟
病棟に行くと、看護部長(写真右端)と、12月入職予定の新卒事務スタッフさん(写真中央)にお会いできました。若手採用に注力されているそうですね。「そうなんです。経験が浅いナース向けに、師長や主任たちと教育制度や研修内容を見直し、2022年より教育体制を一新させました。看護部長として、当院の未来を支える人材育成に取り組むため、今後はさらに第二新卒者の入職を歓迎していきたいと考えています」と、看護部長。
病棟
つづいて、看護部長にシフト表を見せていただきました。お休みの希望は通りますか?「はい。みんなの希望ができる限り通るように調整しています。看護部にはママさんが多いので、お子さんの体調不良による突発的なお休みにも、みんなが『お互いさま』と温かくフォローしています」と、看護部長。看護部長も子育て中で、師長や主任の中にもママさんが複数活躍しているそうです。
一般病棟
「入院設備は、こちらの2Fに40床の一般病棟があり、3Fに55床の療養病棟があります」と、お2人。一般病棟にはどんな入院患者様が多いですか?「手術・リハビリ目的の方をはじめ、ターミナルの方や、在宅療養中に急変された方など、疾患も容態もさまざまです。最近は、近隣の高度急性期病院からの紹介も増えていて、地域の医療機関同士が連携して役割分担を進めています」。周辺には、県立病院などの大規模病院が多いのだとか。
スタッフステーション
スタッフステーションを覗くと、多職種によるカンファレンスが行われていました。「患者様一人ひとりに継続的な医療支援を提供するため、外来・病棟・在宅医療部のスタッフのチームワークを重視しています。例えば、在宅から入院になる際も、病棟看護師が在宅医療部から患者様の情報収集を行い、お身体の状態はもちろん、家族構成や生活環境なども細かく聞き取るようにしているんですよ」と、皆さん。それは素晴らしい!
スタッフステーション
スタッフステーションの一角で、新人教育の様子を見学させていただきました。「入職後は、こんなふうに教育担当の先輩が付き、業務に慣れるまでマンツーマンのOJTを行っています。教育担当の先輩は日替わりで変わるため、いろいろな先輩の仕事の進め方や看護について学ぶことができ、どの先輩とも距離が近づいて親しくなりやすいです」と、新人看護師さん。
療養病棟 リネン室
療養病棟のリネン室には看護助手さんが活躍していました。「療養病棟には要介護度の高い患者様が多いため、看護助手が手厚く配置され、看護師さんとチームを組んで働いています。主な業務は入院中の生活支援・身体介護で、忙しくなりがちな入浴時間帯には入浴介助専門のパート職員を採用しているので、心にゆとりを持って働くことができています」と、看護助手さん。看護助手は、無資格・未経験の方も大歓迎とのこと。
リハビリテーション室
リハビリテーション室に行くと、セラピストの皆さんが迎えてくれました。「当院では主に整形外科の手術に対応しているため、運動器のリハビリがメインですが、患者様の高齢化に伴い廃用症候群へのアプローチにも力を注いでいます。質の高い『チーム医療』の実践に向けて、セラピストは毎日病棟まで情報共有に行き、退院後のより良い生活のために医師や看護師と連携しているんです」と、リハビリスタッフの皆さん。
病棟
最後は病棟で、多職種の皆さんが見送ってくれました。どんな仲間と一緒に働きたいですか?「和を大切にしてくれる方なら、どんな方でも歓迎します。全職員の顔と名前が一致する規模の病院なので、部署の垣根がなく、職種を超えたチームワークが大きな自慢です。ぜひ当院で、『信頼できる仲間と働く喜び』や『チームによるケアの成果』を実感して欲しいと思います」と、皆さん。素敵な職場ですね!今日はありがとうございました。
帰り道
――お疲れさまでした。第二新卒も大歓迎の地域密着型病院、いかがでしたか?
- 2022年度より若手採用に注力し始めたことで、「みんなで育てていこう!」という共通の意識が生まれ、現場により活気が出たそうです。看護部では、管理職の皆さんが中心となって、経験の浅い職員に対する教育体制を見直したそうで、引き続き第二新卒者の入職を歓迎したいんだとか。
――働きやすさはどうですか?
- 休みの希望が通りやすく、有休もしっかり消化できるため、とても働きやすい環境が整っています。残業時間は部署によって異なりますが、発生しても1時間以内で終わり、定時に退勤できる日が多いため、ワークライフバランスを大切にできる環境です。
――では、ここはちょっと、というところは?
- 看護部長は、第二新卒者など若手を受け入れていくための教育体制にまだ課題が多いとおっしゃっていました。研修プログラムやOJT体制を充実させることはもちろん、指導者の育成にも一層力を入れていきたいそうですよ。
――最後に、ここだけの話をひとつお願いします。
- 看護部長は現場をとても大切にしていて、部長室にいる時間よりも、現場にいる時間のほうが長いのだとか。毎日メンバーと同じように患者様と向き合っているからこそ、業務の課題が見え、スタッフの意見・要望なども吸い上げやすいそうです。
地域密着型医療や在宅医療に興味がある新卒・第2新卒の方
結婚・出産後も管理職として活躍したい方