仕事に追われる生活をしていると、趣味や家族との時間を十分取れず、心に余裕がなくなりがちですよね。100年以上にわたって鎌倉市腰越地域の医療を支える「鈴木病院」では、湘南の海のすぐ近くで、ゆとりを持ってのびのびと看護ができる環境が整っているとのこと。残業はほぼゼロで、お休みも多く、趣味や子育てを楽しむスタッフも多いそうなので、さっそく見学に行ってチェックしてきます。
- 形 態
- ケアミックス型病院
- 所在地
- 神奈川県鎌倉市/鎌倉高校前駅
- 病床数
- 125床(一般54床、医療療養71床)
玄関
「鈴木病院」へのアクセスは、江ノ電屈指の絶景を楽しめる「鎌倉高校前駅」から徒歩3分。波の音が聞こえてきそうなほど海に近い駅で、周辺は有名アニメの聖地でもあり、多くの観光客でにぎわっています。玄関で迎えてくれたのは、外来クラークのお2人。「ようこそ!今日は美しい海の景色も満喫しながら、ゆっくり見学していってくださいね」。
病棟の窓辺
まずは、眺めの良い海側の病棟へ。目の前には七里が浜が広がり、右手には江の島がよく見えます。「ここは当院イチオシのビュースポットで、ときどき江の島にかかる虹が見えたり、夜勤時には朝焼けに染まる江の島が見えたりします。こんなに近くに海が見える病院、なかなかないと思いますよ」と、お2人。鎌倉や江の島の花火大会の日には屋上を開放し、特等席で花火を楽しむんだとか。
廊下
廊下を歩いていると、開業100周年の記念パネルが掲示されていました。歴史ある病院なんですね。「ええ、開業から110年ほど経過しています。1911年に結核サナトリウムとして誕生して以来、長い歴史の中で診療機能を見直しながら発展してきました。現在は結核病棟を閉鎖して高齢者医療に特化していますが、いつの時代も地域に求められる医療サービスを追求する姿勢はぶれずにいます」。
廊下
見学中に、鈴木院長(写真右から2番目)と島津看護部長(写真右)に遭遇。「鎌倉は全国有数の高齢都市で、観光地として栄える一方で過疎化も深刻です。当院ではそんな地域を支えるために高齢者医療に力を注ぎ、全国から湘南・鎌倉の地域医療に携わりたい仲間を募っています。これまで、北海道や東北、関西などから移住してきた職員もいますし、毎月大学から地域医療を学ぶ研修医を受け入れているんです」と、お2人。
病室
病室を覗くと、看護師さんが患者様と向き合っていました。「入院設備は一般病棟と療養病棟で構成されていて、一般病棟の約半数の患者様は治療を終えると療養病棟に転棟します。もう半数の方は在宅復帰を希望されますが、ほとんどの方が訪問診療や訪問看護などの在宅医療が必要なので、入院中から退院後の生活を見据えて、病棟看護師と訪問看護師が密に連携しているんですよ」。
駐車場
つづいて、訪問先に出発前の訪問看護師さんにお会いしました。「地域連携室には3名の訪問看護師が在籍し、主に退院された方の在宅療養を支えています。当院周辺は坂道や小高い丘が多く、高齢者の方にとって通院が大変なので、在宅医療のニーズは年々高まっていて、状況に合わせて訪問看護師も増員する予定です」。看護部では在宅医療に興味がある方も大歓迎とのこと。
病棟
病棟に戻ると、看護補助者のお2人が活躍していました。「療養病棟は看護師とほぼ同数の看護補助者を配置するために、看護補助者も積極的に採用中です。看護補助者は無資格・未経験OKで、多様な人材の活躍を推進しており、こちらの看護補助者(写真左から2番目)はミャンマーからの介護技能実習生なんですよ」。看護部では、看護補助者向けの勉強会なども充実させているそうです。
スタッフステーション
スタッフステーションを覗くと、新人看護師さんへの指導が行われていました。「病棟に慌ただしさがなく、患者様にも新人さんにも丁寧に向き合うことができるのが当院の良いところです。入職後は、業務に慣れるまでサポート役の先輩が付き、マンツーマンの丁寧なOJTを実施しています。高齢者看護が未経験の方でも安心して働けるように、きめ細かい指導を心がけています」と、サポート役の看護師さん。
スタッフステーション
お次は、病棟主任さんがシフト表を見せてくれました。お休みが充実しているそうですね。「ええ、年間120日以上の公休があり、有休消化率も高いです。希望休は月4回まで申請OKで、みんなの希望がほぼ100%通るように調整しているので、結婚・出産後も仕事を続けるスタッフが多いです」と、主任さん。家庭の事情に合わせて、常勤スタッフも「夜勤免除」や「日曜祝日免除」を選べるそうです。
スタッフステーション
「こちらの2人の看護師は子育て中なんですよ」と、紹介してくれました。仕事と子育ての両立は順調ですか?「はい。毎日ほぼ定時に退勤できますし、子どもの成長に合わせて働き方を見直せるので、無理なく両立できています。子育てサポートの時短勤務は、最大小学3年生まで延長できるので、産休・育休後の職場復帰率はほぼ100%です」と、お2人。近年では、男性職員の育休取得も推進しているとのこと。
屋上
最後は、屋上に多職種の皆さんが集まってくれました。和気あいあいとした雰囲気で、職種の壁を感じませんね。「家庭的で温かい人間関係も当院の魅力の一つで、新型コロナの流行前は、職員旅行・ボーリング大会・BBQ大会などの職員行事が活発でした。最近は感染対策で職場外での交流を自粛中ですが、感染状況を見ながら少しずつ再開したいと話しているんです」と、皆さん。それは楽しみですね!今日はありがとうございました。
帰り道
――お疲れさまでした。美しい湘南の海を身近に感じられる病院、いかがでしたか?
- 海が本当にすぐそばにあり、院内の至る場所から美しい景色が見えるので、勤務中にふと窓の外を見ると、心が癒されて緊張が和らぐそうです。開業当初から地域のニーズに寄り沿った医療サービスを展開していて、現在は高齢化が進む地域を支えるため、高齢者医療に特化し、長期療養や在宅医療に力を注いでいました。
――働きやすさはどうでしたか?
- 残業は月平均2時間前後、年間休日120日以上(+有休)など、とても働きやすい環境が整っていて、家庭やプライベートを大切にしたい方にはぴったりの職場です。心身ともに無理のない働き方ができるので、出勤前にサーフィンを楽しむ方もいるそうです。
――では、ここはちょっと、というところは?
- 長い歴史をもつ病院なので、ハード面の老朽化が気になる方もいるかもしれません。ただ、リニューアル工事や建て替えを検討しているそうで、数年後には新しいハード面に生まれ変わる可能性が高いです。
――最後に、ここだけの話をひとつお願いします。
- 鈴木院長は気さくで明るい人柄で、幅広い臨床に携わりながらスタッフとのコミュニケーションを大切にしていました。職場に対する意見や要望にも耳を傾けてくれるそうで、スタッフの皆さんにとても慕われていましたよ。
美しい海の近くの病院で、地域医療に貢献していきたい方
高齢者看護に興味があり、結婚・出産後も長く働きたい方