《 看護職編 》リハビリ専門病院で働く魅力と言えば、患者様とじっくり関わりながら回復の過程を見られることですよね。上尾中央医科グループ(AMG)の「さがみリハビリテーション病院」では、働きやすさを整えてスタッフのモチベ―ションを上げ、常時約80%の在宅復帰率を維持しているとのこと。看護部では教育サポートを充実させて、リハビリ看護が未経験の方やブランクのある方も歓迎しているそうなので、さっそく見学に行って働く魅力を見つけてきます。
- 形 態
- リハビリテーション病院
- 所在地
- 神奈川県相模原市中央区/南橋本駅
- 病床数
- 130床
玄関
「さがみリハビリテーション病院」へのアクセスは、「南橋本駅」西口から徒歩15分。敷地内には職員用駐車が用意されているので、マイカー通勤をしている方も多いそうです。玄関で迎えてくれたのは、2人の高校生のお子さんを持つ看護係長さん。「ようこそ!当院に入職して2人の子どもを出産後、一度は急性期病院を経験したくて退職したのですが、子育てとの両立に難しさを感じて、再び戻ってきたんです」。
付帯施設の訪問看護ステーション ルピナス
まずは、目の前にある付帯施設のサ高住「ユノトレメゾンさがみ」を案内していただきました。「全20戸の小規模なサ高住ですが、同一建物内に訪問看護ステーション・訪問介護事業所・居宅介護支援事業所があり、デイサービスも隣接しています。当法人では、退院後の在宅サポートにも力を注ぐために、さまざまな支援機関を運営しているんです」。病院スタッフのロッカーはサ高住の一角にあり、毎日足を運ぶ場所なんだとか。
会議室
会議室は、大きなスクリーンとスピーカーを備えていて、研修室としても活用しているそうです。「回復期リハビリテーション病棟協会・看護協会・AMGキャリアサポートセンターなどによる外部研修にも参加を促していますが、新型コロナの流行以降はオンライン形式の研修が増えたので、こちらで受講できる環境を整えました」。新型コロナ対策として、ラダー別研修もeラーニングを活用しているそうです。
看護部長室
お次は、島看護部長にお会いしました。看護部が大切にしていることはありますか?「お互いに助け合う『持ちつ持たれつの関係』です。困った時には一人で悩まず、周囲に助けを求められる部署づくりを進めています。看護部長には『看護の質』を上げることが求められるのかもしれませんが、働きやすい環境とチーム力があればスタッフの笑顔が増え、看護の質は自然に上がっていくものだと思っています」と、島看護部長。
リハビリテーション科 スタッフステーション
つづいて、リハビリテーション科のスタッフステーションへ。「リハビリテーション科は看護部に次いで人数が多く、PT・OT・STが多数在籍しています。入院患者様へのリハビリに加えて、外来リハビリや訪問リハビリにも対応し、行政機関や地域包括支援センターと連携しながら近隣住民の方の介護予防・フレイル(加齢による心身活力の低下)対策にも取り組んでいるんですよ」と、看護係長。
リハビリテーション室
リハビリテーション室の一角には、調理訓練専用キッチンがありました。在宅復帰に向けた実践的な訓練も行っているんですね。「ええ。実際の調理や食器類の洗浄・収納動作などのトレーニングに活用しています。セラピストは看護師と日々の訓練状況を共有して、患者様ができることは自分でやっていただき、できない部分を介助する自立支援を目指しているんです」と、セラピストさん。
スタッフステーション
病棟のスタッフステーションでは、多職種カンファレンスが行われていました。「チーム医療を推進する当院では、入院早期から『在宅復帰』を想定した支援を多職種で検討しています。回復期の看護師には、患者様が個別リハビリで獲得した『できるADL』を日常的に『しているADL』へつなげる役割が求められているので、さまざまな職種から生活リハビリに関するアドバイスをもらっています」と、看護係長さん。
スタッフステーション
「こちらの3人は子育て中のママさんです」と、紹介してくれました。職場の子育てサポートは充実していますか?「はい。保育室があるほか、子どもが小さいうちは日勤常勤・時短勤務・パート勤務なども選択可能です。一般看護職の月平均残業時間は2時間なので、定時に退勤できる日が多く、子どもと過ごす時間を大切にできています」と、ママさんたち。お子さんの急な体調不良による勤務変更や行事によるお休みにも理解があるそうです。
スタッフステーション
スタッフステーションの一角では、メンバー指導が行われていました。「看護部では、『新人さんをはじめ、スタッフを部署全体で育てていこう』という方針を掲げて、業務に慣れるまで相談役の先輩が付きますが、技術指導は交替でみんなで行っています。緊急入院・手術に対応していないため、患者様に丁寧なケアを提供するだけでなく、新人さんなどにも時間をかけた丁寧な教育を心がけています」と、看護係長さん。
病棟
つづいて、回復期リハビリテーション病棟協会認定看護師さんを紹介していただきました。「資格取得支援制度が整っているので、看護部には5名の回復期リハビリテーション病棟協会認定看護師が在籍し(2024年3月)、専門性を持って患者様に向き合うだけでなく、多職種チームのマネジメントやスタッフ教育にも携わっています」と、看護係長さん。看護協会認定の認定看護師や特定看護師の資格を取得する際も応援してもらえるそうです。
病棟
最後は、病棟に多職種の皆さんが集まってくれました。とても和気あいあいとした雰囲気で、職種の壁を感じませんね。「そうなんです。スムーズな在宅復帰を支えるには、さまざまな職種の視点が求められるので、他職種とも同じチームの仲間として協働しています。職種に関係なく良好な人間関係が築かれているからこそ、質の高いチーム医療の実践につながっているんです」と、皆さん。なるほど!今日はありがとうございました。
帰り道
――お疲れさまでした。高い在宅復帰率を維持する回復期リハビリ専門病院、いかがでしたか?
- 患者様の在宅復帰のために多職種が一丸となって取り組んでいて、とても活気のある病院でした。脳血管疾患のリハビリに多く対応しているので、後遺症で元通りの身体に戻ることが難しい方もいるそうですが、誰もが笑顔で退院できるように、「その方らしさ」を大切にした支援を行っているそうです。
――回復期の看護の特徴はどんなところですか?
- 患者様の「自立を促す関わり」が大きな特徴だと感じました。患者様自身が立ち上がったり、歩いたり、トイレに行ったりする様子をそばで見守り、手を貸し過ぎてもダメですが、転倒しないように配慮しなければいけないので、急性期とは違った視点が必要ですね。
――では、ここはちょっと、という点は?
- 開院から40年以上経っている病院なので、現時点ではハード面で歴史を感じる部分が多いです。ですが、2025年12月には新築移転を予定しているので、その面も改善されてより気持ちよく働ける環境が整うと思います。
――最後に、ここだけの話をひとつお願いします
- 看護部長は入職当初は准看護学生だったそうで、看護助手として働きながら学校に通い、准看護師→看護師とキャリアアップしたそうです。30年以上勤務しているため、いろいろな部署の方に慕われていて、現場のスタッフとも近い距離感で接していました。
リハビリテーション看護に興味があり、他職種とチームを組んで働きたい方
患者様とじっくり向き合える職場で、結婚・出産後も長く働きたい方