患者様の満足度向上だけでなく、職員の満足度向上にも取り組んでいる病院には、働く魅力がたくさんありそうですよね。全国に多くの医療・介護施設を展開する「ひかりグループ」の「横浜いずみ台病院」では、地域や職員のニーズに寄り添ったさまざまな改革を進めているとのこと。多様な人材の活躍を推進し、福利厚生や子育て支援などを充実させているらしいので、さっそく見学に行ってきます。
- 形 態
- ケアミックス型病院
- 所在地
- 神奈川県横浜市泉区/いずみ野駅
- 病床数
- 176床(地域包括40床、療養136床)
玄関
「横浜いずみ台病院」へのアクセスは、相鉄いずみ野線 「いずみ野駅」から徒歩15分。近隣にバス停が複数あり、バス通勤も便利ですし、敷地内には職員用駐車場(月1000円)が完備されているため、車通勤の方も多いそうです。玄関で迎えてくれたのは、療養病棟の看護主任さん(写真右)と、新卒1年目の介護スタッフさん(写真左)。「ようこそ!今日は私たちの自慢の職場をゆっくり見学していってくださいね」。
外来待合ロビー
さっそく玄関を入り、外来の待合ロビーへ。「外来部門には歯科診療室もあり、小さなお子さんから高齢者の方まで、幅広い世代の患者様が来院されます。また、通院が難しい方のために訪問診療にも対応していて、外来看護師は訪問診療の同行業務も兼務するため、在宅医療に関する学びもできるんですよ」。近年、在宅医療のニーズが高まっていることから、関連施設の訪問看護ステーションと協働しているのだとか。
受付前
受付には、所属する「ひかりグループ」のパンフレットが置かれていました。「ひかりグループは6つの医療法人からなる大規模な医療・介護グループで、神奈川県内には18のグループ施設があります(2023年12月)。地域の患者様のために医療・介護連携を推進するだけでなく、スタッフの教育面でも密に連携していて、同地区のグループ施設との合同研修・学会などが充実しています」と、お2人。
廊下
倉園副看護部長にお会いしました。「私は2023年に副看護部長に就任したばかりで、今はスタッフ一人ひとりと話をする時間を大切にしながら職場の課題を見つけ出しています。これまで勤めてきた病院で地域連携や相談業務に従事した経験もあるので、さまざまな想いを抱える患者様やご家族、そしてスタッフの心にしっかりと向き合いながら、組織改革・職場改革を進めていきたいと思っています」。
地域包括ケア病棟 スタッフステーション
地域包括ケア病棟のスタッフステーションでは、多職種カンファレンスが行われていました。「地域包括ケア病棟の患者様は在宅復帰を目指している方が中心のため、入院時から退院後の生活を見据えた関わりを心がけ、多職種チームで一人ひとりに合った支援計画を立案しています。大き過ぎない病院規模なので、部署の垣根がなく、全職種が退院という共通のゴールに向かって団結していると感じます」と、皆さん。
地域包括ケア病棟 病室
病室に行ってみると、喀痰吸引の指導が行われていました。「入院患者様は高齢者の方が大半で、痰の吸引のニーズが高く、看護師だけでなく介護スタッフも技術を身に付けています。先日も、法人内研修センターで『喀痰吸引等研修』が開催され、当院の副看護部長が講師として出向いたんですよ」と、お2人。
透析室
お次は、リニューアル工事中の透析室へ。「透析室のベッド数は5床に減りますが、その代わりに同じフロアの療養病棟内で透析治療を受けられる病床を設ける予定です。横浜市内では初の試みで、寝たきりで透析室への移動の負担が大きい入院患者様と、その介助を担うスタッフの負担軽減につなげていきます」。2024年度内には療養病床を16床増やし、うち何床かが透析治療が受けられる病床になるのだとか。
病室
療養病棟の病室で、新人介護スタッフさんの指導風景を見学しました。「介護スタッフは無資格・未経験の方も大歓迎で、入職後は日替わりの教育担当者が付き、基本的な業務からマンツーマンで指導していきます。働きながら介護の資格を目指したい方へのサポート体制も整っているので、初任者研修・実務者研修・介護福祉士などの資格を持つスタッフも多く活躍しています」と、お2人。
廊下
お次は、子育て中のママさん看護師のお2人を紹介していただきました。仕事と子育ての両立は順調ですか?「はい。子どもが小さいうちは日勤常勤・時短勤務・パート勤務の選択もできるため、無理なく仕事を続けることができています。当院では子どもが小学3年生まで時短勤務を選べますし、子どもの卒業お祝い金制度なども確立されているんですよ」と、ママさん看護師のお2人。
職員食堂
つづいて、お2人がお気に入りの職員食堂へ。福利厚生も充実していますか?「はい。こちらの職員食堂では、栄養バランスのとれた手作りランチを1食350円で食べることができます。福利厚生は他にも、保養所、医療費還付金制度、院内表彰制度などがあり、院内表彰は永年勤続者だけでなく、院長賞や看護部長賞などを設定し、幅広い分野で病院に貢献した職員を表彰しているんです」。
廊下
最後は、多職種の皆さんが集まってくれました。働きやすさはどうですか?「とても満足しています。年間120日の公休は希望が通りやすく、有休消化率はほぼ100%を達成しているので、家庭を持つスタッフや、趣味を楽しむスタッフが多いです。また、残業がほとんどなく、勉強会や会議なども原則勤務時間内の開催なので、仕事の後の予定も立てやすいですよ」と、皆さん。今日はありがとうございました。
帰り道
- ――お疲れさまでした。患者様や職員の満足度向上を目指す病院、いかがでしたか。
- うわさ通り、患者様にとっても職員にとっても魅力的な病院づくりに取り組んでいて、増床リニューアル計画に伴い、看護師・介護スタッフの採用を強化していました。増床リニューアル工事は、患者様と職員の負担軽減を実現する目的で進められていて、市内で初めて病棟で透析治療が受けられる環境が整う予定なのだとか。
- ――どんな看護・介護を経験できる職場ですか?
- 入院患者様は急性期の治療を終えた方が中心なので、業務に追われるような慌ただしさがなく、一人ひとりとじっくり向き合った看護・介護を経験できます。また、関連施設と連携して退院支援や在宅サポートにも力を注いでいて、高齢化が進む時代に求められる地域包括ケアについても深めていける職場です。
- ――では、ここはちょっと、というところは?
- 新副看護部長の就任を機に、看護部の教育体制を見直していて、まだ改革途中の部分もある点でしょうか。ただ、クリニカルラダーやeラーニングなどはすでに導入されているので、それらを活用した研修プログラムを考案中とのことです。
- ――最後に、ここだけの話をひとつお願いします。
- 副看護部長は、大学病院・ケアミックス型病院・療養型病院など、さまざまな職場でキャリアを磨き、地域連携室の室長として働いた経験もあるのだとか。「日々の経験が学び」とおっしゃっていて、OJTや研修だけでなく、経験を通じて成長できる職場環境を整えていきたいそうですよ。
急性期治療後の患者様への看護に興味がある方
無資格・未経験から介護の仕事にチャレンジしたい方