薬剤師とは、薬剤師法で、調剤、医薬品の供給、その他をつかさどることによって公衆衛生の向上と増進に寄与し、国民の健康な生活を確保するのがその任務であると規定されています。薬剤師はあらゆる薬が製造元で作られてから顧客、患者の手に届くまでの医療機関や薬局といったすべての過程に関与する薬の専門家です。国家資格であり、一度取得すれば一生使える資格です。毎年限定された人数の薬剤師しか生まれず、しかも医療現場では恒常的にその人数が足りていないことから、ほかの仕事に比べてかなり自由に転職できますし、結婚出産を経ても復職が可能で、女性が活躍しやすい仕事といえます。

薬剤師が働く場所は想像以上に多岐にわたっており、さまざまなところで需要があります。まず一般的に多いのが調剤薬局で、病院に付属する薬局でも薬剤師が働いています。またドラッグストア、診療所、学校などにも多くの需要があります。薬局では調剤、服薬指導が主たる業務になりますが、病院では入院患者に対する服薬指導や、薬物治療に関わることもあります。さらに薬剤師は、製薬会社や食品メーカーなどに勤務することもありますので、活躍の場はかなり広がっていることがわかります。

病院に勤務する薬剤師は、調剤薬局やドラッグストア勤務にに比べて、かなり専門性の高い仕事に従事することになりますので、ルーティンワークのみならず、さらに高度な業務に積極的にチャレンジしたいというモチベーションの高い人に向いた職場ということができます。病院薬剤師は新卒から働いている人も多いようですが、常に人数が足りない病院が多いことから、求人もそれなりに登場するようになっており、病院で薬剤師を目指すひとにはかなりの雇用機会があるといえます。

薬剤師は国家資格となりますので、薬剤師国家試験に合格する必要があります。受験資格は、薬剤師法によって規定されていますが、1991年4月の大学入学者から、薬学の正規の過程のうち終業年限を6年とする過程を卒業したものが条件となりましたので、まず薬学専門の大学に進学することが必要となります。年1回毎年3月に2日間の日程で行われる薬剤師国家試験では、毎年1万人前後の合格者が出ています。試験に合格しますと申請により厚生労働省の薬剤師名簿に登録され、厚生労働大臣から薬剤師免許が与えられることになります。